矢野志加三

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矢野志加三（やのしかぞう、1893年(明治26年)8月5日 - 1966年(昭和41年)1月24日）は、日本の海軍軍人。最終階級は海軍中将。愛媛県松山市出身。

[編集] 略歴

陸軍大尉矢野徳の長男として生まれる。妻は陸軍少将大川盛行の娘、実。旧制愛媛県立松山中学校より海軍兵学校第43期入校。入校時成績順位は100名中第12位、卒業時成績順位は96名中第4位。

太平洋戦争開戦の際は第4艦隊参謀長として井上成美に仕え知遇を得るが後に海軍兵学校修年年限短縮問題では当局に対し海軍兵学校校長となった井上と共に猛反対する。
海軍省に電波本部が設置される事になり当初の計画では海軍兵学校同期の矢野英雄が就任する予定だったが矢野志加三に変更になり矢野英雄は中部太平洋方面艦隊に転勤となりアメリカ軍のサイパン侵攻と共に自決した。
昭和20年11月1日の定期人事で木村昌福、中沢佑と共に海軍中将に進級した。

[編集] 人物像

電波本部開設で結果的には海軍兵学校同期の矢野英雄と交換人事となり志加三が着任し英雄はサイパンに転出させられ死亡した事を晩年に至るまで苦しみ悩んでいたそうである。

[編集] 年譜

1893年(明治26年)8月5日- 愛媛県松山市生
1912年(大正元年)9月9日- 海軍兵学校入校入校時成績順位100名中第12位
1915年(大正4年)12月16日- 海軍兵学校卒業卒業時成績順位96名中第4位・任海軍少尉候補生・装甲巡洋艦「磐手」乗組・練習艦隊近海航海出発佐世保~仁川~旅順~大連~鎮海~舞鶴~鳥羽方面巡航
1916年(大正5年)4月3日- 帰着
- 4月20日- 練習艦隊遠洋航海出発香港~シンガポール~フリーマントル~メルボルン~シドニー~ウェリントン~オークランド~ポナペ~トラック~父島方面巡航
- 8月22日- 帰着
- 8月25日- 巡洋戦艦「鞍馬」乗組
- 12月1日- 任海軍少尉・戦艦「山城」乗組
1917年(大正6年)9月10日- 装甲巡洋艦「浅間」乗組
- 12月1日- 任海軍中尉・海軍水雷学校普通科学生
1919年(大正8年)5月23日- 海軍砲術学校普通科学生
1920年(大正9年)2月2日- 2等駆逐艦「榧」乗組
1921年(大正10年)12月1日- 任海軍大尉・海軍水雷学校高等科第21期学生
- 11月30日- 海軍水雷学校高等科第2位修了
1922年(大正11年)12月1日- 2等駆逐艦「栂」乗組兼艤装員
1923年(大正12年)12月1日- 1等駆逐艦「汐風」水雷長兼分隊長
1924年(大正13年)4月10日- 練習艦隊参謀海軍少尉候補生指導官
- 11月10日- 練習艦隊遠洋航海出発ヒロ~アカプルコ~バルボア~マンサニーニョ~サンフランシスコ~エスカイモルト~バンクーバー~ホノルル~ヤルート~トラック~サイパン~小笠原方面巡航
- 12月1日- 任海軍少佐
1925年(大正14年)4月4日- 帰着
- 4月15日- 横須賀鎮守府附
- 5月1日- 1等駆逐艦「浦風」水雷長兼分隊長
- 6月1日- 第1艦隊参謀兼副官兼聨合艦隊参謀
- 12月1日- 海軍大学校甲種第25期学生
1926年(大正15年)12月1日- 任海軍少佐
1927年(昭和2年)11月25日- 海軍大学校甲種卒業卒業成績順位20名中第2位
- 12月1日- 第18号駆逐艦長
1928年(昭和3年)8月1日- 2等駆逐艦「刈萱」駆逐艦長
- 12月10日- 海軍省軍令部水雷担当参謀
1930年(昭和5年)12月1日- 在イギリス日本大使館附海軍駐在武官府補佐官補
1931年(昭和6年)12月1日- 任海軍中佐
1932年(昭和7年)7月1日- 在イギリス日本大使館附海軍駐在武官補佐官兼艦政本部造兵監督官
1933年(昭和8年)5月10日- 帰朝
- 9月1日- 海軍軍令部出仕
- 11月15日- 軽巡洋艦「五十鈴」副長
1934年(昭和9年)10月22日- 海軍省兼海軍軍令部出仕
- 11月15日- 海軍省人事局員
1936年(昭和11年)12月1日- 任海軍大佐・海軍大学校教官
1938年(昭和13年)1月8日- 兼臨時軍令部出仕兼支那方面艦隊司令部参謀兼臨時特務部員
- 1月15日- 海軍大学校教官
- 11月1日- 海軍省兼海軍軍令部出仕
- 11月15日- 海軍省教育局第1課長
1940年(昭和15年)11月5日- 第2航空艦隊司令部附
11月15日- 航空母艦「飛龍」艦長
1941年(昭和16年)9月8日- 第4艦隊司令部附
- 10月10日- 第4艦隊参謀長
1942年(昭和17年)11月1日- 任海軍少将・海軍軍令部出仕
- 11月20日- 海軍省教育局長
1944年(昭和19年)3月1日- 海軍省兼艦政本部兼航空本部出仕
- 4月20日- 海軍省電波本部総務部長
- 12月20日- 海軍省艦政本部第3部長兼航空本部第4部長
1945年(昭和20年)3月1日- 免航空本部第4部長兼航空本部第5部長
- 5月10日- 海軍総隊参謀副長兼聯合艦隊参謀副長
- 6月25日- 海軍総隊参謀長兼聯合艦隊参謀長
- 9月25日- 海軍省出仕
- 11月1日- 任海軍中将
- 11月30日- 海軍省廃官に依り予備役編入充員召集
12月1日- 第2復員省出仕
1946年(昭和21年)3月25日- 充員召集解除
1953年(昭和28年)2月15日- 東洋パルプ専務取締役
1957年(昭和32年)5月31日- 東洋パルプ専務取締役辞任
1966年(昭和41年)1月24日- 死去享年72

