平壌放送
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平壌放送 | |
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各種表記 | |
チョソングル: | 평양방송 |
漢字: | 平壤放送 |
平仮名: (日本語読み仮名): |
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片仮名: (現地語読み仮名): |
ピョンヤンパンソン |
ラテン文字転写: | {{{latin}}} |
英語: | Radio Pyongyang |
平壌放送(ピョンヤンほうそう)は、朝鮮民主主義人民共和国の国営放送である朝鮮中央放送委員会が製作する国外向け朝鮮語ラジオ放送局。 同国から発信される国際放送にはいくつかの言語があるが、現在、平壌放送と称しているのは朝鮮語放送のみ。日本語をはじめとする外国語放送については、2001年2月に「朝鮮の声放送」に改称された。
主な周波数は657kHzなど。
目次 |
[編集] 歴史
平壌放送局(現在の朝鮮中央放送の前身)が1945年10月の放送再開時から実施していた対南・対外朝鮮語番組が、1951年1月に開始された海外放送(現在の「朝鮮の声(Voice of Korea)」)の朝鮮語放送として独立し、組織としても1955年10月に国内向け放送とは別系統として分離されたのがその前身である。その後、改称を繰り返し、1972年11月、組織改編によって海外向け放送と別組織になった際に、現在の平壌放送と改称された。
[編集] 内容
朝鮮中央放送とあまり変わらず、プロパガンダ的なニュースや音楽、労働新聞の論評、小説の朗読、ドラマなどを中心に放送しているが、国内向けの朝鮮中央放送とは異なり、対象リスナーは主に韓国在住同胞、もしくは在日朝鮮人等である。05:30から06:00までの30分を除くほぼ終日に渡って放送されている(ただし周波数によっては04:00で放送を打ち切るものもある)。
放送開始前のインターバル・シグナルは「金日成将軍の歌」を電子オルガンでアレンジしたものが流れる。開始時は愛国歌の演奏に続いて「栄えあるわが祖国、朝鮮民主主義人民共和国万歳!」「朝鮮人民のすべての勝利の組織者・嚮導(きょうどう)者である朝鮮労働党万歳!」とのスローガンが読み上げられ、次に「金日成将軍の歌」と「金正日将軍の歌」が流れる。
かつて金日成放送大学は、1962年に開始されて以来、長い間毎日夜に放送されていた。しかし2004年10月31日放送分をもって42年間にわたる放送を終え、これに代わるものとして同年11月8日よりインターネットを通じての講義が開始されている。
[編集] 目的
平壌放送は、対南(韓国)向け・近隣諸国にいる朝鮮人向け・工作員向けの放送とされている。 工作員への指令はかつてこの放送で行われていたとされている。(現在も本放送の選曲順が工作員への暗号になっているという指摘がある。) なお、韓国在住者が平壌放送を聴けないようにするため、韓国政府当局はジャミングを発信して対処している(しかしソウル市から離れると聴取できるようである)。日本でも平壌放送の電波とこの妨害電波が混信した状態で受信されることがある。また近畿地方などの一部地域ではNHK大阪放送局と混信する場合もある。
[編集] 乱数放送
かつては乱数放送と呼ばれる暗号電文を読み上げる放送をしており、これにより拉致を含むさまざまな指令を工作員に送ってきた経緯がある。 なおこの乱数放送の解読に使う乱数表は水溶紙が使われており機密性が保たれているが、これまで何度も韓国などで見つかり押収されている。
乱数放送は2000年に終了している。(ただし、この放送終了は、一連の工作活動を終了したのではなく、放送以外の指令伝達手段に切り替えたためと言われている。)現在は、メールで暗号を行っている。
かつて、韓国政府が本放送を模したダミーの乱数放送を行ったことがあるとする指摘もあるが、現在はみられない。
[編集] 受信方法
電波が比較的強く(強いものは出力1.5MW)、中継局も多いため、日本国内でもAMラジオの657kHz、801KHz、855KHzなど、さまざまな周波数で聞くことができる。日本で聞く場合は、日が暮れてからチューニングし、ラジオ(アンテナ)の方向を調節するとよく入感するようであるが、前述したジャミングなどや場所の影響で受信できない事もある。