硫酸ナトリウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
硫酸ナトリウム | |
---|---|
IUPAC名 | 硫酸ナトリウム |
別名 | 芒硝、グラウバー塩 |
組成式 | Na2SO4 |
式量 | 142.04 g/mol |
形状 | 無色結晶 |
結晶構造 | 斜方晶 |
CAS登録番号 | [7757-82-6](無水物) [7727-73-3](10水和物) |
密度と相 | 2.7 g/cm3, 固体 |
水への溶解度 | 4.76 g/100 mL (0 ℃) 42.7 g/100 mL (100 ℃) |
融点 | 884 ℃ |
沸点 | ℃ |
出典 | ICSC |
硫酸ナトリウム(りゅうさんナトリウム、sodium sulfate)は化学式 Na2SO4 で表される硫酸のナトリウム塩。
比重 2.698、融点 884 ℃。無色の結晶、水に可溶。水溶液は中性。
飽和水溶液から常温で結晶されると10水和物が得られる。普通この状態で存在することが多い。10水和物は俗に芒硝(ぼうしょう)あるいはグラウバー塩とよばれ、比重1.464の無色の結晶で、水に可溶。転移温度である 32.38 ℃で水和水が結晶水になる。水和物を空気中に放置すると風解するが、無水和物を湿った空気中におくと水和物となる。
この水溶液を熱すると、34.38 ℃までは溶解度が温度に比例しあがり続けるのだが、その温度に達すると、水和物としての結晶 (Na2SO4•10H2O) ではなく、分解され水と切り離されたもの (Na2SO4 + H2O) としての結晶へと変化するため、ここの温度からは、融点は温度に比例し、少しずつさがっていく。
塩化ナトリウムと濃硫酸を加熱すると無水物が得られ、炭酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムを硫酸で中和した溶液から水和物の結晶が得られる。無水物はガラスの製造、乾燥剤、十水和物は下剤にしたり、防風通聖散や桃核承気湯などの漢方薬などに配合される。
温泉の含有物質として代表的である。硫酸ナトリウムなど、アルカリ金属・アルカリ土類金属の硫酸塩を含む温泉は総じて硫酸泉・硫酸塩泉と呼ぶ。
人体に対する安全性の高い物質の1つであり、家庭用の入浴剤の主成分として炭酸水素ナトリウムとともに用いられている。これらの説明書には「風呂釜を傷める硫黄分は含まれていない」という記述がなされている。これは硫黄泉の成分を模した入浴剤(湯の花・ムトウ六一〇ハップ™等)とは異なり単体硫黄を成分に含まないという意味で、もちろん、硫酸ナトリウムは硫黄化合物の1つである。
硫酸ナトリウム(無水物相当)2004年度日本国内生産量は 130,107 トン、工業消費量は 8,765 トンである[1]。
[編集] 参考文献
[編集] 関連項目
- ソーダ工業