柿崎順一
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柿崎 順一(Junichi Kakizaki, かきざき じゅんいち、1971年1月4日 - )は、長野県出身の芸術家。フラワーアーティスト。花や自然をモチーフに、エキシビジョンを通じて、フラワーアート(彫刻・立体・オブジェ)、写真、インスタレーション、パフォーマンスなど、様々な作品を国内外にて発表している。
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[編集] 作品
[編集] 特徴
- 人間の生と死を主題に、花を用いて表現する独特の作風は、花の蕾から、咲き、萎れ、枯れ、朽ち、異化するまでを含むことが多く、時には花だけでなく黴や毒、動植物の死骸などを用いる。しかしながらそれらの作品は恐ろしい程に美しい。
- 花の美しさが併せ持つ恐怖や愛憎を孕み、時には鑑賞者にフラッシュバックなどの原因により強い心理的作用をもたらすことがある。デスカラーと呼ばれる黒味がかった色使いも多いが、反面、圧倒的な多彩色の作品も多い。異様な塊から成る独特な彫塑形状が作品の形態的特徴である。
- これらは大野一雄をはじめとする暗黒舞踏からの影響を受けている為と推測される。またファッションや音楽からの影響も強く覗える。
- 他のフラワーアーティストと絶対的に異なる特徴として、葉や茎を用いることは少なく、花弁や雌蕊、雄蕊など花そのものを多用することがあげられる。異常なまでの花に対する執着が感じられる。
- 舞台美術を手がけることがその多くではあるが、自らパフォーマンスやデモンストレーションの一環として舞踏やコンテンポラリー・ダンスの舞台に立つこともある。
[編集] 主な個展
- 2003年 「CONNECT」 長野・犀北館(初個展)
- 2003年 「In The Absence of Sunlight」 ストックホルム・Fylkingenギャラリー
- 2003年 「The Color of Skin in the Absence of Sunlight?」 ストックホルム・Fylkingen
- 2003年 「FDDC」 東京都・東京国際フォーラム ガラスホール棟
- 2003年 「'ALPHA Japanesque」 長野・財団法人水野美術館
- 2003年 「長谷寺 正月の花」 長野・長谷寺
- 2004年 「荒木経惟へのオマージュ」 長野・財団法人北野美術館 別館北野カルチュラルセンター
- 2004年 「Rebel Installation in Melbourne」 メルボルン・ヴィクトリア国立美術館 (NGV International)
- 2004年 「北大路魯山人 -自然美に目を向けよ」 長野・桜華書林ギャラリー
- 2004年 「長谷寺 正月の花」 長野・長谷寺
- 2005年 「華聖夜 柿崎順一がいける笹屋ホテルのクリスマス」 長野・笹屋ホテル
- 2005年 「陰の膳」 長野・松葉屋ギャラリー
- 2005年 「牙」 長野・松葉屋ギャラリー
- 2005年 「Rebel Installation in Nagano」 長野・善光寺仁王門
- 2005年 「善光寺大花展」 長野・善光寺本坊大勧進(キュレーション)
- 2005年 「FRAGRANT Beauty, despair and forbidden knowledge」ストックホルム・Moderna Dansteatern、ウプサラ・Uppsala Stadsteater 、ヨーテボリ・Pusterviksteatern、マルメー・Dansstationen 巡回
- 2005年 「異界の華への誘い 柿崎順一、長谷寺に華をいける」 長野・長谷寺
- 2005年 「CRADLE」 ウプサラ・ウプサラ市立図書館
- 2005年 「CRADLE」 ウプサラ・Uppsala Stadsteater Cafe'
- 2005年 「CRADLE -invitation to the flower in difference world」 長野・長谷寺
- 2005年 「Rebel Installation in Berlin」 ベルリン・Theaterhaus Berlin Mitte
