終夜放送
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終夜放送(しゅうやほうそう)は放送局が夜間・深夜を通して24時間放送番組を流すことをいう。オールナイト放送とも言われている。
[編集] テレビ
テレビ局の場合は1980年代前半までは終夜放送を行う局はなく、毎日深夜-早朝の数時間は送信機やスタジオなど放送機器類の保守・メンテナンスのためという理由で放送を休止し、テストパターン(いわゆるカラーバーかモノスコ)や信号音(いわゆるピー音)・レコード音楽などを放送したり、画面送信を停止して砂嵐(停波)状態にすることもあった。
しかし1987年10月からTBSとフジテレビが24時間放送を編成するようになって以後、テレビでも三大都市圏の局などで終夜放送を実施する局が増えた。近年はフィラーとしてNNN24⇒日テレNEWS24(日テレ系列)、TBSニュースバード(旧JNNニュースバード)(TBS系列)がサイマル放送されたり、あるいは環境映像や気象情報、お天気カメラなどを提供する放送局が地方局でも増えたほか、CS放送の専門放送局でも終夜体制の局が多い。そのため、後述するNHKを含め、ほとんどの放送局で送信機や送信・送出系統を二重化するなどの対策がとられている。
一方日本放送協会(NHK)は終夜放送には余り関心がなかったのか1987年までは突発的な大事件や台風、地震などの自然災害があった場合と、国会の選挙開票速報がある場合など、ごく限られた機会以外はそれを実施しなかったが、まずBS-1で1987年7月からそれを開始。続いて1989年にはBS-2、1996年には週末に限って総合テレビ(1997年から毎日)、以後教育テレビとハイビジョン=2000年の順で終夜放送を開始するようになったが、NHKの不祥事による経営建て直しのため、教育とハイビジョンは2006年4月2日日曜深夜の放送をもって終夜放送は一旦とりやめになった。(年末年始・お盆期間中を除く)なお、国際放送のNHKワールドTVとNHKワールド・プレミアムも1999年10月から24時間放送を行っている。
[編集] ラジオ
ラジオの終夜放送については深夜放送を参照のこと。
[編集] 利点
終夜放送は番組配信だけでなく、突発的な大事件・事故、自然災害に対応するために迅速な緊急報道体制を取る事も重要視しており、NHKでは台風・集中豪雨・地震といった自然災害や大事件発生の時などは総合テレビ、ラジオ第1などで深夜の定時放送を中止して特番体制をとることがよくある。(地震や津波災害の場合は教育テレビ、FM、ラジオ第2なども対象になることがある)実際、毎日深夜に重大災害発生を想定した放送訓練を行っている。