襟裳岬
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襟裳岬(えりもみさき)は、北海道幌泉郡えりも町えりも岬に属し、太平洋に面する岬。北緯41度55分28秒、東経143度14分57秒。北海道の形を大きく表徴する自然地形の一つである。日高山脈の最南端で、太平洋に突き当たって長年の強風と荒波に削られ落ち込んだところがこの岬である。岬の先にある岩礁群も日高山脈の一部。日高山脈襟裳国定公園の中核を成す観光地。
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[編集] 地理
- 日高山脈が太平洋へ徐々に落ち込む南端部。高さ60mに及ぶ断崖が岬を囲み、展望は広い。
- 岬周辺は、三段に及ぶ海岸段丘が発達。また沖合い7kmまで岩礁が連なる。
- 地名の由来はアイヌ語の「エンルム」(突き出た頭)または「エリモン」(うずくまったネズミ)など諸説ある。
- 岬上の襟裳岬灯台は海抜73m、光達22海里。1889年初点灯。他にも霧笛や無線方向探知局などが備えられている。沖合で暖流の黒潮(日本海流)と寒流である親潮(千島海流)とがぶつかり、濃霧が発生しやすいためである。また強風でも知られる。
[編集] トピック
- 森進一が唄い、レコード大賞を受賞した「襟裳岬」(1974年、岡本おさみ作詞・吉田拓郎作曲)で、一躍有名となった。
- 「襟裳岬」の歌碑は2つある。1つは島倉千代子の曲のもので1971年設立、もう1つが上記の森進一の曲のもので1997年設立である。
- 札幌から日高本線へ直通する国鉄急行の愛称として「えりも」が用いられていた。→すずらん_(列車)を参照のこと。
- 岬の突端の岩場を中心にゼニガタアザラシが300~400頭棲息する。双眼鏡で観察が可能。
- 岬周辺は、かつて砂漠化しており治山事業により緑化が行われた。緑化の経緯は、NHKの番組プロジェクトXで取り上げられている(プロジェクトX全放送作品リスト参照(2001年3月放送))。