[編集] 参考文献

戦史叢書・第38巻中部太平洋方面海軍作戦(1) (防衛庁防衛研修所戦史部編・朝雲新聞社)
戦史叢書・第62巻中部太平洋海軍作戦(2) (防衛庁防衛研修所戦史部編・朝雲新聞社)
戦史叢書・第46巻海上護衛戦 (防衛庁防衛研修所戦史部編・朝雲新聞社)
戦史叢書・第93巻大本営海軍部・聯合艦隊(7) (防衛庁防衛研修所戦史部編・朝雲新聞社)
高松宮日記(細川護貞・阿川弘之・大井篤・豊田隈雄編・中央公論新社) ISBN 4-12-490040-6 C0320
高木惣吉日記と情報・上下巻(みすず書房) ISBN 4-622-03506-5 C3031
自伝的日本海軍始末記(高木惣吉著・光人社) ISBN 4-7698-0027-4 C0095
かくて、太平洋戦争は終わった(川越重男著・PHP文庫) ISBN 4-569-66398-2 C0131
日本陸海軍の制度・組織・人事(日本近代史料研究会編・東京大学出版会)
海軍兵学校沿革・第2巻(海軍兵学校刊)
海軍兵学校出身者名簿(小野崎誠編・海軍兵学校出身者名簿作成委員会)

カテゴリ: 日本の海軍軍人 | 太平洋戦争の人物 | 愛媛県出身の人物 | 1893年生 | 1966年没

矢野志加三

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目次

[編集] 略歴

[編集] 人物像

[編集] 年譜

[編集] 参考文献

[編集] 関連項目

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