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技術士 - Wikipedia

技術士

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

技術士ぎじゅつし)は、技術士法に基づく日本国家資格である。有資格者は、技術士の称号を使用して、登録した技術部門の技術業務を行うことができる。

技術士補ぎじゅつしほ)は、将来技術士となる人材を育成することを目的とする、技術士法に基づく日本の国家資格である。有資格者は、技術士の指導の下で、技術士補の称号を使用して、技術士を補佐する技術業務を行うことができる。

目次

[編集] 技術士の定義

技術士法第2条は、技術士を以下のように定義している。

  • 「技術士」とは、第32条第1項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画,研究,設計,分析,試験,評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいう。
  • 「技術士補」とは、技術士となるのに必要な技能を修習するため、第32条第2項の登録を受け、技術士補の名称を用いて、前項に規定する業務について技術士を補助する者をいう。

[編集] 技術士登録

技術士とは登録技術者レジスタード・エンジニア)制度であって、試験に合格しただけでは技術士ではない。技術士法32条は、所轄官庁である文部科学省へ以下の事項を登録することを求めている。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 事務所の名称及び所在地
  • 試験に合格した技術部門
  • 技術士補の場合は指導技術士の氏名、事務所の名称および所在地など

後述する技術士の義務に違反すると、技術士登録を取り消されることがある。

[編集] 名称独占資格

技術士法第57条は、技術士(補)またはそれに類似する名称を、技術士(補)でない者が使用することを禁じている。 以下の行為はすべて技術士法違反であり処罰される。

  • 技術士(補)試験に合格していない者が技術士(補)を名乗ること
  • 技術士(補)登録をしていない者や登録を取り消された者が技術士(補)を名乗ること
  • 技術士(補)登録をした者が、登録したものとは異なる技術部門の業務について技術士(補)を名乗ること
  • 技術士補登録をした者が、登録した指導技術士の指導を受けていない業務について技術士補を名乗ること

※「科学技術に関する高等の専門的応用能力」を必要とする仕事は技術士でなくても行うことができる。

[編集] 技術士の業務

法律上は、技術士の業務は「計画,研究,設計,分析,試験,評価又はこれらに関する指導の業務」と広く定義されており、技術士登録を行えば、登録した専門分野に関する技術的な業務はすべて技術士として行うことができる。

しかし実際に技術士に期待されている役割は「指導の業務」すなわち技術コンサルタント(コンサルティングエンジニア)として活躍することである。技術士試験も、実務者レベルの試験ではなく、指導者に必要な高度な技術力と、コンサルタントに必要な業務実績とコミュニケーション能力を評価する内容となっている。

合格者は技術士事務所を開業して独立する者と、企業内技術士としてサラリーマンを続ける者とに分かれるが、両者共に技術コンサルタントや指導技術者としての職務を果たすことを目指す。


[編集] 技術士の権利と義務

技術士登録をすると、技術士の名称を使用する権利を得る反面、以下の義務を負う。 このような権利と義務があるという点で、技術力を測定する資格とは性質が異なる。

(技術士法 第四十四条 信用失墜行為の禁止)
技術士又は技術士補は、技術士若しくは技術士補の信用を傷つけ、又は技術士及び技術士補全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
(技術士法 第四十五条 技術士等の秘密保持義務)
第四十五条 技術士又は技術士補は、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなつた後においても、同様とする。
(技術士法 第四十五条の二 技術士等の公益確保の責務)
技術士又は技術士補は、その業務を行うに当たつては、公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない。
(技術士法 第四十六条 技術士の名称表示の場合の義務)
技術士は、その業務に関して技術士の名称を表示するときは、その登録を受けた技術部門を明示してするものとし、登録を受けていない技術部門を表示してはならない。
(技術士法 第四十七条の二 技術士の資質向上の責務)
技術士は、常に、その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、その他その資質の向上を図るよう努めなければならない。

秘密保持義務に違反すると、技術士登録を取り消されるだけでなく、刑事罰に処せられるという点は大きい。技術士でなくても技術コンサルタントにはなれるし、非技術士の技術コンサルタントにも優秀な人は多いが、非技術士の技術コンサルタントが秘密を漏洩しても民事責任を問われるのみで刑事罰を課されることはない。日本の法体系では例え軍事技術を漏洩しても刑事罰を課されることはない。

他の国家資格でも守秘義務に対する刑事責任を定めたものはあるが、それらの中でも技術士の守秘義務は特に厳しい罰則が規定されている。法令には著作権は存在しないので、ここに転載する。

(技術士法 第五十九条)
第四十五条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 (第四十五条は守秘義務
(弁理士法 第八十条)
第三十条又は第七十七条の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。(第三十条、第七十七条は守秘義務)
(刑法 第百三十四条)
医師薬剤師、医薬品販売業者、助産師弁護士弁護人公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