- 2005年 「長谷寺 正月の花」 長野・長谷寺
- 2006年 「牙」 長野・旧松代藩文武学校
- 2006年 「あいま」 長野・裁松院
- 2006年 「朔」 長野・善光寺西之門よしのや
- 2006年 「華展 Installation Art 柿崎順一 豊年虫をいける」 長野・笹屋ホテル別館豊年虫
- 2006年 「長谷寺 正月の花」 長野・長谷寺
- 2007年 「長谷寺 正月の花」 長野・長谷寺
- 2007年 「CRADLE -Fake? No,It's a Real-」 東京・銀座ソニービル
- 2007年 「華と彩りのある生活」 東京・銀座ソニービル エントランスホール
- 2007年 「NEW LIFE -Linnaeus Gala Event. Trcentenary Performance」 ウプサラ・Vaksala torg 特設会場(予定)
- 2007年 「NEW LIFE -Preview」 東京・スウェーデン大使館(予定)
- 2007年 「NEW LIFE -Installation」 東京・スウェーデン大使館(予定)
※注:ここでは個展(ソロエキシビジョン・デモンストレーション・インスタレーション展)及び公演(パフォーマンス展)のみ記述、グループ展・イベント参加等は省略。
[編集] フロリダンス
- フロリダンス名義での公演(パフォーマンス)
- 2002年 「2 New Dance Pieces [うしろがみ] [葛衣]」 長野・ネオンホール
- 2002年 「FLORIDANCE -Destroy [破壊]」 長野・ピカデリーホール(音楽:内堀悠介)
- 2003年 「The Color of Skin in the Absence of Sunlight? [太陽の光を失った皮膚の色]」 ストックホルム・Fylkingen (音楽:内堀悠介)
- 2003年 「FLORIDANCE -Projection [投影] Movie Screening + Act」 長野・ピカデリーホール(音楽:内堀悠介)
- 2003年 「FLORIDANCE -Finale [終焉]」 長野・ピカデリーホール(音楽:内堀悠介)
- 2004年 「FLORIDANCE -Rebirth [再生]」 長野・紅蓮劇場稽古場(音楽:内堀悠介)
- 2005年 「FLORIDANCE -Rebel Installation in Nagano [残]」 長野・善光寺仁王門
[編集] 出版物
- フローリスト 月刊版 誠文堂新光社 (2006/12/08) ASIN: B000KRN6VS
- フローリスト 月刊版 誠文堂新光社 (2005/08/08) ASIN: B000H5VA30
- フローリスト 月刊版 誠文堂新光社 (2005/04/08) ASIN: B0008KLL3C
- フローリスト 月刊版 誠文堂新光社 (2004/12/08) ASIN: B0006SITFY
[編集] 人物
[編集] 人物像
- TVなどのマスメディアへの出演を嫌っているらしく露出が極端に少ない。
- TVチャンピオンの「全国お花屋さん選手権」に出場し優勝したことがある。
- 中・高校生の頃、ファッションデザイナーかミュージシャンになりたかったらしい。
- 月刊フローリストに連載されていた、花のファッションコレクションに掲載された記事によると、普段はUNDERCOVERやヨウジヤマモト、コム・デ・ギャルソンを好んで着ており、ほとんど黒色の服。
- 月刊フローリストの特集記事にて「危険なアーティスト」と評されている。
- Dir en greyのToshiyaとは同市内で育った。
- 同じ現代美術家の松澤宥や草間弥生と同郷である。
- 現在芸術活動に専念し、国内外にて数多くの作品を発表している。特にスウェーデンなど北欧において非常に高く評価され、スウェーデン王国より毎年のように招聘され作品を制作している。
[編集] 来歴
- 1971年 - 長野県千曲市に生まれる。両親共に生花店を営んでいた。
- 1987年 - 花や木々などの自然を題材にした芸術活動を始め、高等学校在学中フラワーアーティストの土屋宗良(つちやむねよし)に弟子入り。
