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軍産複合体 - Wikipedia

軍産複合体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

軍産複合体(ぐんさんふくごうたい、英:Military-industrial complex)とは軍部軍需産業とが結びつき、政府に大きな影響を及ぼしている体制をさす。産軍複合体(さんぐんふくごうたい)、産軍共同体(さんぐんきょうどうたい)とも称する。

目次

[編集] 概要

この複合体は第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの新兵器開発に対抗するために形成され始めた。この体制は大戦終結とともに解体されるべきだったが、ソ連との対立が始まったためより重要性が増し、冷戦を通して拡大を続けて政府やアメリカ社会に巨大な影響力を持つにいたった。

アメリカアイゼンハワー大統領1961年、離任演説の際に用いて、肥大化する合衆国の軍需産業と軍およびその癒着構造に警戒するよう呼びかけた。軍歴によって知名度を得ていたアイゼンハワー大統領自身によってこのような発言がなされたことは大きな意味を持つ。当時はさしたる反応もなかったが、アメリカが世界各地の戦争・紛争に介入し、特にイラク戦争以降、注目されるようになった。

長年に渡りアメリカ政府と軍需産業の癒着が続いた結果、アメリカのほぼ全ての州に軍需産業が存在し巨大な利権を生む構造が出来上がっており各州の国会議員は圧力団体として彼らの意見を無視する事はできなくなっている。この複合体の意向が合衆国の介入する戦争紛争を増加させていると指摘される。ベトナム戦争反対派だったケネディ大統領の暗殺事件にも軍産複合体に属する勢力の意向が関わっていたのではないかとする一説がある。

マルクス主義の視点からは、アドルフ・ヒトラーがドイツの金融資本と結託して世界を第二次世界大戦へと誘導し、また日本でも三井三菱住友などの財閥が日本軍上層部に深く根付き日中戦争へと誘導したとする説も唱えられている。

[編集] アイゼンハワー大統領の退任時の1961年1月と2007年現在のアメリカの差異

  • アイゼンハワー大統領が退任演説で警告したような、軍産複合体が政府・議会・法人・個人・その他の国のあらゆる分野に影響を与え、アメリカの政府・議会・法人・個人に戦争を支持させ、戦争を遂行させる支配力・影響力があるという状況は、ベトナム戦争から撤退した1973年以後、冷戦が終結した1989年以後から、2007年現在までのアメリカには存在しないと言う見方もある。なぜなら、軍産複合体が政府・議会・法人・個人・その他の国のあらゆる分野に影響を与えて戦争を起こしていると言う認識・主張は、社会科学的に必要で十分な根拠によって証明された実績は無く、仮説としての証明の積み重ねも無く、客観的で具体的な根拠がなく、論者の主観的な思い込みを主観的・抽象的に表現したものであり、それ以外の何ものでもないからである。
  • 2007年現在のアメリカにおいて、軍産複合体が政府・議会・法人・個人・その他の国のあらゆる分野に影響を与え、アメリカの政府・議会・法人・個人に戦争を支持させ、戦争を遂行させる支配力・影響力は無く、アメリカ経済にとって軍需産業は主要な比率を持つ構成要素ではないマイナーな産業であり、軍需産業と軍産複合体のアメリカに対する影響力は軍需産業より市場規模・雇用規模が大きい産業と比較して限定的であり、アメリカにおいてはGDPと政府支出に対する軍事支出の比率も、総人口・就業人口に対する軍人数・国防総省の雇用者数・軍需産業の雇用者数の比率も、1940年代前半の第二次世界大戦を頂点に、1950年代前半の朝鮮戦争、1960年代のベトナム戦争、2000年代のアフガニスタン侵攻・イラク侵攻などで一時的に増加することはあっても、1940-1950-1960-1970-1980-1990-2000年代と長期の時系列で観察すれば著しい低下傾向であることは、アメリカ政府が公開している各種の統計資料により証明されている。
  • 2007年現在のアメリカにおいて、軍需産業の市場規模、特に軍隊固有の需要である軍需兵器産業(狭義の軍需産業)は、製品・サービスの付加価値は大きいが、製品・サービスの普遍性が小さく、製品・サービスの生活・産業に対する必需性が小さいので、自動車、電気・光学機器、コンピュータ、金属素材・製品、化学素材・製品、医薬・衛生・バイオ製品、食料品・飲料品、住宅・建設、燃料・エネルギー資源などの、製品・サービスの普遍性が大きく、製品・サービスの生活・産業に対する必需性が大きく、製品・サービスの付加価値も大きい産業と比較すると、市場規模が小さく、雇用規模が小さく、経営規模が小さく、第二次産業の中で前記の各産業と比較して売上高に対する利益率は平均的水準または平均未満であり、売上に対する利益率が10%以上になる企業は一部の例外的企業であり、大部分の企業は売上に対する利益率は10%未満であることは、各社が公開している経営報告書や、新聞・経済誌が報道している各企業・各種産業の業績に関する報道により証明されている。
  • 一般論として、政府予算の90%、GDPの60%、就業人口の60%が軍需関連である場合なら、軍需産業に依存し軍産複合体に支配された国という評価は適切である。例えば、政府予算の70%、GDPの30%、就業人口の30%が軍需関連である場合なら、軍需産業に依存し軍産複合体の影響が著しく強い国という評価は適切である。例えば、政府予算の50%、GDPの20%、就業人口の20%が軍需関連である場合なら、軍需産業に依存し軍産複合体の影響が強い国という評価は適切である。
  • 20-21世紀の現代では一般的に、国の経済を構成する産業のGDPと就業人口に対する比率、政府の事業構成と予算割当て比率は10年、20年、30年、40年、50年、60年という長期の時系列の中では大きく変動する。
  • アイゼンハワー大統領の在職期間の最初の年度である1953年は朝鮮戦争を終結した年であり、最後の年度である1960年度は非戦争時であり、2006年度はイラクとアフガニスタンに大規模な軍を派遣して戦闘中であるが、1953年度・1960年度と2006年度の、国の経済と政府の支出と就業人口に対する軍需・軍事の比率・重みを比較すると、2006年度は1953年度・1960年度より著しく低下している。
    • アメリカ政府の行政予算管理局が公開している予算・収入・支出の統計による、1940-2006年のアメリカの軍需経済と軍事政策#アメリカの政府支出の分野別支出と政府総支出・GDPに対する比率の推移を見ると、GDPと政府支出に対する軍事支出の比率は、第二次世界大戦時、朝鮮戦争時、ベトナム戦争時、冷戦時代の非戦争時と比較して、冷戦終結後は著しく低下し、GDPや政府支出の最大の比率を占める要素ではなく、主要な比率を占める要素でもない。1953年度の軍事支出はGDPに対して14.2%、政府支出に対して69.4%であり、1960年度の軍事支出はGDPに対して9.3%、政府支出に対して52.2%であり、2006年度の軍事支出はGDPに対して4.0%、政府支出に対して19.7%である。
    • アメリカ政府の行政予算管理局が公開している予算・収入・支出の統計による、1962-2006年のアメリカの軍需経済と軍事政策#アメリカの軍事支出の分野別支出と軍事総支出・GDPに対する比率の推移を見ると、GDPと軍事総支出に対する武器購入費の比率は、ベトナム戦争時、冷戦時代の非戦争時と比較して、冷戦終結後は著しく低下し、GDPや軍事支出の最大の比率を占める要素ではなく、主要な比率を占める要素でもない。1962年度の武器購入費はGDPに対して2.5%、軍事支出に対して27.8%、2006年度の武器購入費はGDPに対して0.7%、軍事支出に対して17.2%である。
    • アメリカ政府の国防総省が公開している国防に関する予算・収入・支出の統計による、1940-2006年のアメリカの軍隊・国防総省・軍需産業の雇用者数の推移を見ると、総人口と就業人口に対する軍人数、軍人数+国防総省の雇用者数、軍需産業の雇用者数、軍人数+国防総省の雇用者数+軍需産業の雇用者数の比率は、第二次世界大戦時、朝鮮戦争時、ベトナム戦争時、冷戦時代の非戦争時と比較して、冷戦終結後は著しく低下し、総人口や就業人口の最大の比率を占める要素ではなく、主要な比率を占める要素でもない。1953年の軍人数+国防総省の雇用者数は総人口に対して3.0%、就業人口に対して7.8%、軍需産業の雇用者数は総人口に対して2.6%、就業人口に対して6.6%であリ、1960年度の軍人数+国防総省の雇用者数は総人口に対して1.9%、就業人口に対して5.2%、軍需産業の雇用者数は総人口に対して1.4%、就業人口に対して3.7%であリ、2006年度の軍人数+国防総省の雇用者数は総人口に対して0.7%、就業人口に対して1.5%、軍需産業の雇用者数は総人口に対して1.2%、就業人口に対して2.5%である。
  • 1970年代-2000年代のアメリカは、GDPと政府支出に対する軍事支出の比率、GDPと軍事支出に対する武器購入費の比率、総人口と就業人口に対する軍人数、軍人数+国防総省の雇用者数、軍需産業の雇用者数、軍人数+国防総省の雇用者数+軍需産業の雇用者数の比率は、軍需産業に依存し軍産複合体に支配された国という評価も、軍需産業に依存し軍産複合体の影響が著しく強い国という評価も、軍需産業に依存し軍産複合体の影響が強い国という評価も、政府機関・公的機関の資料による客観的・具体的な統計数値に基づいて正確に表現したものではない主観的・抽象的な表現であり、正確な認識ではなく実態より過大視した誤認であり、事実ではなく妄想である。