技術士とは、実力を示す称号ではなく信用を表す看板である。技術士試験に合格しただけならば、このような権利と義務を課せられることはないので、技術士登録をするか否かは慎重に検討するべきである。例えば社会の利益を優先する技術士の義務と、会社の利益を優先するサラリーマンの義務が衝突することは起こり得る。

[編集] 技術士の技術部門

他の技術系資格が専門分野ごとに制度を設けているのに対して、技術士は科学技術の全領域に渡る分野をカバーしている。現在、以下の21の技術部門が定義されている。

  1. 機械部門
  2. 船舶・海洋部門
  3. 航空・宇宙部門
  4. 電気電子部門
  5. 化学部門
  6. 繊維部門
  7. 金属部門
  8. 資源工学部門
  9. 建設部門
  10. 上下水道部門
  11. 衛生工学部門
  12. 農業部門
  13. 森林部門
  14. 水産部門
  15. 経営工学部門
  16. 情報工学部門
  17. 応用理学部門
  18. 生物工学部門
  19. 環境部門
  20. 原子力・放射線部門
  21. 総合技術監理部門

[編集] 技術士試験の内容

技術士試験は、技術士法の指定試験機関である日本技術士会が実施している。試験の内容に関しては、おおむね毎年同じだが、年度ごとに発表されるので、文部科学省、日本技術士会のホームページで常に最新の情報を入手すること。

[編集] 第一次試験

第一次試験に合格すると、技術士補登録をする資格が得られる。つまり第一次試験は技術士補試験を兼ねている。技術士会では第一次試験合格者のことを「修習技術者」と呼んでいる。

第一次試験には受験資格はなく、誰もが受験することができる。

第一次試験の試験科目は以下の通りである。

共通科目 
大学理科教養課程程度の理科系科目の知識
(大学理科系学部の卒業者および指定国家資格保有者は免除)
適性科目 
技術士法と技術倫理に関する出題
基礎科目 
科学技術全般にわたる基礎知識
専門科目 
受験者が選択する技術部門の専門知識

[編集] JABEE認定

大学や高専などの教育機関の、日本技術者教育認定機構(JABEE)が認定した教育課程を終了した者は、第一次試験の合格者と同等(つまり、修習技術者)であるとみなされる。

[編集] 第二次試験

第二次試験に合格すると、技術士登録をする資格が得られる。

第二次試験を受験するには、以下のいずれかに加えて第一次試験に合格していることが必要である。

  • 技術士補として4年間(総合技術監理部門は7年間)以上、技術士を補助する業務に就いた
  • 第一次試験に合格してから4年間(総合技術監理部門は7年間)以上、監督者の下で「科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、評価又はこれらに関する指導の業務」に就いた
  • 7年間(総合技術監理部門は10年間)以上、「科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、評価又はこれらに関する指導の業務」に就いた

なお、理工系の大学院を修了している場合、その期間のうち最大2年を、上記の業務期間から減じることができる。つまり、技術士補登録を行う道を選択すれば、最大2年の実務経験で受験が可能になる。

第二次試験の試験科目は以下の通りである。

  • 筆記試験(総合技術監理部門以外)
必須科目
当該技術部門の一般的専門的知識
選択科目
専門とする事項についての専門知識の深さ、技術的体験及び応用能力
当該選択科目についての一般的専門知識
  • 筆記試験(総合技術監理部門)
必須科目
安全管理
社会環境との調和
経済性品質コスト生産性
情報管理
人的資源管理
選択科目
総合技術管理部門以外の技術部門と同じ
  • 口頭試験
    筆記試験合格者のみ実施。技術士としての適性と専門的応用能力などについて面接。

[編集] 試験の難度

医師国家試験弁理士試験とあわせて理系三大国家試験と称されるほど高く、一次試験の合格率は10%程度であったが、平成15年度に出題形式が記述式から択一式に変更されてから40%程度に跳ね上がった。JABEE認定により無試験で資格を得ることもできるようになり、一次試験の価値は大暴落したという意見もある[要出典]。しかしこれには、以前は一次試験に合格していなくても二次試験を受験できたのが、この年から一次試験に合格していないと二次試験を受験できなくなったため、一次試験合格後すぐに二次試験を受験できるレベルの受験者の比率が大幅に高くなったという事情もあり、一次試験の難易度が低下したと結論づけることは早計とも言える。

二次試験の合格率は、年度や部門、部門内の選択科目によって異なり、建設部門では平均して15%程度となっている。平成16年度の建設部門(総合技術監理部門を除く)の場合、実際に受験した7000人強のうち、1200人強が筆記試験に合格し、さらにそのうち1100人強が口答試験に合格している。

総合技術監理部門はその他の部門よりも合格率が高い傾向にあり、30%程度の合格率となっている。ただし、これはすでにその他の部門で技術士登録を行ったものが多いからこのような合格率になるとも言われる。

