日高本線
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日高本線(ひだかほんせん)は、北海道胆振支庁管内の苫小牧市の苫小牧駅から日高支庁管内の様似郡様似町の様似駅を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)が運営する鉄道路線(地方交通線)である。
門別、新冠、静内、浦河など、サラブレッドなどの競走馬の生産地を結んでおり、競馬ファンにとっても馴染みが深い路線である。
目次 |
[編集] 路線データ
- 管轄(事業種別):北海道旅客鉄道(第一種鉄道事業)
- 区間:苫小牧~様似 (146.5km)
- 軌間:1067mm
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:自動閉塞(苫小牧~苫小牧(貨)間)、特殊自動閉塞(電子閉塞)(苫小牧(貨)~様似間)※
- 交換可能駅:4(鵡川、日高門別、静内、本桐)
※苫小牧(貨)…苫小牧~沼ノ端・勇払間にある日本貨物鉄道(JR貨物)の苫小牧駅。
[編集] 歴史
2つの軽便鉄道(苫小牧軽便鉄道、日高拓殖鉄道)を改正鉄道敷設法別表第133号に規定する予定線の一部として1927年に国有化して改築し、1937年に様似まで延長したものである。計画では、襟裳岬を回って広尾を経て帯広まで結ぶこととされ、帯広側では広尾線が広尾まで開業していたが、1987年に廃止されている。未成区間の様似~広尾間はジェイ・アール北海道バスの日勝線で連絡している。
- 1913年10月1日 苫小牧軽便鉄道苫小牧~佐瑠太(現在の富川)間(軌間762mm。25.1M≒40.4km)開業
- 1924年9月6日 日高拓殖鉄道佐瑠太~厚賀間(軌間762mm。13.1M≒21.1km)開業
- 1925年2月10日 日高拓殖鉄道 門別駅を日高門別駅に改称
- 1925年11月15日 苫小牧軽便鉄道 厚真駅を浜厚真駅に改称
- 1926年12月7日 日高拓殖鉄道厚賀~静内間(軌間762mm。10.2M≒16.4km)延伸開業
- 1927年8月1日 苫小牧軽便鉄道、日高拓殖鉄道を買収、国有化。線路名称設定 日高線(苫小牧~静内)
- 1929年11月26日 苫小牧~佐瑠太間を軌間1067mmに改軌。同時に改キロ(+0.4km)
- 1931年11月10日 佐瑠太~静内間を軌間1067mmに改軌。同時に改キロ(+0.8km)
- 1933年12月15日 静内~日高三石間(23.7km)延伸開業
- 1935年10月24日 日高三石~浦河間(24.5km)延伸開業
- 1937年8月10日 浦河~様似間(16.2km)延伸開業(全通)
- 1943年11月1日 線名改称日高本線
- 1944年4月1日 佐瑠太駅を富川駅に、波恵駅を豊郷駅に、慶能舞駅を清畠駅に改称。
- 1948年8月1日 高江駅を新冠駅に改称
- 1958年7月15日 大狩部駅、日高東別駅、絵笛駅開業。
- 1959年12月18日 浜田浦駅、汐見駅開業。
- 1962年12月1日 苫小牧港(西港)建設のため苫小牧駅~勇払駅東方の線路を付け替え。改キロ 苫小牧~浜厚真間(+9.4km)
- 1962年12月2日 改キロ 清畠~厚賀間(+0.1km)
- 1981年3月 苫小牧~苫小牧(貨)間、自動閉塞・CTC化
- 1982年12月15日 静内~様似間貨物営業廃止
- 1984年2月1日 苫小牧~静内間貨物営業廃止
- 1986年11月 苫小牧(貨)~様似間、特殊自動閉塞(電子閉塞)化
- 1987年4月1日 国鉄民営化に伴い北海道旅客鉄道に承継
- 1988年11月3日 キハ130運転開始
- 1989年7月1日 苫小牧~様似間一部列車ワンマン運転開始
- 1989年8月9日 フイハップ浜駅開業
- 1990年7月1日 日高線運輸営業所開設。全列車ワンマン運転化、全列車キハ130化。
- 1991年 静内海水浴場臨時駅開設(翌年まで)
- 1992年 静内海水浴場駅廃止
- 1993年9月24日 フイハップ浜駅廃止
- 1998年9月27日 キハ130一部がこの日限りで引退
- 2001年6月17日 キハ130全車がこの日限りで引退
[編集] 運転
全線を日高線運輸営業所が管轄しており、定期列車は線内のみの普通列車(ワンマン運転)のみである。苫小牧~様似間の通しの列車の他、苫小牧~鵡川・静内、静内~様似で区間列車がある。キハ40形気動車(350番台)とキハ160形気動車が使用されている。
[編集] 臨時快速「優駿浪漫」号
臨時列車としては、千歳線直通で札幌駅まで乗り入れる快速「優駿浪漫」号がある。
「優駿浪漫」号は、主に石狩支庁、空知支庁在住の観光客を対象にした臨時列車であり、札幌から様似まで乗り換え無しで直通運転するため、千歳線内では極端に運行本数の減る南千歳駅より南と、本線への接続に頭を悩ませなくて済むのがメリットである。ただし運行は観光シーズンの数日のみで、なおかつ使用される列車も不定である。例えば、本線で通常使用されているキハ40形気動車(350番台)やキハ160形気動車、学園都市線用のキハ141系がヘッドマークを変えるだけで使用されることもあれば、ニセコエクスプレスなどの特急形気動車が使用されることもある。なお、快速列車であるので特急車両が使用され指定席車両が設定されても、座席指定券を別途購入すれば指定席に乗車することができる。
本線内は各駅停車となり、線路の都合で苫小牧駅で列車の進行方向が変わる。また、千歳線内は名目上快速運転するが、ダイヤの編成の都合で、停車駅以外の駅で停車し後続の普通列車などに追い抜かれる場合もあり、同区間内での所要時間は快速エアポートなどの列車よりも遅くなる。
[編集] 駅一覧及び接続路線
駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
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苫小牧駅 | 0.0 | 北海道旅客鉄道:室蘭本線 | 北海道 | 苫小牧市 |
勇払駅 | 13.1 | |||
浜厚真駅 | 22.7 | 勇払郡厚真町 | ||
浜田浦駅 | 27.0 | 勇払郡むかわ町 | ||
鵡川駅 | 30.5 | |||
汐見駅 | 34.5 | |||
富川駅 | 43.6 | 沙流郡日高町 | ||
日高門別駅 | 51.3 | |||
豊郷駅 | 56.3 | |||
清畠駅 | 61.1 | |||
厚賀駅 | 65.6 | |||
大狩部駅 | 71.1 | 新冠郡新冠町 | ||
節婦駅 | 73.1 | |||
新冠駅 | 77.2 | |||
静内駅 | 82.1 | 日高郡新ひだか町 | ||
東静内駅 | 90.9 | |||
春立駅 | 97.0 | |||
日高東別駅 | 99.4 | |||
日高三石駅 | 105.8 | |||
蓬栄駅 | 109.8 | |||
本桐駅 | 113.0 | |||
荻伏駅 | 120.2 | 浦河郡浦河町 | ||
絵笛駅 | 125.1 | |||
浦河駅 | 130.3 | |||
東町駅 | 132.4 | |||
日高幌別駅 | 136.9 | |||
鵜苫駅 | 141.1 | 様似郡様似町 | ||
西様似駅 | 143.6 | |||
様似駅 | 146.5 |
- 取り消し線を引いた駅は、廃止となった駅。