[編集] 軍事支出・軍需経済・軍需産業の関係性・依存性

  • 顧客・市場に対する関係性・依存性
    • 産業・経済の市場規模は、(1)製品・サービスの顧客層の普遍性の大小、(2)製品・サービスの生活・産業に対する必需性の大小、(3)製品・サービスの付加価値の大小、前記三要素の相乗関係により規定される。
    • 軍隊固有の需要に基づく産業(狭義の軍需産業=武器・軍事システム産業)は軍隊以外に顧客は存在しない。軍隊固有の需要に基づく産業は、製品・サービスの顧客層の普遍性は小、製品・サービスの生活・産業に対する必需性は小、製品・サービスの付加価値は大、前記三要素の相関関係による市場規模は、第二次産業に分類される他の産業と比較すると、エネルギー資源、建設、自動車、日常生活用電機、コンピュータ、医薬品、食料、飲料に対しては、顧客層の普遍性、生活・産業に対する必需性の二要素が著しく小さく、機械部品、金属、化学に対しては、顧客層の普遍性、生活・産業に対する必需性の二要素が小さく、第二次産業に分類される産業の中での市場規模は比較的小さい。
  • 経済・財政に対する関係性・依存性
    • 軍隊の予算・収入・支出は政府の予算・収入・支出の一部であり、政府の予算・収入・支出は国民や法人の納税が主要な収入源なので、国民の生活や軍事兵器産業以外の産業が疲弊・衰退し、GDPと国民一人あたりのGDPや雇用人口や雇用者に対する労働分配率が減少したなら、個人と法人の所得に対する納税も、個人と法人の消費に対する納税も減収し、政府の予算・収入・支出も軍隊の予算・収入・支出も必然的に削減されるので、軍隊の予算・収入・支出は経済的・財政的には、個人の職業・収入・納税・生活・消費、法人の事業・収入・納税・投資・消費の集合体に依存して成り立っている。
    • ストックホルム国際平和研究所の統計によると、2005年度の世界の軍事に関する総支出は11,180億ドル、2004年度から3.4%増加、1996-2005年の10年間で34%増加であり、2005年度の世界のGDPに対する世界の軍事に関する総支出の比率は2.5%である。
  • 技術・産業に関する関係性・依存性
    • 現在の軍需兵器・システムは、先端技術を実装した金属・化学素材、電子・光学・精密機器とそれらの部品・構成要素部品、サーバー・クライアント・組み込みコンピュータ、ハードを制御するOSやドライバソフト、各種のアプリケーション・シミュレーションソフト、データ処理システムの複合体であり、軍隊固有の需要に基づく産業(狭義の軍需産業=武器・軍事システム産業)はそれらの先端技術と製品の供給が無ければ最終消費財としての軍需兵器を製造できず、軍隊固有の需要に基づく産業(狭義の軍需産業=武器・軍事システム産業)はそれらの先端技術と製品を開発し製造する産業に技術的・産業的に依存して成り立っている。
  • 戦争・武力紛争・武力行使に対する関係性・依存性
    • 武器の購入・更新・改装・補修は戦時だけに固有の経済・産業ではなく、戦時でも平時でも購入・更新・改装する経済・産業である。なぜなら、武器には物理的・化学的な耐用時間・耐用年数があり、性能の優位性を維持できる時間は技術革新により有限であり、弾薬・燃料などの消耗品は有効に使用できる期間は耐久消費財の武器より短期間であり、武器の稼働率や有効性を考慮するなら、戦争をしていなくても武器の購入・更新・改装の需要は定期的に発生する経済・産業である。具体的には、日本の自衛隊は創設以来一度も武力行使をしていないが、陸上・海上・航空自衛隊の装備は創設当時から現在まで、時代ごとに新規の武器・軍事システムを購入し、一定の期間内に演習で消耗品を使用するかまたは使用せずに破棄し、既存の武器・軍事システムの改装もしているので、広義の定義でも狭義の定義でも、軍需経済・軍需産業は戦時時であるか非戦争時であるかに関わらず発生する。軍隊に固有の需要ではない広義の軍需産業はもちろん、軍隊に固有の需要である狭義の軍需産業も、戦争がなくても事業や経営を維持できるのだから、国・政府・議会・軍需産業は、軍需産業の売上げと利益ために戦争をするという認識は偏った見方による誤認であり真実ではない。
  • 国家・社会に対する関係性・依存性
    • 国の行政・予算・収入・支出、法人の事業・収入・納税・投資・消費、国民の職業・収入・納税・生活・消費が、国のGDP・就業人口を構成する産業の中で少数の一部にすぎない軍需産業に依存して成り立ち、国家と経済と法人と国民が軍需産業軍産複合体に支配されているという認識は、公的機関が公開している客観的で具体的な事実および包括的な歴史的事実に基づいて検証され証明されたものではなく、軍需産業が他の産業の技術と生産および個人や法人の経済活動に依存して成り立っていることが真実である。
    • 国の産業・経済の相互影響の関係性、投入算出係数は産業連関分析により表現されるが、アメリカ、日本、ドイツ、中国、イギリス、フランス、イタリア、ロシア、カナダ、スペイン、ブラジル、メキシコなどの経済規模が大きい国もそれ以外の国々も、市場規模、技術的影響効果、商品的影響効果のいずれにおいても、軍需産業が他の全ての産業の存立の基盤となっている国は実態として存在せず、軍需産業は技術的・産業的・財政的のいずれの要素においても、先端技術を開発する企業・研究所・教育機関、先端技術を実装した製品を製造する産業、個人の職業・収入・納税・生活・消費、法人の事業・収入・納税・投資・消費、国の行政・予算・収入・支出の基盤に依存して成り立っている。

