東京都交通局上野懸垂線
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上野懸垂線(うえのけんすいせん)は、東京都台東区上野の上野動物園内にある都営モノレールである。なお、常設のものとしては日本初のモノレール(懸垂式鉄道)となった。車体にはカラフルな動物の絵が描かれている。上野モノレール、上野公園モノレール、上野動物園モノレールとも呼ばれる。
また、通常このような施設内における移動機関は、鉄道事業法などに基づかない「遊戯施設」として建設される場合が多いが、ここは東山公園モノレール(1964年~1974年)などと同様に、「新しい都市交通機関の試行」という要素も持っていたため、地方鉄道法(鉄道事業法の前身)に基づく正式な「懸垂式鉄道」として開業した。
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[編集] 路線データ
[編集] 歴史
東京都交通局は、道路上を通る路面電車や路線バスは渋滞の影響を受けやすいとして、それに代わる交通手段を摸索していた。メインは地下鉄を採用することとし、それほど需要を見込めない地域や短い区間を結ぶ鉄道にはモノレールが有効であるという結論になった。当時モノレールは研究途上であり、東京都交通局は日本車輌と共同で独自に研究を開始した。
ドイツのヴッパータール市で1901年から運行されていたランゲン式を参考にし、車輪をゴムタイヤに代える改良を加えた。そのため、「東京都交通局式」とも呼ばれる。その後、東京都交通局はモノレール路線を開業しておらず、ランゲン式も上野懸垂線以外では採用されていない。
- 1957年(昭和32年)12月17日 全線開業。初代車両(H形)運行開始。
- 1966年(昭和41年)2代目車両(M形)運行開始。
- 1984年(昭和59年)9月1日 車両・設備更新のため運転休止。
- 1985年(昭和60年)4月2日 運行再開。3代目車両(30形)運行開始。
- 1999年(平成11年)12月19日 車両・設備更新のため運転休止。
- 2001年(平成13年)5月31日 運行再開。4代目車両(40形)運行開始。
- 2001年(平成13年)11月14日 運行中にパンタグラフが破損し運転休止。
- 2002年(平成14年)3月12日 パンタグラフを改良し運行再開。
[編集] 運行形態
2両編成1本の車両が西園駅と東園駅の間を往復している。所要時分は1分30秒で、7分間隔で運行されている。 上野動物園内にあるため、動物園の閉園日は運休し、運行時間も開園時間に合わせて9時40分から16時30分までとなっている。
また、東京都交通局の路線であるがパスネット・PASMOは利用出来ない。特別企画乗車券である「東京フリーきっぷ」や都営一日乗車券なども対象になっていない。
[編集] 車両
[編集] 現在の車両
[編集] 過去の車両
- 30形(宝くじ号)
- M形
- H形
[編集] 駅一覧
かつては、東園駅を「本園駅」、西園駅を「分園駅」と称していた。