帝都幻談
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帝都幻談(ていとげんだん)は荒俣宏の小説。週刊文春1997年5月1・8日合併号から11月27日号にかけて連載され、後に大幅に加筆・修正を加えた単行本上巻とその続編である書下ろしの下巻が発売された。
[編集] 概要
時は天保11年、蝦夷怨霊を率いて江戸幕府転覆を目論む怪人稲生武太夫。魔人加藤重兵衛は彼と連合し江戸を滅ぼし引いては日本を滅亡させようとする。彼らの恐るべきたくらみを知った北町奉行遠山景元や平田篤胤らは力を合わせ魔人たちの野望を阻止しようとする。
[編集] 登場人物
- 加藤重兵衛(かとうじゅうべえ)
- 稲生武太夫(いのうぶだゆう)
- 平賀源内
- 武太夫の木槌を手に入れ蝦夷の怨霊を呼び出し幕府への復讐を企む。
- 遠山景元(とおやまかげもと)
- 平田篤胤(ひらたあつたね)
- 国学者。霊界研究を源内の怨霊召還に利用されてしまう。後に博識を生かし遠山と共に怨霊と戦う。
- 鳥居耀蔵(とりいようぞう)
- 幕政改革の急先鋒であり町民の立場を守る遠山と政治的に対立している。加藤を部下に従えていたが、その権力を加藤に利用されていた。
- 藤田東湖
- 水戸藩の重鎮。アテルイの首を狙う加藤と対決する。
- 田中久重
- 「からくり儀右衛門」として知られる技術者。万年時計を用いて加藤の呪術を封じる。
- アテルイ
- 蝦夷の大怨霊。その首は水戸の城において鎮魂されている。
- 平将門
- 江戸の産土神。