平成18年度までの技術士 二次試験の出題形式は、総合技術監理部門を除くと、概ね以下のようになっている。

選択科目1-1(経験論文)
技術士としてふさわしいと思われる自己の業績について3600字の論文にまとめる
選択科目1-2(選択記述問題)
出題される課題の中から選択し、3600字の論文にまとめる
必須科目2-1(択一問題)
5択式の問題20問から15問を選択して回答する
必須科目2-2(記述問題)
出題される課題の中から選択し、1800字の論文にまとめる

以上を、午前3時間、午後4時間の試験時間で回答する。平成13年度から択一式問題が導入されて論文の記述量は多少削減されたが、論文のトライアスロンと呼ばれるハードな論述式試験であることには変わりがなく、合格率も15%前後で推移している。

平成19年度から二次試験の方式は大幅に変更され択一問題はなくなった。

  • 選択科目に関する専門知識と応用能力(記述問題)3600字 3時間30分
  • 技術部門全般にわたる論理的考察力と課題解決能力(記述問題)1800字 2時間30分

なお、経験論文は筆記試験合格後の面接試験前に提出するように変更され、ハードな記述式試験では無くなった。

[編集] 試験の特徴

他の国家試験制度と比較して、以下の特徴を有している。

実務経験を要する
弁護士公認会計士が実務経験を有さずに受験可能な点と異なり、二次試験を受験するために、数年の実務経験を必要とする。
口答試験に不合格の場合
司法試験建築士試験とは異なり、口頭試験に不合格した場合の翌年の筆記試験免除などの救済措置は無く、筆記試験から再スタートとなる。

[編集] 技術士制度の問題点

[編集] 認知度が低い

かつては技術士の受験参考書を書店で探そうとするとかなり苦労するくらい、技術士の知名度は低かった。 これには以下のような理由が挙げられている。

  • 有資格者数が少なすぎる
    資格所有者が少なく、実際に技術士が活躍している場面を若い技術者が見る機会がほとんどないため、認知度が上がらないのだとする意見である。日本技術士会もこの説を支持しており、有資格者を増やすための制度改革を進めている。
    これに対しては、例えば弁護士は技術士よりも数が少ないが認知度は高いではないか、という反論がある。また安易に数を増やすことによる質の低下を危惧する声も一部技術士の間では根強い。
  • 独占業務がない
    弁護士のように独占業務があれば、資格取得へのモチベーションが高まるので、自然と認知度が上がるのではないか、という意見である。実際、事実上の業務独占資格となっている土木建築業界では、技術士の認知度は高い。他方、独占業務を与えることが独立・中立の立場を妨げることになり好ましくないとする意見もある。
  • 資格取得のメリットが乏しい
    日本では、土木建築業界の建築士測量士や、IT業界の情報処理技術者など、認知度の高い国家資格が専門分野ごとに多数存在し、それらには独占業務のある資格も多いため、それらを差し置いてまで技術士資格に挑戦するメリットは乏しい、という意見である。
    日本の技術士に比べると、例えば米国の登録技術者制度であるProfessional Engineer(PE)の認知度はずっと高い。これは、日本の建築士や測量士のような専門分野ごとの国家資格が米国にはなく、それらの役割をPEが果たしているからである。
    米国にも建築士資格は存在する。各種団体へのPE採用の働きかけと言う意味では、米国のPE協会の方が日本技術士会よりもよほど積極的ではある。しかしながら、これはある意味でPEのサラリーマン化を促すものであって、あまりいい傾向とは言えない。

[編集] 特定技術分野への偏り

技術士制度は科学技術の全分野を網羅する制度であるが、実際の有資格者数は建設部門が5割を占めており、上下水道部門を含めると6割に達する。このため、他の業界の技術者にとっては技術士コミュニティに所属することの魅力が乏しく、格差がますます拡大する悪循環に陥っている。

土木建築業界で技術士資格を取得するモチベーションが高いのは、公共事業入札で技術士を監督者にすることが要請されており、この分野では事実上の業務独占資格となっているためである。 それならば、例えばe-Japan関連の公共事業の入札に情報工学部門の技術士の監督を義務づけるなど、他の技術分野でも同様に事実上の業務独占資格化を進めればよいではないか、という意見が一部技術士の間にあるが、政治力の弱さからか、土木建設業界以外では技術士の活用ははなかなか進んでいないのが現状である。

[編集] 社会的地位が低い

技術士は、医師弁護士弁理士公認会計士と並ぶ五大国家資格と称するものも一部に存在する難関資格には違いないが、少なくとも収入社会的地位という点ではこれらの資格に遠く及ばない。 収入面では、資格を取ったからといって高い収入を得られるということはなく、所属企業から報奨金が出る程度である。

