桜島フェリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
桜島フェリー(さくらじまフェリー)は、鹿児島県鹿児島市の鹿児島港(桜島フェリーターミナル)と桜島港との間を結ぶフェリー。鹿児島市船舶部が運営する。
桜島は1914年(大正3年)の大噴火によって大きな被害を受け、災害復興や教育振興(通学)のために鹿児島市街地と桜島とを結ぶ定期航路を望む声が上がった。このため、当時の西桜島村(その後の桜島町、現在は鹿児島市)が1930年(昭和5年)頃より準備を始め、1934年(昭和9年)11月19日より運航を開始した。開通時の運賃は片道10銭から15銭であった。その後、次第に便数を増やし、現在では昼間最短10分間隔、夜間60分間隔の24時間運航を行っており、約3.5kmの距離を13分で結んでいる。2004年において年間延べ550万人の乗客と164万台の車両を航送している。
桜島の噴火災害に備えて、桜島の各所にはフェリーが着岸できる場所が設けられており、災害発生時に住民の避難に利用できるよう準備が整えられている。平成5年8月豪雨においては竜ヶ水地区に孤立した住民などの救助に参加した。当時、竜ヶ水地区にはフェリーが着岸できる場所がなかったため、地元の小型漁船の協力を必要とした。
[編集] 歴史
- 1930年8月: 昭和丸(定員70名)進水
- 1934年11月19日: 運航を開始
- 1939年10月: 村営バスとの連絡を開始
- 1941年: 桜島丸(貨物自動車3台積載可能)進水
- 1944年7月1日: 岸壁の整備が完成し自動車の航送を開始
- 1951年10月: ルース台風により2隻が被災
- 1962年12月 - 1970年3月: 水中翼船を運航
- 1974年: 10分間隔の運航を開始
- 1978年: 観光遊覧船(納涼船)の運航を開始
- 1984年4月: 24時間運航を開始
- 1993年8月6日: 平成5年8月豪雨の救助活動に参加
- 2004年11月1日: 桜島町が鹿児島市に編入合併したため、桜島町営から鹿児島市営となる
- 2007年4月1日: ICカード式の鹿児島共通乗車カード『RapiCa』の利用が開始された。
(但し、いわさきグループのいわさきICカードは、引き続き利用不可である。)
[編集] 参考文献
- 桜島町郷土誌編さん委員会編 『桜島町郷土誌』 横山金盛(桜島町長)、1988年。