[編集] 国民、経済、財政、議会、政府、国家に対する軍需産業の影響力

  • 国民、経済、財政、議会、政府、国家に対する産業の影響力は、一般的には、産業の市場規模・雇用規模、GDPと就業人口に対する比率により規定される。一般的に産業の市場規模・雇用規模が大きいほど、GDPと就業人口に対する比率が大きいほど、国民、経済、財政、議会、政府、国家に対する産業の影響力は大きくなる。
  • 軍隊固有の需要に基づく産業(狭義の軍需産業=武器・軍事システム産業)は、製品・サービスの付加価値は大きいが、製品・サービスの顧客層の普遍性は小さく、製品・サービスの生活・産業に対する必需性は小さいので、自動車、電気機器・光学機器、コンピュータ、生産機器・産業機器、機械部品・構成部品、金属素材・製品、化学素材・製品、医薬・衛生・バイオ製品、飲料品・食料品、住宅・建設、燃料・エネルギー資源などの産業のように、製品・サービスの顧客層の普遍性が大きく、製品・サービスの生活・産業に対する必需性が大きく、製品・サービスの付加価値が大きい産業と比較すると市場規模・雇用規模が小さく、国民、経済、財政、議会、政府、国家に対する産業の影響力は小さい。
  • 軍需産業の経営を、ストックホルム国際平和研究所、Forbesの世界の企業リスト、軍需企業のAnnual Reportのデータから編集した、世界の軍需売上高の上位企業の経営状況、世界の軍需売上高の上位企業の売上の時系列の推移で検証すると、軍需産業は非軍需産業と比較して利益率や経営安定性が高いという傾向は検出されない。
  • 2007年の現代において、軍事に関する分野別支出の総支出に対する構成比率を検証すると、軍隊に固有の要因により発生する需要である狭義の軍需経済・軍需産業の比率は、2006年度のアメリカの場合は武器購入費が17.2%+研究開発費が13.2%=30.4%であり、2006年度の日本の場合は武器購入費17.9%+研究開発費3.6%=21.5%であり、武器購入費と研究開発費以外の人件費、運営管理費、軍事建設費などの費用は軍隊以外でも普遍的または広範に必要な経済・需要であり、広義の軍需・形式上の軍事支出には該当するが本質的な意味での軍需ではない。
  • 2007年の現代において、国の経済が軍需産業に依存している状態、政治・経済・社会が軍産複合体に支配されている状態が恒常的に継続していると、社会科学的に検証され証明されている国は世界に存在しない。
  • 戦争や武力行使で軍事的に目的を達成することと政治的な目的の達成は同義ではない。世界史の事例として、軍事的に目的を達成したが政治的な目的を達成できなかった事例も、軍事的に目的を達成できなかったが政治的な目的は達成した事例も多数あるから、政府や議会の多数派が政策の選択肢として、戦争や武力行使を常に最優先に考えているわけではなく、戦争や武力行使以外の方法を軽視しているわけでもない。

[編集] 軍需依存経済、軍産複合体による支配、軍需産業のための戦争と言う認識

  • 経済や雇用に対する軍需産業の比率が大きい国、軍需産業の規模が大きい国、特にアメリカ合衆国は、国の経済の維持・発展のため、軍需産業の利益のために、必要不可欠な公共事業として戦争を積極的に推進するという認識は、社会科学的に必要で十分な証明が無く、仮説としての証明の積み重ねもなく、客観的で具体的な根拠がなく、主観的で抽象的な表現である。
  • 武器や軍事システムの発注は、議会に承認された予算と軍の装備更新計画に基づいて、複数年継続して発注・購買する方法が通例であり、戦争時と非戦争時で大きく変動するものではない。議会が軍の予算をどの程度承認するかしないかは、国際情勢と軍事政策と財政事情の相関関係で決定される。戦争をしなくても武器や軍事システムは軍事力の有効性を維持するために定期的に新製品に更新する。消耗品や使用期限がある製品は演習や廃棄処分により償却する。軍事支出の構成の中で戦争時に最も増加する要素は戦費(分類上は運営管理費)であり武器購入ではない。前記の諸理由により、戦争の目的が軍需兵器産業の利益のためという認識も、戦争を終結させようとする大統領を暗殺するという仮説も論拠として成り立たない。
  • 2007年の現代において、購買力平価基準の国民一人あたりのGDPが20,000ドル以上の経済的に豊かな国の軍事に関する総支出の分野別構成比は、アメリカや日本の軍事に関する総支出の分野別構成比と類似する範囲内であり、軍事に関する総支出の軍隊に固有の要因により発生する需要である狭義の軍需経済・軍需産業の比率は高くても30%台であり、軍事に関する総支出の大部分は武器購入費と研究開発費以外の人件費、運営管理費、軍事建設費などの費用は軍隊以外でも普遍的または広範に必要な経済・需要である。
  • 国の経済と財政に対する軍需産業の影響を、アメリカ政府の行政予算管理局、アメリカ商務省の経済統計局、アメリカ国防総省の予算管理局の統計資料に基づく、アメリカの軍需経済と軍事政策#アメリカの政府支出の分野別支出と政府総支出・GDPに対する比率アメリカの軍需経済と軍事政策#アメリカの軍事支出の分野別支出と軍事総支出・GDPに対する比率アメリカの経済と経済政策#アメリカの経済・財政・貿易統計の長期的推移を検証すると、軍事支出・軍需産業の政府支出、国のGDP、労働人口・総人口に対する比率は、1941年-1945年の第二次世界大戦期、1946年-1949年の非戦時期、1950年-1953年の朝鮮戦争期、1953年-1960年の非戦時期、1961年-1973年のベトナム戦争期、1974年-1990年の非大規模戦時期、1991年の湾岸戦争期、1992-2001年の冷戦終結後の世界的軍縮期、2002年以後のアフガニスタン戦争・イラク戦争期と時代区分ごとに見ると、戦時期は非戦時期より一時的に増大するが、長期的には減少傾向であり、1990年代-2000年代の現在において、軍事支出・軍需産業は政府支出、国のGDP、労働人口・総人口に対して主要な比率ではない。
  • 1940-2006年のアメリカの軍需経済と軍事政策#アメリカの政府支出の分野別支出と政府総支出・GDPに対する比率の歴史的推移、1940-2006年のアメリカの軍需経済と軍事政策#アメリカの軍事支出の分野別支出と軍事総支出・GDPに対する比率の歴史的推移を検証すると、第二次世界大戦時のような軍事偏重体制は、戦争のために短期的に軍事偏重政策を遂行することはできても、軍事以外の分野が軽視されるので、長期間継続しようとすると経済的に破綻し、いかなる国でも長期間継続することは不可能である。
  • 戦争開始前の政治的な紛争による軍事的な対立・緊張・脅威が増大している状況でも、戦争遂行中でも、戦争や武力行使に反対する勢力と戦争や武力行使に反対する運動は存在し、ベトナム戦争はアメリカ国民からの撤退要求でジョンソン大統領が再選への立候補を断念し、結果としてニクソン大統領の時代に撤退した事例、イラク戦争でも2006年の中間選挙においてブッシュ大統領の政策に対する国民の反対の意思表示として、連邦議会が上院も下院も民主党が多数派を奪回した事例のように、軍産複合体が国民、経済、財政、議会、政府、国家を思いどおりに支配し操作する能力は無い。
  • 軍産複合体がアメリカを支配しているなら、アメリカの経済が軍需産業に依存しているなら、アメリカの経済が戦争や武力行使により成り立つなら、戦争や武力行使をしないことよりも戦争や武力行使をすることがアメリカの経済の発展に有利なら、アメリカは常に戦争や武力行使を積極的に推進する勢力が国・社会・政府・議会を多数派として支配し、常に戦争や武力行使をしているはずだが、現実は戦争や武力行使をしている期間よりも戦争や武力行使をしていない期間のほうが長期間である。アメリカの戦争と外交政策の歴史を検証すると、アメリカが頻繁に戦争や武力行使を繰り返してきたことは事実であるが、戦争や武力行使以外の方法で問題解決・目的実現をしようとした事例も、戦争や武力行使以外の方法で問題解決・目的実現した事例も多数ある。

