筑豊電気鉄道2000形電車
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筑豊電気鉄道2000形電車は、筑豊電気鉄道の路面電車である。
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[編集] 概要
筑豊電気鉄道はその開通以来、親会社の西日本鉄道からの乗り入れ車両だけで運行されており、自社では車両を保有していなかった。これを改め、筑豊電気鉄道初の自社車両として導入された電車が2000形である。
1977年と1980年に投入された3両連接車と、1985年に投入された2両連接車の2タイプがあるが、いずれも西日本鉄道からの譲渡車である。
[編集] 3両連接車
西鉄福岡市内線第1次廃止後、1976年10月に譲受した1300形4編成・1200形1編成を、1977年に北九州線1000形2編成と福岡市内線1000形の車体を改造した中間車を組み込んで3両連接車に改造した2001~2005、1980年に北九州線1000形3編成を改造した2006・2007がある。中間車は西鉄北九州線に存在した3両連接車と違い、車体長が長く扉があり、重量が増した関係から電動機を55kWのものに交換している。
竣工時より西鉄天神大牟田線2000形のようなカラーリング(黄色に赤帯)を施されており、「黄電(きなでん)」と呼ばれている。また、2001~2005は竣工当初は前照灯が窓下1灯と原形を保っていたが、2006・2007登場時に前照灯が尾灯と一体型のケースに収められて左右に配置された。
2006・2007は大型方向幕を装備しているが、これはもとをたどれば北九州線1000形の中でも福岡市内線1000形に近い形態をした最終グループで、改造ではなく1000形時代からのものである(中央の窓も、1000形時代より1枚窓である)。2005年10月現在、2006の前面中央窓が下げられており、方向幕を除けば2001~2005とさして違わないスタイルになっている。
冷房改造は1984年~1985年にかけて行われ、その後バス窓から上段下降・下段上昇式のアルミサッシのユニット窓に交換された。2004年にはATS取り付け工事が行われ、「2003A-1」のようにハイフンの付いた番号になっている。
なお冷房改造時より全ての編成にテレビが取り付けられていたが、現在では液晶テレビに交換された4編成を除いて撤去されている。テレビ付きの編成では地上波テレビの受信をせず、次の停車駅の案内や沿線の企業のCM、環境映像を流している。
7編成全てが現存し、3両連接車の収容力を生かしてラッシュ時を中心に運用されている。
[編集] 改造前の番号
- A車・B車が福岡市内線1300形、C車が北九州線1000形
- 2001ACB(1301A,1043A,1301B)
- 2002ACB(1302A,1043B,1302B)
- 2003ACB(1303A,1044A,1303B)
- 2004ACB(1304A,1044B,1304B)
- A車・B車が福岡市内線1200形、C車が福岡市内線1000形
- 2005ACB(1205A,1013A,1205B)
- A車・B車・C車ともに北九州線1000形
- 2006ACB(1062A,1063B,1062B)
- 2007ACB(1064A,1063A,1064B)
※カッコ内が改造前の番号
[編集] 主要諸元
- 製造初年:1957年
- 全長:25300mm
- 全幅:2400mm
- 全高:3940mm
- 自重:31.3t
- 車体構造:全金属製
- 定員(着席):132(62)人
- 出力・駆動方式:55kW、ツリカケ式
[編集] 2両連接車
1985年の西鉄北九州線の輸送力調整により、余剰となった1000形を譲受したもの。改造はされずにそのまま使われ、当初はもとの番号のまま使用されていたが改番され(元のナンバーの上からプレートをかぶせていた。後にペンキ塗りのナンバーになった)、2100番台を名乗る。改造車である3両連接車と区別する意味で2100形と呼ばれることもあった。
西鉄北九州線時代のカラーリング(赤にクリーム帯)そのままで、「赤電」と呼ばれていた。冷房改造もされず、晩年はほとんど冬場や沿線でのイベント開催時の臨時列車に運用されるのみとなっていた。
18編成在籍していたが、3000形への改造や廃車などで数を減らしていった。最後は2103編成のみが残り「使用休止中」の札が貼られて黒崎車庫に留置状態だったが、2006年6月、超低床電池駆動路面電車(SWIMO)開発計画の試験車両として川崎重工業に譲渡された。このため、2100形は形式消滅となった。
3両連接車と同じように窓を交換した編成もあったが、2102では前面両側の窓までアルミサッシのユニット窓に交換されて異彩を放っていた。
[編集] 主要諸元
- 製造初年:1954年
- 全長:18400mm
- 全幅:2400mm
- 全高:3940mm
- 自重:22.2t
- 車体構造:全金属製
- 定員(着席):96(46)人
- 出力・駆動方式:45kW、ツリカケ式
[編集] 参考文献
- 『復刻版 私鉄の車両9 西日本鉄道』(ネコパブリッシング・飯島巌) ISBN 4873662923 他
[編集] 外部リンク
- 川崎重工ニュースリリース
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