超漢字
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超漢字(ちょうかんじ)とは、パーソナルメディア株式会社が開発・販売する、BTRON3仕様の、AT互換機用オペレーティングシステム。厳密には、オペレーティングシステム部分をB-right/V、標準搭載のワープロ・表計算ソフトなどを含めた全体を超漢字と言う。
2006年10月27日現在の最新バージョンは「超漢字V」(B-right/V R4.5)。
目次 |
[編集] OSとしての特徴
BTRON3仕様に準拠し、
などを特徴とする。
[編集] 標準搭載ソフトウェア
[編集] 基本アプリケーション
[編集] 文字検索
[編集] 実身仮身検索
[編集] ファイル変換
[編集] 小物ソフトウェア
*簡単に言うと、「実身データを使って何かをするためのソフト」をアプリケーションといい、それ以外を小物ソフトウェアと言う。
- 電子マニュアル
- 郵便番号辞書
- 電子手帳ソフト
- システム環境設定
- ユーザ環境設定
- ネットワーク設定
- ダイヤルアップ接続
- 電卓
- 時計
- 画面印刷
- ユーザ辞書
- 印刷管理
- FD複製
- ディスク修復
- トレー
- キー配列変更
- 初期設定ガイダンス
- バックアップ
[編集] ハイパーリンク構造
実身/仮身モデル=脳みそくん
BTRON仕様OSは、他の一般的なOSがディレクトリを用いたツリー構造のファイル管理をしているのに対し、(ユーザーが触れる範囲は)すべてハイパーリンクで繋がった、ネットワーク構造のファイル管理を行っている。
ファイルシステム自体がハイパーテキストになっていること、すべてのファイルを「開いた仮身」と呼ばれるプレビューモードにできることから、超漢字内のコンテンツは、動的に編集されるウェブページのような状態になっている。そのため、この利点を生かして、これをそのまま他のOSからも閲覧できるHTMLに変換するソフトウェアが、パーソナルメディアから発売されている。
- 「超漢字ウェブコンバータ」
- 外部のウェブサーバに転送し、そこにHTMLを生成する。
- 「超漢字ウェブサーバ」
- 手元のパソコン自体をサーバにし、外部からのアクセスに応じてリアルタイムでHTMLに変換して送り出す。
[編集] 電子辞書ソフト
事実上すべての漢字を扱える強みを生かして、パーソナルメディア純正の辞書ソフトが販売されている。(一般的な電子辞書では、漢和辞典はJISコードの範囲内しか扱えないため、研究者などにとっては到底満足の行くレベルではない)
- 「超漢字広辞苑」
- 岩波書店の広辞苑を、外字を使わずに電子化。
- 「超漢字康煕字典」
- 漢字字体の典拠とされる康熙字典を、画像として収録。文字の検索も行えるようになっている。
- 「超漢字岩波新漢語辞典」
- 11800字収録の漢和辞典。外字は不使用。一部文字は筆順も表示する。
[編集] 搭載している文字種
- JIS第1~第4水準、補助漢字
- 韓国漢字、ハングル
- 中国簡体字、簡体字拡張、繁体字
- 点字(六点点字および八点点字)
- iモード絵文字
- GT明朝
- 諸橋大漢和辞典収録文字
- ラテン文字
- アラビア文字
- 各国記号、IPA発音記号
- 変体仮名
- その他記号、文字類
(参考:超漢字ウェブサイト)
ただし、OSとしてアラビア文字の「右から左」などの書字方向には対応していない。また、合字などの処理についても、言語/字種によって対処の仕方が異なる。そのため、そういった言語は「文字」単位での使用に限られ、「文章」としての利用は現時点ではまだ実用レベルにないと言える。
[編集] 対応機種
基本的にはPC/AT互換機(Windowsマシン)で動作するが、中にはメーカー独自の拡張などと機能衝突し、うまく起動しない、あるいは一部機能が使用できないなどの現象もある。超漢字ウェブサイトからダウンロードできる「動作確認ディスク」を用いることによって事前に検証することができる。
PowerPCプロセッサ上でAT互換機をエミュレートするVirtual PC,QEMUを利用すれば、制限はあるが他のOSと同時に使用したりMacintoshで起動させることもできる。
[編集] インストール
超漢字4までは、それ自体がOSであるため、Windowsアプリケーションとして使用することはできなかった。(ただしWindows上でAT互換機をエミュレートするソフトを用いれば使用することもできる)
そのため、超漢字用のパソコンを1台用意するか、ハードディスクのパーティションを分割してインストール(超漢字では「登録」という)する必要がある。超漢字4の場合、今使っているパソコンのハードディスクを、初期化せずにそのままパーティション分割するSystem Selector2というソフトウェアがパッケージに同梱されている。
最新バージョンである超漢字Vでは、VMware Player(標準添付のものは英語版)上での動作を前提とする事になったため、Windowsアプリケーションの一つとして動作する。 このために、今までは実現できなかった以下の機能が可能となった。
- 他のWindowsアプリケーションとウィンドウを切り替えて、同一マシン上で並行作業ができる。
- クリップボードを経由する事により、他のWindowsアプリケーション間との文字列複写ができる。
- Windows共有フォルダを経由する事によるファイルの共有。
- Windows用のプリンタドライバを使用した印刷。
- VMware Playerを介したWindows周辺機器の利用。