[編集] 世界各国のGDPに対する軍事支出比率、GDPと就業人口の産業別の構成比率

  • 軍需経済・軍需産業が国のGDP、GDPの産業別構成比率、就業人口の産業別構成比率に対してどの程度の比率があり影響力があるかを検証する資料として、CIA World Fact Bookの統計による、為替レート基準と購買力平価基準のGDP、購買力平価基準の国民一人当たりのGDP、為替レート基準のGDPの実質成長率、為替レート基準のGDPに対する軍事支出の比率、GDPと就業人口の第一次産業、第二次産業、第三次産業別の構成比率を、軍隊または武装組織を保有し、政府の支出としての軍事支出・国防支出を公表しているか、または推測されている国を、GDPに対する軍事支出・国防支出の比率が高い順に表として編集した。
2006年の世界各国のGDPに対する軍事支出比率、GDPと就業人口の産業別の構成比率
順位 GDP 失業率 軍事費 産業別GDP構成率 産業別就業人口構成率
為替率 購買力 一人当 成長率 GDP比 一次 二次 三次 一次 二次 三次
1 ルワンダ 19 135 1,600 5.8 NA 13.3 39.4 23.3 37.3 90.0 NA NA
2 オマーン 272 438 14,100 6.6 15.0 11.4 2.6 38.8 58.7 NA NA NA
3 ヨルダン 123 288 4,900 4.6 15.4 10.6 3.6 30.5 65.9 5.0 12.5 82.5
4 カタール 307 260 29,400 7.1 3.2 10.0 0.1 77.2 22.6 NA NA NA
5 サウジアラビア 2,862 3,740 13,800 5.9 13.0 10.0 3.3 67.0 29.8 12.0 25.0 63.0
6 イスラエル 1,216 1,663 26,200 4.8 8.3 9.0 2.6 30.8 66.6 1.8 28.8 69.4
7 エリトリア 12 44 1,000 2.0 NA 7.8 9.9 25.4 64.6 80.0 NA NA
8 イラク 406 879 2,900 2.4 30.0 7.5 7.3 66.6 26.1 NA NA NA
9 イエメン 151 203 900 3.2 35.0 7.0 12.5 43.8 43.7 NA NA NA
10 モーリタニア 16 83 2,600 19.4 20.0 6.7 25.0 29.0 46.0 50.0 10.0 40.0
11 アンゴラ 283 519 4,300 14.0 NA 6.6 9.6 65.8 24.6 85.0 NA NA
12 マケドニア 62 169 8,200 3.2 36.0 6.0 9.0 29.0 62.0 21.7 32.6 45.7
13 ブルンジ 7 57 700 5.0 NA 5.9 44.9 20.9 34.1 93.6 2.3 4.1
14 シリア 272 751 4,000 2.9 12.5 5.9 25.5 22.1 52.4 26.0 14.0 60.0
15 クウェート 583 421 21,600 8.0 2.2 5.9 0.4 48.3 51.3 NA NA NA
16 ブルネイ 95 95 25,600 0.4 4.0 5.8 0.9 71.6 27.5 2.9 61.1 36.0
17 モルジブ 9 12 3,900 18.0 NA 5.5 16.0 7.0 77.0 22.0 18.0 60.0
18 トルコ 3,582 6,272 8,900 5.2 10.2 5.3 11.2 29.2 59.4 35.9 22.8 41.2
19 モロッコ 567 1,470 4,400 6.7 7.7 5.0 13.3 31.2 55.5 40.0 15.0 45.0
20 バーレーン 121 177 25,300 7.6 15.0 4.9 0.5 38.7 60.8 1.0 79.0 20.0
21 シンガポール 1,215 1,386 30,900 7.4 3.1 4.9 0.0 33.8 66.2 0.0 36.0 64.0
22 スワジランド 22 59 5,500 2.0 40.0 4.9 8.6 49.7 41.7 NA NA NA
23 チャド 52 152 1,500 7.0 NA 4.6 32.5 26.6 40.8 80.0 NA NA
24 ボスニア 91 248 5,500 5.3 45.5 4.5 14.2 30.8 55.0 NA NA NA
25 パキスタン 1,240 4,273 2,600 6.5 6.5 4.5 22.0 26.0 52.0 42.0 20.0 38.0
26 コンゴ共和国 50 49 1,300 6.0 NA 4.3 6.2 55.3 38.5 NA NA NA
27 中国 25,120 100,000 7,600 10.5 4.2 4.3 11.9 48.1 40.0 45.0 24.0 31.0
28 ギリシャ 2,325 2,517 23,500 4.1 9.2 4.3 5.1 20.6 74.4 12.0 20.0 68.0
29 ジブチ 7 6 1,000 3.2 50.0 4.1 17.9 22.5 59.6 NA NA NA
30 アメリカ 132,200 129,800 43,500 3.2 4.8 4.0 0.9 20.4 78.6 0.7 22.9 76.4
31 コートジボアール 171 284 1,600 1.2 13.0 4.0 27.0 18.5 54.5 NA NA NA
32 エチオピア 13.3 71.6 1,000 9.6 NA 3.9 46.7 12.9 40.4 NA NA NA
33 リビア 348 749 12,700 8.1 30.0 3.9 7.3 51.3 41.4 17.0 23.0 59.0
34 ナミビア 53 150 7,400 4.1 5.3 3.9 11.8 30.2 58.1 47.0 20.0 33.0
35 タジキスタン 20 94 1,300 7.0 12.0 3.9 22.7 28.5 48.8 67.2 7.5 25.3
36 キューバ 400 445 3,900 7.5 1.9 3.8 5.1 27.2 67.6 20.0 19.4 60.6
37 キプロス 163 177 22,700 3.7 5.5 3.8 3.7 19.6 76.8 7.4 38.8 54.4
38 ジンバブエ 31 250 2,000 -4.4 80.0 3.7 17.7 22.9 59.4 66.0 10.0 24.0
39 アルジェリア 922 2,534 7,700 5.6 15.7 3.6 9.4 58.1 32.5 14.0 23.4 62.6
40 アルメニア 66 159 5,400 13.4 7.4 3.5 17.7 42.0 40.3 45.0 25.0 30.0
41 ボツワナ 96 187 11,400 4.7 23.8 3.5 2.4 46.9 50.7 NA NA NA
42 ソロモン諸島 2 8 600 4.4 NA 3.5 42.0 11.0 47.0 75.0 5.0 20.0
43 コロンビア 1,055 3,667 8,400 5.4 11.1 3.4 12.0 35.2 52.7 22.7 18.7 58.5
44 エジプト 845 3,281 4,200 5.7 10.3 3.4 14.7 35.5 49.8 32.0 17.0 51.0
45 トルクメニスタン 161 451 8,900 13.0 60.0 3.4 24.4 33.9 41.7 48.2 13.8 37.0
46 ガボン 70 102 7,200 2.8 21.0 3.4 5.9 59.7 34.4 60.0 15.0 25.0
47 スリランカ 274 933 4,600 6.3 7.6 3.3 17.3 27.3 55.3 34.3 25.3 40.4
48 イラン 1,948 6,104 8,900 5.0 15.0 3.3 11.2 41.7 47.1 30.0 25.0 45.0
49 アラブ首長国 1,640 1,294 49,700 10.2 2.4 3.1 2.3 61.9 35.8 7.0 15.0 78.0
50 ギニアビサウ 2 12 900 2.9 NA 3.1 62.0 12.0 26.0 82.0 NA NA
51 レバノン 196 214 5,500 -5.0 20.0 3.1 7.0 21.0 72.0 NA NA NA
52 カンボジア 66 367 2,600 13.4 2.5 3.0 35.0 30.0 35.0 75.0 NA NA
53 スーダン 255 960 2,300 9.6 18.7 3.0 35.5 24.8 39.7 80.0 7.0 13.0
54 インドネシア 2,644 9,350 3,800 5.4 12.5 3.0 13.1 46.0 41.0 43.3 18.0 38.7
55 韓国 8,974 11,800 24,200 4.8 3.3 3.0 3.0 45.0 52.0 6.4 26.4 67.2
56 ケニア 173 407 1,200 5.5 40.0 3.0 16.3 18.8 65.0 75.0 NA NA
57 エクアドル 325 604 4,500 3.6 10.6 2.9 6.3 33.5 60.2 8.0 24.0 68.0
58 ザンビア 58 115 1,000 6.0 50.0 2.9 19.9 28.9 51.2 85.0 6.0 9.0
59 レソト 14 51 2,600 1.7 45.0 2.8 16.1 43.0 40.9 86.0 NA NA
60 インド 7,961 40,420 3,700 8.5 7.8 2.7 19.9 19.3 60.7 60.0 12.0 28.0
61 アゼルバイジャン 140 581 7,300 32.5 1.2 2.6 14.1 45.7 40.2 41.0 7.0 52.0
62 ブルガリア 278 771 10,400 6.5 9.6 2.6 13.6 32.1 54.3 8.5 33.6 57.9