- 1989年 - 長野県篠ノ井高等学校を卒業し上京。代々木造形学校の造形本科にてデザインを学ぶ。
- 1990年 - フローラルアートの日本におけるパイオニアである笠原貞男に師事。テクノ・ホルティ園芸専門学校の園芸学科にて園芸学とフラワーデザインを学ぶ。
- 1991年 - 花事務所 Fleur de Noel 設立。
- 1992年 - 熊谷市・八木橋百貨店にて「街に花と緑を」展のすべてのデザインを担当。東京都・千駄ヶ谷のデザイン事務所セレンディピティ・デザインにてCF、TV、PV等の幅広い分野でデザインの仕事を手がける。
- 1993年 - 村松文彦に師事し静岡市へ転居。
- 1994年 - 長野へ帰郷。
- 1995年 - 長野市・長谷寺のイベントプロジェクトに参画。以後数年に渡り、大倉正之助、李政美、雲龍、新井英一、レブンカムイ、トゥムルバートル・ハスバートル等、数多くの音楽家や芸能の舞台美術を手がける。
- 1997年 - FIVESEASONS INC. 設立。
- 1998年 - 柿崎順一花事務所(JUNICHI KAKIZAKI HANA OFFICE)設立。
- 1999年 - 舞踏家・大野一雄と大野慶人の舞踏公演 「大野一雄 長谷寺に舞う」の舞台美術。
- 2000年 - 舞踏家・大野一雄とコンセプチュアル・アートの先駆者・松澤宥による舞踏公演 「大野一雄 長谷寺に舞う2000」の花。長野県更級農業高等学校・長野市の講師に着任。
- 2001年 - 吉垣徹の呼び掛けにより、假屋崎省吾、松田隆作、等と花の芸術家集団「LEAF(リーフ)」を結成。インターネットサイトでの展示を展開。
- 2002年 - リチャード・ハートとの紅蓮劇場舞踏公演「2 New Dance Pieces」にて舞台美術。リチャード・ハートと、花+舞踏のコラボレーションによるユニット「FLORIDANCE(フロリダンス)」を結成し、長野を中心に『floridance』(アーティスト名義と同タイトル)多数公演。
- 2003年 - 長野市・犀北館にて初個展「CONNECT」開催。
- スウェーデンのストックホルム市・フィルキンゲンにてリチャード・ハートと共に初の海外公演 「The Color of Skin in the Absence of Sunlight?」、及び個展「In The Absence of Sunlight」を開催。
- 「'ALPHA Japanesque」財団法人水野美術館・長野市にて『波の軌跡 ・洞門』『contrast』他を制作および展示。(音楽:雲龍、後藤剛史)。
- テクノ・ホルティ園芸専門学校の講師に着任。
- 2004年 - 写真家・荒木経惟の「花人生」展の併設展「荒木経惟へのオマージュ」(長野市・財団法人北野美術館 別館・北野カルチュラルセンター)にて、中川幸夫のガラス作品約30点にいける。(ガラス:中川幸夫 ※桜華書林所蔵)
- オーストラリア・メルボルン市のフェデレーションスクエアにあるヴィクトリア国立美術館 NGV Internationalの外壁および前庭にて、「Rebel Installation in Melbourne」を敢行。
[編集] 関連人物
[編集] 企業広告
- スミザーズオアシス社(米) オアシス 「私達はオアシス。」 2006年
- KDDI au MNP大満足キャンペーン 「MNPで変えちゃった」 2006-2007年
- SONY サイバーショット 「写真を、さあ、ハイビジョン鑑賞。」 2007年
[編集] 関連事項
[編集] 外部リンク
- KURUIZAKI 柿崎順一公式ウェブサイト
- HANANOANA 本人ブログ
- CHANGa Art Gallery AG. ポートフォリオ
- the-artists.org Junichi Kakizaki
- SU-EN Butoh Company described
- Linnaeus 2007 Gala Event リンネ記念年2007ガラ公演 「NEW LIFE -」
- Linnaeus 2007 リンネ記念年2007公式サイト
- 誠文堂新光社 フローリスト