暖冬
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暖冬(だんとう)とは、平年に比べて気温の高い冬のことである。気象庁による3階級表現で12月から2月の平均気温が「高い」に該当した場合の冬をいう。暖冬による影響は農作物の過剰生産、少雪による水資源の不足など経済活動に大きな影響をもたらす。以下は特に断り書きのない限り、日本の事例について記述する。
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[編集] 暖冬の原因
暖冬の直接的な原因は冬型の気圧配置が長続きせず、北極圏やシベリアの寒気団が日本列島上空に流れ込む現象が一時的あるいは全く発生しないことによる。また、エルニーニョ現象が発生すると暖冬傾向になりやすいと考えられている。地球規模の気候変動や地球温暖化との関連で長期的に暖冬傾向が強まるとの考えもある。
日本で1987年から1995年にかけて暖冬の連続で、特に1989年、1990年、1993年は記録的な暖冬であったため「暖冬異変」と言われた。2000年頃からは北日本の暖冬傾向は収まっているが、東日本と西日本、南西諸島では1990年代ほどの暖冬ではないが、依然として暖冬年が多い。2000年代では2007年が記録的暖冬となった。
[編集] 社会への影響
[編集] 農業
直接的には白菜、大根などの冬野菜の生育が早まり供給過剰になることがある。これは価格の下落につながり廃棄処分になることもある。一方、ハウス栽培等での燃料代が少なくて済むメリットもある。中期的には少雪により春以降の農業用水不足が稲作などに悪い影響を与える可能性がある。
[編集] 消費生活
暖房に必要なエネルギーが少なくて済むメリットがある。負の影響は冬物衣料の売れ行きが不振になったり、雪や氷を観光資源とする観光産業が打撃を受ける。またスキーなどのウィンタースポーツが雪不足のため不振になったり、競技の開催が延期や中止となることもある。
[編集] 生態系
クマなど本来冬眠する動物が冬眠しなかったり冬眠から覚めるのが早くなったりする。えさを求めて人家付近に出没し危害を加えたり、それに伴い多くの頭数が駆除されることによって生態系への悪影響が心配される。
熱帯系の外来生物など、本来冬の低温を生き延びることのできない生物が春まで生存し繁殖するようになることにより生態系のバランスが崩れる。
[編集] 過去の主な暖冬
- この年は記録的暖冬により、スキー場が営業できない等の影響が出た。また日本海側の降雪量は著しく少なく、一冬を通して寒波の流入も少なかった。
- 1月に非常に強い寒波の流入はあったものの、12月と2月は高温傾向で推移した。
- 20世紀最大規模のエルニーニョ現象の影響で西日本では戦後2番目の暖冬となった。また関東地方では南岸低気圧の通過が多発したため記録的大雪に見舞われた。なお、この年の南岸低気圧の多発は暖冬の影響と言えるが、一般に南岸低気圧による関東の大雪は暖冬・寒冬にかかわらず発生する。
- 1989年同様に豪雪地帯でも記録的少雪であった。スキー場は営業ができない等の影響が発生。国内の平均気温は、気象庁の統計開始以来1949年と並ぶ1位タイの歴史的暖冬となった。[1]東京都心の初雪観測が3月16日で史上最も遅い記録となった。2006年12月、2007年1月の世界の月平均気温は1891年の統計開始以来最も高く地球規模での温暖化、北半球での暖冬が観測されている。[2]
[編集] 関連項目
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