63 フランス 21,540 18,710 30,100 2.3 8.7 2.6 2.2 20.6 77.2 4.1 24.4 71.5
64 ブラジル 9,436 16,160 8,600 2.8 9.6 2.6 8.0 38.0 54.0 20.0 14.0 66.0
65 オーストラリア 6,453 6,663 32,900 2.8 4.9 2.5 3.8 26.2 70.0 3.6 21.2 75.2
66 ベトナム 482 2,586 3,100 7.8 2.0 2.5 20.1 41.8 38.1 56.8 37.0 6.2
67 シエラレオネ 12 53 900 6.8 NA 2.5 49.0 31.0 21.0 NA NA NA
世界平均(SIPRI) 466,600 650,000 10,000 5.1 30.0 2.5 4.0 32.0 64.0 41.0 20.7 38.4
68 ルーマニア 791 1,973 8,800 6.4 6.1 2.4 10.1 34.7 55.2 31.6 30.7 37.7
69 台湾 3,539 6,683 29,000 4.4 3.9 2.4 1.5 25.2 73.3 5.5 36.0 58.5
70 ウガンダ 85 518 1,800 5.0 NA 2.4 29.4 22.1 48.5 82.0 5.0 13.0
71 イギリス 23,410 19,030 31,400 2.7 2.9 2.4 1.0 25.6 73.4 1.5 19.1 79.5
72 クロアチア 373 594 13,200 4.4 17.2 2.3 6.8 30.9 62.3 2.7 32.8 64.5
73 ポルトガル 1,766 2,031 19,100 1.4 7.6 2.3 6.6 28.6 64.9 10.0 30.0 60.0
74 コモロ 4 4 600 3.0 20.0 2.2 40.0 4.0 56.0 80.0 NA NA
75 フィジー 20 55 6,100 2.7 7.6 2.2 8.9 13.5 77.6 70.0 NA NA
76 ミャンマー 96 838 1,800 2.6 10.2 2.1 50.0 15.0 35.0 70.0 7.0 23.0
77 コンゴ民主共和国 80 446 700 7.5 NA 2.1 55.0 11.0 34.0 NA NA NA
78 マレーシア 1,318 3,088 12,700 5.5 3.5 2.0 8.3 48.1 43.6 13.0 36.0 51.0
79 ボリビア 102 272 3,000 3.3 7.8 2.0 12.8 36.1 51.2 NA NA NA
80 ウズベキスタン 107 548 2,000 6.8 3.0 2.0 31.1 25.7 43.2 44.0 20.0 36.0
81 世界平均(CIA WFB) 466,600 650,000 10,000 5.1 30.0 2.0 4.0 32.0 64.0 41.0 20.7 38.4
82 ベネズエラ 1,479 1,764 6,900 8.8 8.9 2.0 3.7 41.0 55.3 13.0 23.0 64.0
83 セイシェル 7 6 7,800 -1.0 NA 2.0 3.2 30.1 66.7 NA NA NA
84 マリ 58 145 1,200 5.1 14.6 2.0 45.0 17.0 38.0 80.0 NA NA
85 フィンランド 1,962 1,717 32,800 4.9 7.0 2.0 2.7 30.3 67.0 4.4 10.4 85.2
86 エストニア 136 260 19,600 9.8 4.5 2.0 3.4 28.0 68.6 11.0 20.0 69.0
87 アフガニスタン 88 215 800 8.4 40.0 1.9 38.0 24.0 38.0 80.0 10.0 10.0
88 セネガル 85 220 1,800 4.9 48.0 1.9 18.3 19.2 62.5 77.0 NA NA
89 南アフリカ 2,005 5,764 13,000 4.5 25.5 1.9 2.6 30.3 67.1 30.0 25.0 45.0
90 ノルウェー 2,617 2,073 47,800 3.0 3.5 1.9 2.3 41.4 56.3 4.0 22.0 74.0
91 リトアニア 302 540 15,100 7.4 3.7 1.9 5.5 33.3 61.2 15.8 28.2 56.0
92 ガイアナ 8 36 4,700 3.2 NA 1.9 35.5 19.3 45.2 NA NA NA
93 スロバキア 469 963 17,700 6.4 10.2 1.8 3.8 31.4 64.8 5.8 14.8 79.4
94 チェコ 1,189 2,214 21,600 6.2 8.4 1.8 2.8 37.8 59.4 4.1 37.6 58.3
95 ベリーズ 11 23 8,400 3.5 9.4 1.8 22.5 14.8 62.6 22.5 15.2 62.3
96 タイ 1,966 5,859 9,100 4.4 2.1 1.8 10.0 44.9 45.2 49.0 14.0 37.0
97 イタリア 17,800 17,270 29,700 1.6 7.0 1.8 2.0 29.1 69.0 5.0 32.0 63.0
98 ベニン 46 89 1,100 4.0 NA 1.8 32.8 13.7 53.5 NA NA NA
99 ギニア 36 194 2,000 2.0 NA 1.8 23.7 36.1 40.2 76.0 NA NA
100 ハンガリー 1,131 1,727 17,300 3.8 7.4 1.7 3.1 32.1 64.8 5.5 33.3 61.2
101 ポーランド 3,370 5,426 14,100 5.3 14.9 1.7 4.8 31.2 64.0 16.1 29.0 54.9
102 ネパール 71 428 1,500 2.4 42.0 1.7 38.0 20.0 42.0 76.0 6.0 18.0
103 ウルグアイ 143 465 10,700 7.0 10.8 1.7 9.3 33.7 57.0 14.0 16.0 70.0
104 スロベニア 376 471 23,400 4.4 9.6 1.7 2.3 34.1 63.6 4.8 39.1 56.1
105 バングラデシュ 690 3,308 2,200 6.1 2.5 1.6 19.9 20.6 59.5 63.0 11.0 26.0
106 タンザニア 131 292 800 5.8 NA 1.6 43.3 17.7 39.0 80.0 NA NA
107 トーゴ 21 92 1,700 3.0 NA 1.6 39.5 20.4 40.1 65.0 5.0 30.0
108 ペルー 760 1,818 6,400 6.5 7.2 1.6 8.5 26.4 65.0 9.0 18.0 73.0
109 オランダ 6,127 5,120 31,700 2.9 5.5 1.6 2.1 23.9 73.9 2.0 19.0 79.0
110 ナイジェリア 833 1,885 1,400 5.3 5.8 1.6 17.3 53.2 29.5 70.0 10.0 20.0
111 デンマーク 2,563 1,985 37,000 3.0 3.8 1.5 1.4 24.6 74.0 3.0 21.0 76.0
112 チュニジア 329 878 8,600 4.0 13.9 1.5 12.8 31.0 56.2 55.0 23.0 22.0
113 スウェーデン 3,715 2,851 31,600 4.2 5.6 1.5 1.1 28.1 70.9 2.0 24.0 74.0
114 ドイツ 28,900 25,850 31,400 2.2 7.1 1.5 0.9 29.1 70.0 2.8 33.4 63.8
115 カザフスタン 22 104 2,000 2.0 7.4 1.4 34.5 19.5 46.1 55.0 15.0 30.0
116 モンゴル 15 57 2,000 7.5 3.3 1.5 21.7 27.9 50.4 39.9 31.4 28.7
117 アルバニア 93 202 5,600 5.0 13.8 1.4 23.3 18.8 57.9 58.0 15.0 27.0
118 ベラルーシ 285 807 7,800 8.3 1.6 1.4 9.3 31.6 59.1 14.0 34.7 51.3
119 ウクライナ 815 3,558 7,600 7.0 2.7 1.4 17.5 42.7 39.8 25.0 20.0 55.0
120 パプア・ニューギニア 41 151 2,700 3.2 2.0 1.4 35.7 37.1 27.2 85.0 NA NA
121 マラウィ 21 80 600 7.0 NA 1.4 35.4 17.6 47.0 90.0 NA NA
122 キルギスタン 22 104 2,000 2.0 18.0 1.4 34.5 19.5 46.1 55.0 15.0 30.0
123 カメルーン 163 422 2,400 4.1 30.0 1.4 45.2 16.1 38.7 70.0 13.0 17.0
124 アルゼンチン 2,100 5,991 15,000 8.5 10.2 1.3 9.5 35.8 54.7 NA NA NA
125 ブルキナファソ 58 178 1,300 5.2 NA 1.3 32.6 19.7 47.7 90.0 NA NA
126 リベリア 9 29 1,000 6.7 85.0 1.3 76.9 5.4 17.7 70.0 8.0 22.0
127 ベルギー 3,678 3,304 31,800 2.5 8.1 1.3 1.0 24.0 74.9 1.3 24.5 74.2
128 ソマリア 24 50 600 2.6 NA 1.3 65.0 10.0 25.0 71.0 NA NA
129 ラトビア 161 350 15,400 10.2 6.5 1.2 3.7 26.3 70.0 13.0 19.0 68.0
