東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.
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ジャンル | 弾幕系シューティングゲーム |
対応機種 | PC |
開発元 | 上海アリス幻樂団 |
発売元 | 同上 |
人数 | 1~2人 |
メディア | CD-ROM |
発売日 | 製品版:2005年8月14日 体験版:2005年6月12日 体験版puls:2005年5月4日 |
必要環境 | OS: Windows 2000/XP CPU: Pentium 以降or互換800MHz以上推奨 GPU: GeForce/RADEON等 DirectX8.0以上、VRAM 32MB 以上のビデオカード |
その他 | 同人ゲーム |
『東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower view.』(とうほうかえいづか ~ ファンタズマゴリア・オブ・フラワー・ビュー)とは、同人サークル上海アリス幻樂団によって製作された弾幕系シューティングゲームであり、東方Project第9弾に当たる作品である。2005年のコミックマーケット68にて発表された。この作品は『花映塚』という略称で呼ばれることが多いので、以降も『花映塚』と称することとする。
目次 |
[編集] 概要
前3作とは異なり、アーケードゲーム『ティンクルスタースプライツ』のシステムを用いた対戦型シューティングである。全9ステージからなるストーリーモードの他、任意のキャラクターを選択して対戦するマッチモード、条件を満たすことで選択可能になるExtraモードが用意されている。尚、マッチモードは2人対戦やCPU同士の対戦も可能であり、最新バージョンではネット対戦も可能である。自機キャラクターは前作の人間側の4人に加え、前3作に登場していたキャラクターが7人、新キャラ5人の計16人が選択可能。尚、前作の妖怪側の4人は今回は自機から外れている。
[編集] システム
『花映塚』は前3作とは違い、対戦型のシューティングゲームとなっている。フィールドは画面上に二つ存在し、ストーリーモードでは左側が自フィールド、右側が敵フィールドとなる。マッチモードでは左側が1P、右側が2Pとなる。
[編集] 基本システム
[編集] 勝敗判定
フィールドの上部にはライフが陰陽玉5個で表示されており、ミスをすると減っていく(減り方は状況によって変化する)。ライフが0.5になると警告音が鳴り、0になると負けとなる。警告無しでライフが0になることは無く、どんなに大ダメージを受けても一旦0.5で止まる。
[編集] 基本行動
敵弾を回避しながらフィールド上に現れるザコ妖精をショットで撃墜していく。妖精を撃墜すると爆発し、連鎖的に妖精を撃墜したり、後述の白弾を消すことができる。また、低速移動時には「吸霊フィールド」が展開され、これに「幽霊」を当てると活性化させる事ができる(詳細は後述)。
[編集] 攻撃手段
- 弾幕アタック
- 妖精を撃墜したり白弾を爆発に巻き込むと、相手フィールドに白弾を送り込む事ができる。白弾は送り返すことが可能だが、何度か送り返しあうと大型弾に変化する。大型弾は送り返すことができない。
- 幽霊アタック
- 妖精を連鎖的に撃墜したり幽霊を撃墜すると、相手フィールドに鳥の形をした幽霊を送り込む事ができる。幽霊は、そのままのでは固くて撃墜しにくく、撃墜しても爆発で白弾を消すことができない。しかし、前述の「吸霊フィールド」に当てる事で活性化させる事ができる。活性化した幽霊は簡単に撃墜出来るようになり、爆発で白弾を消す事も出来るようになる。ただし、活性化させたまま放置すると自爆して大型弾を発射してくるので注意。
- EXアタック
- 主に大きな幽霊を撃墜すると、キャラ固有の特殊攻撃を送り込むことが出来る。この攻撃はキャラクターにより性能は様々だが、基本的に他の攻撃に比べると強力である。
- カードアタック、ボスカードアタック
- フィールドの下部には目盛りのついたチャージゲージがあり、ゲージが二目盛り以上たまるとカードアタックが使用可能となる。詳細は後述。
[編集] コンボ
ショットを打たず、爆発で妖精や幽霊を撃墜、及び白弾を消すと、その数がコンボ(Hit数)としてフィールドの左上に表示される。Hit数が増えると、後述のスペルポイントの増加が早まり、敵に送る白弾、幽霊、EXの数が増加する。最大で999Hitまでカウントされる。尚、ショットで撃墜したりミスをすると0Hitに戻る。
[編集] スペルポイント
スペルポイントはコンボ表記の隣に6桁の数字で表示され、コンボを繋げる事で増加する。コンボが途切れても、一定時間内に再度コンボを繋げれば継続して増加させる事が出来る。値が10万、30万、50万に達すると、ボスカードアタックが発動する。また、値が999990に達するとカウントストップし1Hitにつき5000点がスコアに加算されるようになる。これを弾幕開花宣言という。一定時間が経過したりミスをすると、値が0に戻る。
