洪蘭淑
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洪蘭淑(ホン・ナンスク、1966年*月*日~ )は韓国人の女性。「統一教会」(統一協会)の教祖、文鮮明の後継者候補であった長男、文孝進(ムン・ヒョウジン)と結婚したが、1997年に離婚。「神の家庭」とされる文鮮明一族の内幕を暴露した告発手記、『わが父文鮮明の正体』が内外に波紋を呼んだ。
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[編集] 概略
洪蘭淑(ホン・ナンスク)は統一教会の信仰を持つ父・洪性杓(ホン・ソンピョ、36家庭)と母、***のもとに育つ。両親は教団の幹部で、洪性杓は「統一教会」(統一協会)の関連企業、「一和製薬(後の「一和」)を立ち上げ、社長を務めた。16歳?で、統一教会教祖文鮮明の長男、文孝進(ムン・ヒョウジン)と結婚したが、14年の文家での生活の後に、夫の暴力や不品行に耐えかね、2年間の裁判を闘い、離婚が成立した。その後に、教団側の反対に屈せずに出版した告発手記で、教団の後継者と見られてきた夫が酒、タバコ、麻薬や女性に溺れていること、「再臨のメシア」とされてきた義父、文鮮明の女性問題や、私生児の存在など、「神の家庭」とされてきた文家の驚くべき実態を暴露したこの手記は内外に大きな波紋を呼び、教団を離れる信者が多数出た。同様の告発をアメリカのテレビ番組や新聞等でも行ったが、「統一教会」側からの抗議はなかったと見られる。
ボナドカレッジでは芸術科を専攻した。自らの経験を生かし、DV(家庭内暴力)の被害女性達を助けるセンターに勤める。兄の洪珍輝(ホン・チンフィ)も文鮮明の指名で、文鮮明の長女文誉進(ムン・イエジン)と結婚していたが、離婚し、一家全員は「統一教会」(統一協会)を離れた。
[編集] 来歴
- 1981年
- 1982年
- 1月3日 ビザ取得のためニューヨークでの国際ピアノ・コンクールを行うという名目を捏造するよう指示され、アメリカに入国。
- 1月7日 アメリカで文孝進(ムン・ヒョウジン)と結婚する。
- 2月 公立のアービントン高校の10年生に入学。結婚を知られないため旧姓を使う。
- 1983年
- 3月 長女誕生。
- 1988年
- 2月13日 長男、信吉(シンギル)が誕生。
- 1989年
- 10月 三女、信玉(シノク)が誕生。
- 1993年
- 夫、孝進の暴力に命の危険を感じ、アービントン警察に駆け込み、被害届けを出す。
[編集] 参考文献
- 洪蘭淑著 林四郎訳『わが父 文鮮明の正体』(文藝春秋社 1998年)ISBN 4163546103
- 朴正華『六マリアの悲劇―真のサタンは、文鮮明だ!!』(恒友出版 1993年) ISBN 4765230732
- 郷路征記『統一協会マインドコントロールのすべて―人はどのようにして文鮮明の奴隷になるのか』(教育史料出版会 1993) ISBN 4876522502 弁護士である著者が多数の統一教会の元信者からの聞き取りから、教団が行う「マインド・コントロール」による教化の詳細を説明。)
- 南哲史『マインド・コントロールされていた私―統一教会脱会者の手記』(1996年 日本キリスト教団出版局 1996) ISBN 4818402516
- スティーヴン(スティーヴ)・ハッサン(浅見定雄訳)『マインド・コントロールの恐怖』(恒友出版 1993年)ISBN 4765230716
[編集] 出典
[編集] 関連項目
- 文鮮明
- 世界基督教統一神霊協会(統一教会、統一協会)
- マインド・コントロール
- カルト
- セクト
- ドメスティックバイオレンス
- 内部告発
[編集] 外部リンク
- 「Life With The Moons」『タイム』誌のインタビュー
- テレビでの告白CBS「60Minute」インタビュー
カテゴリ: 統一教会(統一協会) | 韓国の人物