130 スペイン 10,810 10,700 27,000 3.6 8.1 1.2 3.9 29.4 66.7 5.3 30.1 64.6
131 カナダ 10,890 11,650 35,200 2.8 6.4 1.1 2.3 29.2 68.5 2.0 23.0 75.0
132 フィリピン 1,169 4,431 5,000 5.4 7.9 1.1 14.2 32.1 53.7 36.0 15.0 49.0
133 パナマ 162 252 7,900 6.3 8.8 1.1 7.2 16.4 76.4 20.8 18.0 61.2
134 ニジェール 36 122 1,000 3.5 NA 1.1 39.0 17.0 44.0 90.0 6.0 4.0
135 マダガスカル 50 172 900 5.5 NA 1.1 26.9 16.5 56.6 NA NA NA
136 中央アフリカ 15 49 1,100 3.0 8.0 1.1 55.0 20.0 25.0 NA NA NA
137 ブータン 8 29 1,400 8.8 2.5 1.0 24.7 37.2 38.1 63.0 6.0 31.0
138 スイス 3,868 2,529 33,600 2.9 3.3 1.0 1.5 34.0 64.5 4.6 26.3 69.1
139 パラグアイ 76 306 4,700 4.0 9.4 1.0 22.4 18.4 59.2 45.0 NA NA
140 ニュージーランド 987 1,060 26,000 1.9 3.8 1.0 4.3 26.9 68.8 10.0 25.0 65.0
141 オーストリア 3,093 2,795 35,500 3.3 4.9 0.9 1.8 30.4 67.8 3.0 27.0 70.0
142 アイルランド 2,029 1,772 43,600 5.2 4.3 0.9 5.0 46.0 49.0 8.0 29.0 64.0
143 日本 49,110 42,200 33,100 2.8 4.1 0.9 1,6 25.3 73.1 4.6 27.8 67.7
144 モザンビーク 64 293 1,500 9.8 21.0 0.9 21.1 30.9 48.0 81.0 6.0 13.0
145 ルクセンブルク 343 326 68,800 5.7 4.1 0.9 1.0 13.0 86.0 1.0 13.0 86.0
146 ドミニカ共和国 199 737 8,000 7.2 16.0 0.9 11.2 30.6 58.2 17.0 24.3 58.7
147 ガーナ 101 591 2,600 5.7 20.0 0.8 37.3 25.3 37.5 60.0 15.0 25.0
148 トンガ 2 1 2,200 2.4 13.0 0.8 23.0 27.0 50.0 65.0 NA NA
149 サントメ・プリンシペ 0.7 2 1,200 4.4 NA 0.8 16.6 15.3 68.1 NA NA NA
150 カーボベルデ 11 31 6,000 5.5 21.0 0.7 12.1 21.9 66.0 NA NA NA
151 マルタ 53 81 20,300 1.3 6.8 0.7 3.0 23.0 74.0 3.0 22.0 75.0
152 ニカラグア 53 168 3,000 3.7 3.8 0.7 17.3 25.8 56.8 29.0 19.0 52.0
153 バハマ 61 64 21,300 4.0 10.2 0.6 3.0 7.0 90.0 5.0 5.0 90.0
154 ガンビア 4 32 2,000 5.0 NA 0.6 30.5 13.9 55.6 75.0 19.0 6.0
155 スリナム 13 30 7,100 5.0 9.5 0.6 13.0 22.0 65.0 8.0 14.0 78.0
156 ラオス 27 134 2,100 7.2 2.4 0.6 43.4 30.6 26.0 80.0 NA NA
157 ジャマイカ 92 127 4,600 2.7 11.3 0.6 5.2 27.3 67.5 18.1 17.3 64.6
158 ホンジュラス 84 221 3,000 5.2 27.9 0.6 13.6 31.4 55.0 34.0 23.0 43.0
159 エルサルバドル 169 332 4,900 4.2 6.0 0.6 9.7 29.6 60.7 17.1 17.1 65.8
160 グルジア 52 177 3,800 8.8 12.6 0.5 17.7 27.5 54.8 40.0 20.0 40.0
161 アンティグア・バーブーダ 9 7 10,900 3.8 11.0 0.5 3.8 22.0 74.3 7.0 11.0 82.0
162 コスタリカ 207 487 12,000 4.7 6.6 0.5 8.6 31.0 60.4 20.0 22.0 58.0
163 グァテマラ 352 605 4,900 4.6 3.2 0.5 22.1 19.1 58.7 50.0 15.0 35.0
164 メキシコ 7,415 11,340 10,600 4.5 3.2 0.5 3.9 25.7 70.5 18.0 24.0 58.0
165 ハイチ 59 145 1,800 1.8 NA 0.5 28.0 20.0 52.0 66.0 9.0 25.0
166 バルバドス 31 51 18,200 4.0 10.7 0.5 6.0 16.0 78.0 10.0 15.0 75.0
167 モルドバ 25 89 2,000 4.6 7.3 0.4 21.5 22.0 56.5 40.7 12.1 47.2
168 トリニダッド・トバゴ 149 209 19,700 12.6 7.0 0.4 0.7 57.7 41.5 9.5 NA NA
169 チリ 1,118 2,030 12,700 4.2 7.8 0.3 5.9 49.3 44.7 13.6 23.4 63.0
170 モーリシャス 71 167 13,500 4.3 9.4 0.3 5.1 25.2 69.7 14.0 14.0 72.0
171 バミューダ NA 45 69,900 4.6 2.1 0.1 1.0 10.0 89.0 3.0 NA NA
172 赤道ギニア 76 256 50,200 18.6 30.0 0.1 2.8 92.6 4.5 NA NA NA
173 アイスランド 138 114 38,100 3.7 1.3 0.0 8.4 15.6 76.0 5.1 23.0 71.4
NA ロシア 7,330 17,230 12,100 6.6 6.6 8.4 5.3 36.6 58.2 10.8 29.1 60.1
順位 為替率 購買力 一人当 成長率 失業率 GDP比 一次 二次 三次 一次 二次 三次
GDP 軍事費 産業別GDP構成率 産業別就業人口構成率
  • 順位はGDPに対する軍事支出の比率が高い順。
  • GDPの単位は1億ドル、為替率は為替レートベース、購買力は購買力平価ベースの表記である。
  • 国民一人当たりのGDPの単位は1ドル、購買力平価ベースの表記である。
  • GDP成長率は為替レートベースの実質成長率である。
  • 軍事費・GDP比とは、為替レートベースGDPに対する軍事に関する総支出の比率のことである。
  • 第一次産業とは、農業・林業・畜産業・水産業のことである。
  • 第二次産業とは、製造業・建設業・資源エネルギー生産業のことである。
  • 第三次産業とは、商業・サービス業・金融業のことである。
  • GDP、GDP成長率、失業率、軍事支出比率、GDPと就業人口の産業分野別の構成比率はCIA World Fact Bookから引用した。
  • 統計値は原則として2006年度だが国や項目によっては2005年以前の統計値もある。
  • CIA World Fact Bookの2005年の世界のGDPに対する軍事支出の比率2.0%はロシアの軍事支出(Not Available)を含まない。
  • ロシアの軍事支出比率はCIA World Fact Bookに未記載なので、Military Balance2006年版の615億ドルを基に計算した。
  • ストックホムル国際平和研究所(SIPRI)の2005年の世界のGDPに対する軍事支出の比率は2.5%である。
  • NAはNot Available。
  • データの引用元はこのページの出典に集約して記載した。
  • CIA World Fact Book2007年度版(2006年度の統計値)によると、2006年度の世界のGDPに対する世界の軍事支出の比率は2.0%(ロシアの軍事支出はNot Availableで含んでいない)である。
  • ストックホルム国際平和研究所の2005年度版の世界の軍事支出は11,180億ドル、世界のGDPに対する世界の軍事支出の比率は2.5%である。
  • 2000年代初期の現代において、購買力平価基準の国民一人あたりのGDPが20,000ドル以上の経済的に豊かな国のGDPと就業人口の産業分野別構成比は第一次産業は5%未満、第二次産業が20-30%台、第三次産業が60-70%台であり、軍隊に固有の要因により発生する需要である狭義の軍需経済・軍需産業である武器と軍事システムの製造・研究開発が含まれる第二次産業はGDPと就業人口の構成比で構成比では主要な産業ではない。
  • 議会またはその他の立法機関が、政府支出やGDPに対して軍事支出をどの程度の比率で割り当てるかは、個々の国の経済規模の大小、経済の発展段階、経済の状況、産業の構造で決定されるのではなく、議会またはその他の立法機関が、個々の国の軍事政策と財政政策を考慮して決定している。
  • 戦争・武力紛争・武力行使をしている時期は、その戦争・武力紛争・武力行使の規模が大きいほど・期間が長いほど、軍事的な対立・緊張が高まっている時期は、その軍事的な対立・緊張が大きいほど・期間が長いほど、政府支出やGDPに対する軍事支出の比率は増加する傾向がある。