[編集] リリーホワイト
長期戦になったり試合に変化が無くなると警告音とメッセージが発生し、両フィールドに春を伝える妖精「リリーホワイト」が出現する。リリーは、大量の大型弾と白弾をばら撒いて去っていくが、ショットで撃墜する事も可能である。撃墜に成功すれば大量のEX攻撃を相手に送ることができる上、アイテムを落とす。余談だが、9面では妖精が黒い服を纏って出現するようになる。リリーも例外ではなく、黒い服を纏って出現する。(ファンの間ではこれをリリーブラックとして別キャラとして区別することもある)
[編集] アイテム
リリーやボスをショットで撃破すると、アイテムが出現する。
- 点:スペルポイントが上昇する
- 弾:消去不能の敵弾を相手に送る
- EX:大量のEX攻撃を相手に送る
- G :ゲージが最大まで貯まる
[編集] ストーリーモードのルール(概要)
ストーリーモードは全9面からなるステージをクリアしていき、9面をクリアするとエンディングとなる。プレイヤーはライフの他に残機を持ち、負けると残機が減る。残機が無い状態で負けるとコンティニューするかを尋ねられる。コンティニューは3回まで可能だが、本作ではコンティニューしてもしなくてもエンディングは変わらない。敵は残機を持たず、ライフが無くなった時点で勝利となる。また、1面~5面までは敵が異様に弱いが、6面から急に強くなるという特徴がある。また、負けると敵が弱くなるという特徴もある。
[編集] マッチモードのルール(概要)
マッチモードは任意のキャラクターを選んで対戦するモードで、ストーリーモードで遭遇した事のあるキャラクターが選択可能となる。先に2回負けると敗北となる2セットマッチで、2人対戦やCPU同士の対戦も可能である。最新版ではネット対戦も可能。
[編集] Extraモード
Extraモードはとある条件を満たすと選択可能になるモードで、ストーリーモードと同様全9面からなるステージをクリアしていく。台詞などはストーリーモードと全く同じであるが、ルールは大きく異なっている。
- ルール
- 残機0の状態から始まり、コンティニューは不可。ただし得点によるエクステンドは可能である。敵味方共にチャージゲージが4、ライフが0.5の状態でスタートする為、ミスは許されない。また、Extraの最大の特徴として「タイマー」がある。対戦開始直後にタイマーが作動し、0:00になるまでの間は敵が無敵になる(被弾しても無視される)というものである。0:00になると"Shoot chance"と表示され、無敵が解除される。Extraモードはストーリーモードと比べるとCPUの弾避け能力が低く設定されているらしく、特に終盤になると"Shoot chance"と同時に被弾と言うパターンが多く見られる。
[編集] スペルカードシステム
『花映塚』では、チャージのゲージがある程度溜まっていると、カードアタックと呼ばれるスペルカードによる攻撃で、相手フィールドを攻撃することができる。
[編集] カードアタック
ゲージが2以上溜まっている場合、ショットキーを押しっぱなしにする事でチャージが始まり、キーを放すと、チャージした分の攻撃が発動する。また、発動させると、ある程度の範囲内にある敵弾・敵機を消去する効果がある。ゲージ2では一部消去可能な弾幕を、ゲージ3ならスペルアタック発動以外では消去できない弾幕を相手フィールドに出現させる。
[編集] ボスカードアタック
最大レベルの4ゲージではボスカードアタックと呼ばれる特殊な攻撃が発動する。この場合、敵フィールドに自分の分身があらわれ、この分身が一定時間相手フィールド内で攻撃を行う。このボスがいる間にボスカードアタックで反撃すると、分身が消えて相手フィールドに分身が送り返されボーナス点が入る。また、ボスカードアタックは、連続で出しても1体しかボスを送り込めない。チャージによる発動以外にも、複数の敵や弾をまとめて撃破(消去)することで入るスペルポイントが一定値溜まると自動発動する。ただしこの場合は敵弾が消去されない。出現したボスは撃墜も可能で、ボスを撃墜すれば何らかのアイテムが得られる。
[編集] クイックカードアタック
ボムのキーを押した場合、全てのゲージを使用して最大レベルの攻撃を即発動させることができる。これをクイックカードアタックといい、敵弾に囲まれた際の緊急回避手段として役立つ。ただし、チャージによる発動の場合は最大レベルの攻撃を発動させてもゲージが1残るのに対し、クイックカードアタックの場合は全てのゲージを消費してしまう為、ゲージの蓄積が通常より遅れてしまう。
[編集] 登場キャラクター
- 詳細は東方Projectの登場キャラクターを参照
- 博麗 霊夢(はくれい・れいむ)
- 博麗神社の巫女。いつも異変は勘で解決できるが、今回だけは勘も働いていなかった。
