浦沢直樹
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浦沢 直樹(うらさわ なおき、1960年1月2日 - )は日本の漫画家。東京都府中市出身。東京都立富士森高等学校、明星大学経済学部卒業。
代表作は『YAWARA!』『MONSTER』『パイナップルARMY』『20世紀少年』『PLUTO』(連載中)など。
目次 |
[編集] 概要
1983年に『BETA!!』(ゴルゴ13別冊)でデビュー。
巧みな人間描写とスリリングな展開を得意とし、現在の漫画界をリードする存在である。絵柄について、大友克洋の影響を大きく受けていると本人は話す。漫画家としては非常に筆が早く、原稿1枚にかかる時間は長くても2時間程度と主張している(2007年1月18日NHK放送「プロフェッショナル 仕事の流儀」より)。同番組において、浦沢作品の発行累計部数から「1億冊を売った男」と評された。また、漫画を描くのに困難な肩の持病を抱えており、それがため『20世紀少年』は半年間の休載に追い込まれたことが番組内で明らかになった。 60~70年代のロックのファンで、『20世紀少年』にはその影響が色濃く出ている。特にボブ・ディランの大ファンである。時代考証をし易いためか、太一(『MASTERキートン』)、テンマ(『MONSTER』)、ケンヂ(『20世紀少年』)など主人公は浦沢自身と同世代である事が多い。
[編集] 作品について
原作のあった『MASTERキートン』で培ったヨーロッパの田園風景や市街地の描写が以降の作品に大きな影響を与えているが、当の原作者である故・勝鹿北星とは連載後期に袂を分かっている。『パイナップルARMY』の原作者とも同様の状況があり、漫画家・編集者・原作者の間で起こるトラブルが大事に発展しやすい漫画家であると言える。両事件について、「原作者が原作を書かず、編集者と自分とでストーリーを作った」と後日談を語るケースがあるが、それ以前のインタビューでは原作を受け取っているといった発言が残されており、発言の信憑性が問われている。このような状況で週刊誌にスキャンダラスに取り上げられることもあったが、それらの記事は憶測にすぎない。
[編集] 経歴
- 1982年 - 小学館漫画新人賞入選。
- 1983年 - 『BETA!!』でデビュー。
- 1989年 - 第35回小学館漫画賞 受賞(『YAWARA!』)
- 1997年 - 第1回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門優秀賞 受賞(『MONSTER』)
- 1999年 - 第3回手塚治虫文化賞 マンガ大賞 受賞(『MONSTER』)
- 2000年 - 第46回小学館漫画賞 受賞(『MONSTER』)
- 2001年 - 第25回講談社漫画賞 受賞(『20世紀少年』)
- 2002年 - 第6回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門優秀賞、第48回小学館漫画賞 受賞(『20世紀少年』)
- 2005年 - 第9回手塚治虫文化賞 マンガ大賞、第7回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門優秀賞 受賞(『PLUTO』)
[編集] 作品
- YAWARA!(ビッグコミックスピリッツ、小学館)
- 作者を代表する大ヒット女子柔道漫画。柔道家の祖父、猪熊滋悟郎の元で柔道に明け暮れていた少女 猪熊柔が、祖父に反発しながらも天性の柔道の才能を発揮し世界へ雄飛するストーリー。1989年にアニメ化された。主人公の名前は連載当時活躍し始めた女子柔道選手田村亮子(現・谷亮子)の愛称にもなった。ちなみに、今でこそ谷亮子にYAWARAちゃんの愛称が定着したが、主人公のモデルは女子柔道界の黎明期に活躍した女三四郎こと山口香だと言われている。
- JIGORO!
- 『YAWARA!』に登場する猪熊柔の祖父、猪熊滋悟郎を主人公にした短編集。猪熊滋悟郎のホラとも真実ともつかぬ若き日の逸話が中心。
- MASTERキートン(ビッグコミックオリジナル、原作:勝鹿北星)
- SAS出身で、今は保険会社のオプ(調査員―日本で言うアジャスターの事)として働く日英ハーフの考古学研究者にして大学講師、キートンの遭遇する様々な事件を描く。
- キートン動物記
- 番外編。ハードカバー、全ページカラーで出版されている。
- Happy!(ビッグコミックスピリッツ)
- 兄の残した借金2億5千万円を返済するため、プロのテニスプレイヤーになる事を決心する海野幸の物語。2006年4月にTBS系でテレビドラマ化され、同年12月に第2弾『Happy!②』が相武紗季主演で放映された。
- MONSTER(ビッグコミックオリジナル、小学館)
- ベルリンの壁崩壊後の西ドイツを中心に展開されるサイコスリラー。主人公は将来を約束された天才的な脳外科医テンマ、そんな彼のもとに頭に銃弾をうけた重症の少年が運ばれてくる…。2004年日本テレビ系でアニメ化された。ハリウッドで実写映画化される。
- 20世紀少年(ビッグコミックスピリッツ)
- ケンヂ、オッチョ、ヨシツネが少年時代に遊びで作った世紀末預言書「よげんの書」の内容が、成長した彼らに現実となって襲いかかる。ケンジとその仲間たちは地球を救うため立ち上がり、数々の謎を解明していく。
- パイナップルARMY(ビッグコミックオリジナル、原作:工藤かずや)
- 民間の軍事顧問機関・CMAの戦闘インストラクター、ジェド・豪士に様々な依頼が舞い込んでくる。この作品の中で世界的なつながりを持ったテロ組織の台頭をのべており、はからずもアルカイダを予言していたかのようである。
- 踊る警官
- バンド活動を行う傍ら、警官として働く男山下の物語。全7話で、単行本には他に短編4本を収録。
- PLUTO(ビッグコミックオリジナル)
- 手塚治虫のSF漫画作品『鉄腕アトム』の1エピソード「地上最大のロボット」を、エピソードに登場するロボット刑事ゲジヒトの視点から書いた漫画(対する敵ロボットの名前はプルートゥ)。
- まんがノート
- 『PLUTO』豪華版3巻・4巻付録。浦沢が少年時代に描いた自作の漫画をまとめたもの。3巻は芥川龍之介、4巻は星新一の作品を漫画化している。
- N・A・S・A
- 短編集。
- 初期のURASAWA
- デビュー作『BETA!!』をはじめ、初期の作品を集めた短編集である。他の短編集との重複も多い。
- シロは死なない(創作童話)
- 浦沢は"絵"を担当している。
- 月に向かって投げろ!(プロット共同制作:長崎尚志)
- 手塚治虫文化賞10周年記念で出版された「AERA COMIC ニッポンのマンガ」に掲載された書き下ろし短編作品。
[編集] 過去の出演番組
- 孝太郎ラボ(2005年2月1日、フジテレビ)
- プロフェッショナル 仕事の流儀(2007年1月18日、NHK総合テレビジョン)