独立開業しても、資格を持っているだけで仕事が得られるということはない。高い収入を得ている独立技術士もいるが、そのような人は資格で仕事を得ているのではなく、もともと独立できる実力があったのである。組織に依存しなくても生活できる独立技術者を作る、という技術士制度の理想からすると、現実は大きく掛け離れている。

もっとも、収入面でのメリットがほとんどないにもかかわらず、難関試験に挑んで合格を掴み取った者であるからこそ、技術者の間で技術士は一目置かれるという面もある。

[編集] 試験方式

技術士二次試験は、論文式を中心とする筆記試験と、面接形式の口答試験の二段階で構成される。筆記試験では、一般論文・専門論文・経験論文の三種類の論文を書く必要があるが、このうち経験論文については、他人の業績論文の丸暗記でも回答できるではないかという批判がある。この批判に対しては、筆記試験合格後の口答試験によって、経験論文の内容に関する受験者の具体的な関与について確認が行われている、とする反論がある。

[編集] 高齢化

会社に所属している限りは資格を取得するメリットに乏しいためか、かつては会社に多大な功績のあった技術者が定年間際になって自分の業績を論文に整理して技術士資格を取得して、定年後に資格を活用して技術コンサルタントとして活躍する、というパターンが多かった[要出典]。このような性質の資格であったため、若い受験者は面接試験で「40歳にもなっていないのに受験するなんて生意気だ」と言われることもあった[要出典]が、今はそのようなことはなく30代の有資格者も増えつつある。

さて、このように有資格者の高齢化が進むと、若い技術者が現場で技術士の活躍を見るということもなく、認知度が上がらないという結果を招くこととなった[要出典]。そこで、より若い技術士を育成することを狙ったのが技術士補の制度である。できれば最低限の業務経験年数で技術士資格を取得させたいが、かといって質を下げるわけにはいかないので、それなりの技術力を持つ若い技術者を技術士の下に付けて、徒弟制度により密度の高い業務経験を積ませることを狙ったものである。

ところが、建設部門のように技術士がたくさんいる業界ならば指導技術士を見つけることは比較的容易であるが、技術士の少ない業界では指導技術士を見つけることは難しい。運良く見つかったとしても、サラリーマンの技術者が社外の技術士の指導下で業務を行うということは、

  • 技術士の仕事を手伝う「副業」をする
  • 会社の仕事を社外の技術士に出す

のいずれかであるため、会社が良い顔をするはずがなく、社内に指導技術士がいない限り、技術士補制度を活用することは現実には難しい。

そこで、技術士でなくても優れた技術者の下で監督を受ければ、2次試験の受験に必要な業務経験年数を短縮できるように制度改革が行われた。しかし「優れた技術者」の定義はあいまいであり、そもそも技術士は技術者の最高資格なのだから技術士でない者に技術士を育成できるはずがないという反発も根強い[要出典]

[編集] PEなのかCEなのか

日本の技術士制度と類似した登録技術者の制度は諸外国にもある。 そもそも日本の技術士制度は、 米国のProfessional Engineer(PE)や 英国Chartered Engineer(CE) の制度を参考に創設されたものである。

米国のPE制度は、もともとは土地の測量の公正化を図るために創設されたものである。つまり、技術者が社会的な信用を得て活動するために最低限クリアしなければならない試験という位置付けである。

ところが日本では、技術士制度が始まる以前から測量士建築士の制度があったため、独立コンサルティング・エンジニア(CE)の資格と位置付けられた。

現実には、技術士は業務独占資格ではないので、技術者が取らなければならない資格ではなく、技術者が定年までに取れるか取れないかというキャリアの到達点の一つとみなされた。

ところが近年になって、文部科学省日本技術士会は技術士資格の性格をCEからPEへと大きく転換させてきているとの見方もあり、試験も業績より知識を問うものへと移行させていると言う批判がある。つまり、論文の記述量を削減したり、択一式を採用したことが試験を易しくした、と言うのである。他方、これらの変更は試験の本質とは関係なくあくまで技術士試験は経験を問うものである、と言う意見もある。

これに対しては、ごく一部の技術士からは「資格の権威を失墜させる行為であり、我々にとっては営業妨害」と厳しく批判されているほか、受験者からも「独占業務がない技術士は試験の難しさに価値があるのであって、易しい技術士など何の価値もない」という批判がある。もっとも、年配の技術士は最近の技術をキャッチアップできていないとか、技術力の担保にならないとの反論がある。

なお、制度改革に伴う技術士のレベルダウンを補償するための措置として、総合技術監理部門が創設されたというごく少数の見方もある。

[編集] 外部リンク

  1. 技術士分科会 文部科学省 科学技術・学術審議会の技術士分科会のページ
  2. 社団法人日本技術士会 技術士法に規定された、技術士の全国団体
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