豊予海峡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
豊予海峡(ほうよかいきょう)は豊後水道の中で、水路が最も狭い部分。海峡幅は約14km、最大水深は約195m。速吸瀬戸(はやすいのせと)とも呼ばれる。
大分県大分市(旧佐賀関町)の関崎と愛媛県伊方町(旧三崎町)の佐田岬によって挟まれる。ここに、日本最大の断層である中央構造線が走る。佐賀関港と三崎港の間に、国道九四フェリー(国道197号)が運航されている。
潮流が速いことから、豊予海峡で獲れる魚は身が引き締まり脂がのっており、好漁場となっている。特に、佐賀関港に水揚げされるアジとサバは、一本釣りや活けじめといった漁法や品質管理と相まって「関あじ」「関さば」として全国的に有名なブランドとなっている。なお、同じものが三崎側で水揚げされると「岬あじ」「岬さば」と呼ばれ、より安価で取引される。
なお1980年代末頃を中心とした一時期、愛媛・大分両県によって豊予海峡トンネルの建設構想が明示され、テレビで関連の特別番組が放送されたことがあった(南海放送・大分放送『豊予海峡~九四トンネルへの挑戦~』=1989年12月2日放送)。しかし、海峡付近の地質構造や両県の財政規模、さらには「四国~九州間に“陸続きルート”の建設は時期尚早」とする専門家の意見などが障害となり、この構想は棚上げ状態となったままである。
また、鉄道と併設し、「四国新幹線」を建設し、九州側の「九州横断新幹線」と直通運行する計画もある。