[編集] ケネディ大統領暗殺の首謀者は軍産複合体という仮説の不整合

ケネディ大統領暗殺の真相は軍産複合体が戦争で利益を得るためという仮説については下記の点が不整合であり、暗殺の動機として不自然である。

  • 連邦政府の予算・収入・支出法案の発議・審議・票決は連邦議会の権限であり大統領の権限ではない。
    • 1960-1970年代は連邦議会は上院も下院も民主党が多数派であり、ケネディ大統領を暗殺しても議会の構成は変わらない。
    • ケネディ大統領を暗殺してもジョンソン副大統領が大統領に昇格するのでケネディ大統領の政策は原則として継続される。
    • アメリカ政府の行政予算管理局が公開している予算・収入・支出の統計による、アメリカの軍需経済と軍事政策#アメリカの政府支出の分野別支出と政府総支出・GDPに対する比率の推移を見ると、アメリカがベトナムに軍事介入していた1961-1973年の期間中、ケネディ大統領在職中の1961-1963年のGDPに対する軍事支出の比率の最大値9.3%と、政府支出に対する軍事支出の比率の最大値50.8%は、ケネディ大統領暗殺後の1964-1973年の全ての年度の数値より高い。
    • アメリカ政府の行政予算管理局が公開している予算・収入・支出の統計による、アメリカの軍需経済と軍事政策#アメリカの軍事支出の分野別支出と軍事総支出・GDPに対する比率の推移を見ると、アメリカがベトナムに軍事介入していた1961-1973年の期間中、ケネディ大統領在職中の1961-1963年のGDPに対する武器購入費の比率の最大値2.7%と、軍事支出に対する武器購入費の比率の最大値31.1%は、ケネディ大統領暗殺後の1964-1973年の全ての年度の数値より高い。
  • ケネディ大統領は対外的な紛争解決のための武力行使に抑制的ではなく積極的だった。
    • キューバ侵攻・ピッグス湾事件。ジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・ケネディ司法長官は、カストロ政権を打倒と、アメリカに協力的な政権を樹立を目的に、キューバ人亡命者組織に武器と資金を提供し、キューバ人武装民兵のキューバ侵攻・ピッグス湾事件をアメリカ政府と軍が背後から支援したが、侵攻部隊がキューバ軍に迎撃されて全滅したので、キューバに対して経済制裁を実施した。
    • キューバ危機。アメリカ政府のカストロ政権打倒工作に脅威を感じたカストロ政権は、ソ連に政権保護を依頼し、キューバにアメリカを標的にした核ミサイル基地の建設を開始した。ジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・ケネディ司法長官は海軍でキューバを海上封鎖し、ソ連の海軍艦艇とミサイル基地建設のための輸送船のキューバへの到達を抑止し、ソ連のフルシチョフ書記長に対して、キューバのミサイル基地建設を中止し、建設中の基地を撤去を要求した。ケネディ大統領はミサイル基地撤去の要求をフルシチョフ書記長が拒絶した場合に備えて、核兵器を搭載したミサイルでソ連を攻撃する準備を軍に命じ、フルシチョフ書記長も核兵器を搭載したミサイルでアメリカを攻撃する準備を軍に命じした。米ソ両国が核兵器を使用して戦争する可能性があったキューバ危機は、アメリカとの核兵器を使用した戦争とその被害を恐れたフルシチョフ書記長が、ケネディ大統領の要求を受け入れてキューバのミサイル基地建設を中止して建設中のミサイル基地を撤去し、ケネディ大統領もトルコに配備していた核ミサイルを撤去することで解決したが、もしフルシチョフ書記長がアメリカとの戦争で決着をつけようと判断していたら、アメリカとソ連の両国が核兵器を使用して戦争する可能性があった危機だった。
    • ベトナム戦争への軍事介入。ジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・ケネディ司法長官は、南ベトナムとアメリカに協力的な南ベトナムのゴ・ディン・ディエム政権を、北ベトナムと南ベトナム解放戦線から保護し、南ベトナムの共産主義体制化の抑止と、ベトナムの共産主義体制化によりベトナムを基点に東南アジア諸国が共産主義体制化することを抑止するために、南ベトナムにアメリカ軍を派遣してベトナム戦争へのアメリカの軍事介入を開始し、南ベトナム解放戦線とその支配地域に対して通常爆弾・焼夷弾・枯葉剤などを使用した攻撃・空爆を命じた。ケネディ大統領はゴ・ディン・ディエム大統領の共産主義者・仏教徒・南ベトナム解放戦線に協力的な国民に対する弾圧政策は、南ベトナム国民の多数派の支持を得られないと判断し、南ベトナム国民の多数派から支持され、アメリカに協力的な政権を樹立するために、ズオン・バン・ミン将軍のクーデターとゴ・ディン・ディエム大統領の暗殺を支援した。アメリカのベトナムへの軍事介入は、ケネディ大統領の死後、ジョンソン大統領の時代に北ベトナムへの攻撃に進展・拡大し、派遣する軍の規模と軍事支出の絶対額が増大し、ニクソン大統領の時代に北ベトナム、南ベトナム解放戦線との和平協定を締結して、アメリカ軍はベトナムから撤退した。
  • アメリカの大統領・政治家・有名人の暗殺に関して、ジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・ケネディ上院議員の暗殺だけを指摘することは偏った観点である。
    • アメリカの政治家と有名人の暗殺と暗殺未遂の事例
      • 1965年4月、エイブラハム・リンカーン大統領(共和党)暗殺。南部連合と奴隷制の支持者である俳優ジョン・ウィルクス・ブースは、南部連合の再興を目的に、リンカーン大統領の暗殺を計画し、リンカーン大統領を銃撃して殺害した。ブースは逃亡したが潜伏場所を軍隊に発見され、投降を拒否して銃撃され殺害された。ブースの共犯者は裁判でメアリー・スラット、ルイス・パウエル、デービッド・エロール、ジョージ・アトゼロッドが死刑、サミュエル・マッド、サミュエル・アーノルド、マイケル・オローレンは仮釈放の可能性が有る終身刑の判決を受けた。
      • 1881年7月、ジェームズ・ガーフィールド大統領(共和党)暗殺。精神病歴が有る弁護士チャールズ・ジュリアス・ギテオーは、神が自分にガーフィールド大統領の暗殺を命じたと思い込んで、ガーフィールド大統領を銃撃し暗殺した。ギテオーは犯行現場で逮捕され、裁判で死刑判決を受け、1882年6月に死刑を執行された。
      • 1901年9月、ウィリアム・マッキンリー大統領(共和党)暗殺。無政府主義者レオン・F・チョルゴシュがマッキンリー大統領を銃撃し殺害した。チョルゴシュは犯行現場で逮捕され、裁判で死刑判決を受け、1901年10月に死刑を執行された。
      • 1950年12月、ハリー・トルーマン大統領(民主党)暗殺未遂。プエルトリコ独立運動家のオスカー・コラッツォ、グリセリオ・トレソーラはトルーマン大統領を暗殺しようとして襲撃した、警護の警察官1火を銃撃して殺害し、トレソーラは警察官に銃撃されて死亡した。コラツォは逮捕されて死刑判決を受けたが、トルーマン大統領の恩赦により仮釈放の可能性が有る終身刑に減刑され、1979年にカーター大統領の恩赦により仮釈放になった。