- 霧雨 魔理沙(きりさめ・まりさ)
- 普通の魔法使い。幻想郷のどこに行っても異変が起きているため、片っ端から回ってみることにした。
- 十六夜 咲夜(いざよい・さくや)
- 紅魔館のメイド。今回は異変と言うことで見に出てきただけで、さほど危険は感じていなかった。
- 魂魄 妖夢(こんぱく・ようむ)
- 冥界にある白玉楼の庭師。本来はお嬢様の剣の指南役。幻想郷の異変を知り、ちょっと様子を見に来た。
- 鈴仙・優曇華院・イナバ(れいせん・うどんげいん・いなば)
- 月の兎。幻想郷に花が咲いてから永遠亭の兎が騒ぎ出したため、調査に出かけた。ついでにてゐを連れ戻そうともしていた。
- チルノ
- 湖を根城とする妖精。花の異変から周りが騒がしくなったため、自分も一緒に騒ぐこととした。
- リリカ・プリズムリバー
- 霊体アーティスト、プリズムリバー三姉妹の三女。花の異変はあまり眼中になく、幻想郷に音ネタ集めに出ていた。
- メルラン・プリズムリバー
- 霊体アーティスト、プリズムリバー三姉妹の次女。花の異変はまったく眼中にない。
- ルナサ・プリズムリバー
- 霊体アーティスト、プリズムリバー三姉妹の長女。花の異変はまったく眼中にない。
- ミスティア・ローレライ
- 夜雀。もともとお祭り騒ぎが好きで、今回の花の異変は格好の遊び場であった。
- 因幡 てゐ(いなば・てゐ)
- 永遠亭の妖怪兎で、地上の兎のリーダー。花の異変に大騒ぎの兎たちと一緒に、内緒で遊びに出た。
- 射命丸 文(しゃめいまる・あや)
- 鴉天狗。「文々。新聞」という新聞を発行している。今回の異変では、天狗達はこの情報を元に新聞が書けると大喜びであった。
- メディスン・メランコリー
- 鈴蘭畑に捨てられた人形が妖怪化したもの。人形解放を願っている。今回の異変で幻想郷には未知の力が存在することを知った。
- 風見 幽香(かざみ・ゆうか)
- 幻想郷にすむ妖怪。一年中花が咲いている場所を目指して移動している。今回の異変は驚くことなくそれを理解し、その上で楽しむこととした。
- 小野塚 小町(おのづか・こまち)
- 死神。幻想郷と彼岸の間の河を案内している。マイペースな死神であり、今回の異変は彼女の仕事量が許容量をオーバーし、霊魂が幻想郷に取り残されたために起きた。
- 四季映姫・ヤマザナドゥ(しきえいき)
- 死者を裁く閻魔。小町がなかなか死者を運んでこないため幻想郷を見に行くと、あらゆる花が咲いており、また人間や妖怪が襲ってきたため事態を理解した。異変は実害もないと考えており、むしろ目の前の罪を負った人間を見過ごすことができなかった。
[編集] 楽曲リスト
- 花映塚 ~ Higan Retour - タイトル
- 春色小径 ~ Colorful Path - 博麗霊夢のテーマ
- オリエンタルダークフライト - 霧雨魔理沙のテーマ
- フラワリングナイト - 十六夜咲夜のテーマ
- 東方妖々夢 ~ Ancient Temple - 魂魄妖夢のテーマ
- 狂気の瞳 ~ Invisible Full Moon - 鈴仙・優曇華院・イナバのテーマ
- おてんば恋娘の冒険 - チルノのテーマ
- 幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble - プリズムリバー三姉妹のテーマ
- もう歌しか聞こえない ~ Flower Mix - ミスティア・ローレライのテーマ
- お宇佐さまの素い幡 - 因幡てゐのテーマ
- 風神少女 (Short Version) - 射命丸文のテーマ
- ポイズンボディ ~ Forsaken Doll - メディスン・メランコリーのテーマ
- 今昔幻想郷 ~ Flower Land - 風見幽香のテーマ
- 彼岸帰航 ~ Riverside View - 小野塚小町のテーマ
- 六十年目の東方裁判 ~ Fate of Sixty Years - 四季映姫・ヤマザナドゥのテーマ
- 花の映る塚 - 会話イベント1
- 此岸の塚 - 会話イベント2
- 花は幻想のままに - エンディング
- 魂の花 ~ Another Dream... - スタッフロール
[編集] 外部リンク
[編集] ネット対戦関係
- 東方Wiki - 花映塚ネット対戦FAQ
- 博麗幻想書譜 - 2005年10月の版にネット対戦に関する情報あり
- 東方IRC
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旧作品 | 靈異伝 - 封魔録 - 夢時空 - 幻想郷 (ゲーム) - 怪綺談 |
Win版 | 紅魔郷 - 妖々夢 - 永夜抄 - 萃夢想 - 花映塚 - 文花帖 (ゲーム) |
商業作品 | 文花帖 (書籍) - 紫香花 - 求聞史紀 - 香霖堂 - 三月精 |
関連 | 東方Projectの登場キャラクター - 幻想郷 (世界) - スペルカード |
製作元 | 上海アリス幻樂団 |