粒子発見の年表
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粒子発見の年表(りゅうしはっけんのねんぴょう)では、1897年のトムソンによる電子発見から現代にいたる素粒子を中心とした粒子や電磁波(光子)の発見の歴史をまとめたものである。
すべての発端はトムソンの実験にあるが、トムソンの実験の背景には電気量に最小単位があるらしいというファラデーの電気分解の実験結果があった。1881年にヘルムホルツが唱えた原子論では電気の「原子」を扱っていた。トムソンが調べていた希薄気体中の放電現象においては、すでにデービーが磁石に影響されることを見出しており、1858年のプラッカーの論文ではさらに磁力の強さと放電の曲がり方の関係を調べている。ヒットルフは放電が物質によってさえぎられることを示した。このような背景からトムソンの発見が生まれた。いったん電子が発見されると、その後の進歩が速かったことは以下の年表からも読み取れる。
[編集] 年表
- 1897年:ジョセフ・ジョン・トムソンによって電子が発見される。
- 1899年:アーネスト・ラザフォードによってウラニウムの放射線のなかにアルファ粒子(アルファ線)が発見される。
- 1900年:ポール・ヴィラールによってウラニウム放射線の中にガンマ線が発見される。
- 1911年:ハンス・ガイガー、アーネスト・マースデンの実験から、ラザフォードが原子核モデルを確立する。
- 1919年:ラザフォードが陽子を発見する。
- 1927年:ポール・ディラックが陽電子の存在を予想する。
- 1931年:ヴォルフガング・パウリがベータ崩壊を説明するために、ニュートリノの存在を予想する。
- 1932年:ジェームズ・チャドウィックが中性子を発見する。
- 1932年:カール・アンダーソンが陽電子を発見する。
- 1934年:湯川秀樹がパイオンの存在を予想する。
- 1937年:ネーダーマイヤー、カール・アンダーソン、J・C・ストリート、E・C・スティーブンソンが、霧箱を使って、宇宙線のなかにミューオンを発見する
- 1947年:セシル・パウエルがパイオンを発見する。
- 1947年:G・D・ロチェスター、C・C・バトラーがケイオンを発見する。(新たな量子数ストレンジネスを導入する必要のある最初の粒子)
- 1952年:ブルックヘブン国立研究所の陽子加速器によりケイ中間子、ラムダ粒子、シグマ粒子、グザイ粒子が発見される。
- 1955年:オーウェン・チェンバレン、エミリオ・セグレ、トーマス・イプシランティスが反陽子を発見する。
- 1956年:フレデリック・ライネス、クライド・コーワンがニュートリノの原子炉からの発生の証拠を示す。
- 1962年: レオン・レーダーマンらのグループが電子ニュートリノとμニュートリノが別のものであることを証明する。
- 1963年:マレー・ゲルマン、ジョージ・ツワイクがクォーク模型を提案する。
- 1964年: ピーター・ヒッグスが電弱対称性の破れの理論からヒッグスボゾンの存在を予測する。ヒッグスボゾンはまだ発見されていないが、現在欧州原子核研究機構(CERN)が建設中で2007年に実験開始予定のラージハドロンコライダーによって発見されると期待されている。
- 1969年:このころまでに、SLACの電子と陽子標的との深非弾性散乱実験によりハドロン(中性子・陽子など)が内部構造(陽子がいくつかの点状粒子から構成されている)をもつことがファインマンのパートン・モデルで示された。ゲルマンの予測した3種類のクォーク(アプ、ダウン、ストレンジ)の発見がされたということもできる。
- 1970年:シェルドン・グラショー、イリオポロス、ルチャーノ・マイアーニがJ/ψ粒子を予測する。
- 1974年: バートン・リヒター、サミュエル・ティンがJ/ψ粒子を発見し、 チャームクォークが存在することをしめす。
- 1975年:マーティン・パールがタウレプトンを発見する。
- 1977年:フェルミ研究所でウプシロン粒子(ボトムクオークと反ボトムクオークの対の粒子)が発見され、ボトムクオークの存在が示された。 (1973年に小林誠・益川敏英が存在の予測をした。)
- 1979年:ドイツ電子シンクロトロン研究所(DESY)でグルーオンが間接的に観察される。
- 1983年:カルロ・ルビア、シモン・ファンデルメールと欧州原子核研究機構(CERN) UA-1が共同で Wボソン、Zボソンを発見する。 これらのボソンは1960年代にシェルドン・グラショー、アブドゥス・サラム、スティーヴン・ワインバーグらによって予測されていた。
- 1995年:フェルミ研究所でトップクォークが発見される。
- 2000年:フェルミ研究所でタウニュートリノがほかのニュートリノと異なることが証明された。
[編集] 関連項目
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