      • 1963年11月、ジョン・F・ケネディ大統領(民主党)暗殺。アメリカ政府がケネディ大統領暗殺の実行犯と発表しているリー・ハーベイ・オズワルドを背後から操ったか、または真犯人を隠蔽するためにオズワルドを実行犯説を捏造した勢力が存在したと仮定する場合、首謀者に関する仮説としては、軍需産業・軍産複合体、CIA、マフィアその他の犯罪組織、人種差別主義勢力、カストロ政権、ベトナム政府、ソ連政府などが様々な動機を推測されているが、いずれも首謀者と断定するに必要で十分な証明は無く、仮説の論拠としても状況証拠にならない抽象的推測である。
      • 1965年2月、マルコムX暗殺。マルコムXは所属していたネイション・オブ・イスラム教団の指導者イライジャ・ムハンマドとの対立から、ネイション・オブ・イスラム教団を脱退し、1964年のメッカへの巡礼中に、イスラム教スンニ派に改宗した。イスラム教スンニ派の活動をするマルコムXに対してネイション・オブ・イスラム教団は構成員にマルコムXの暗殺を指令し、タルマージ・ヘイヤー、ノーマン・3X・バトラー、トーマス・15X・ジョンソンの3人がマルコムXを銃撃して殺害し、裁判で有罪判決を受けた。
      • 1968年4月、マーチン・ルーサー・キング牧師暗殺。1968年6月、ジェームス・アール・レイがキング牧師を銃撃して暗殺した実行犯として逮捕され、犯行を認める供述をした後、犯行を否認する供述に変更したが、裁判では有罪と認定され、懲役99年の判決を受けた。1997年にキング牧師の子であるデクスター・キングは受刑中のジェームス・アール・レイに面会し、レイの無実を信じて再審請求に協力した。1998年、レイは受刑中に病死した。
      • 1968年9月、ロバート・F・ケネディ上院議員(民主党)暗殺。パレスチナ人のサーハン・べシャラ・サーハンはケネディ上院議員を銃撃して暗殺し、犯行現場で現行犯として逮捕された。サーハンは犯行の動機として(サーハンの主観では)第三次中東戦争でケネディ上院議員がイスラエルに協力したから、ケネディ上院議員を暗殺したと供述し、裁判で仮釈放の可能性が有る終身刑の判決を受け、2006年までに仮釈放の審査を13回不許可になり、2007年4月時点で受刑中である。実行犯を背後から操った勢力が存在したと仮定する場合、首謀者に関する仮説としては、ジョン・F・ケネディ大統領の例と同様に、軍需産業・軍産複合体、CIA、マフィアその他の犯罪組織、人種差別主義勢力などが様々な動機を推測されているが、いずれも首謀者と断定するに必要で十分な証明は無く、仮説の論拠としても状況証拠にならない抽象的推測である。
      • 1972年5月、ジョージ・ウォレス-アラバマ州知事(民主党)暗殺未遂。アーサー・ブレマーが人種分離政策を主張するウォレス知事を狙撃し、ウォレスは脊椎に回復不可能な障害を負い、下半身付随になった。ジョージ・ウォレスは知事3期目(1971-1975年)に、人種差別思想から人種融和思想に転向して人種分離政策を撤回し、3期目と4期目(1983-1987年)は人種融和政策を遂行した。
      • 1980年12月、ジョン・レノン暗殺。精神病歴と有名人に対する付きまとい歴があるビートルズファンのマーク・チャップマンがジョン・レノンを銃撃して殺害し、犯行現場で現行犯で逮捕された。マーク・チャップマンは裁判で仮釈放の可能性が有る終身刑の判決を受け、2000年、2002年、2004年、2006年に仮釈放の審査を受けたが、ジョン・レノンの妻子や姉妹の反対と、チャップマン受刑者がジョン・レノンのファンから報復で殺害される可能性により、仮出所は不許可になり、2007年4時点で受刑中である。
      • 1981年3月、ロナルド・レーガン大統領(共和党)暗殺未遂。精神病歴が有り、映画俳優ジョディ・フォスターに対して自分を印象付けたいという理由でカーター大統領を暗殺しようとして追跡していたジョン・ヒンクリーはカーター大統領を銃撃する機会を得られず、レーガン大統領を銃撃して心臓に近い胸部に被弾させ重傷を追わせた。ジョン・ヒンクリーは犯行現場で逮捕され、裁判で精神病による心神喪失と判定されて無罪判決を受け、精神医療施設に強制入院措置を受け、2007年1月時点で精神医療施設に入院中である。
    • 共和党のリンカーン、ガーフィールド、マッキンリー大統領の暗殺と暗殺目的で狙撃され重症を負ったレーガン大統領を無視して、民主党のジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・ケネディ上院議員の暗殺だけを、客観的・具体的で、必要で十分な証明もなしに、または、客観的・具体的な事実に反して、軍産複合体の犯行だと主張・宣伝することは、民主党は軍縮と戦争抑制政策、共和党は軍拡と戦争拡大政策であるかのように印象付ける、政治的に偏った観点からの主張・宣伝であり、暗殺、軍拡と軍縮、戦争と外交、に対するダブルスタンダードの使い分けである。
  • ケネディ大統領の暗殺の首謀者の可能性として、軍産複合体だけを関連付けすることは偏った観点である。
    • 戦争の縮小・終結、軍備発注の削減・縮小を避けたい軍産複合体が政治家暗殺の首謀者であると仮定した場合、セオドア・ルーズベルト大統領(共和党)は1906年-1909年のキューバ侵攻を終結させ、ウィルソン大統領(民主党)は1917年-1918年の第一次世界大戦を終結させ、クーリッジ大統領(共和党)は1916年-1924年のドミニカ共和国侵攻を終結させ、フランクリン・ルーズベルト大統領(民主党)は1915年-1934年のハイチ侵攻を終結させ、トルーマン大統領(民主党)は1941年-1945年の第二次世界大戦を終結させ、アイゼンハワー大統領は1950年-1953年の朝鮮戦争を終結させ、ニクソン大統領(共和党)は1961年-1973年のベトナム戦争を終結させ、ブッシュ大統領(共和党)は1991年の湾岸戦争を終結させたが、暗殺も暗殺未遂もされなかった事実は、軍産複合体がジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・ケネディ上院議員を暗殺したという仮説と比較して不整合である。
    • 戦争の縮小・終結、軍備発注の削減・縮小を避けたい軍産複合体が政治家暗殺の首謀者であると仮定した場合、第二次世界大戦終結後のトルーマン大統領(民主党)の在職中、朝鮮戦争終結後のアイゼンハワー大統領在職中、ベトナム戦争を終結後のニクソン大統領(共和党)、フォード大統領(共和党)、カーター大統領(民主党)の在職中、冷戦終結後の父ブッシュ大統領(共和党)、クリントン大統領(民主党)の在職中のいずれの時期も、議会の多数派が民主党でも共和党でも、軍事支出の絶対額が減少したか、または、軍事支出の絶対額としては増加しても、政府支出やGDPにに体する比率としては減少しているが、暗殺も暗殺未遂もされなかった事実は、軍産複合体がジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・ケネディ上院議員を暗殺もしたという仮説と比較して不整合である。
    • 第二次世界大戦終結後のトルーマン大統領(共和党)、朝鮮戦争終結後のトルーマン大統領(共和党)、ベトナム戦争終結後のニクソン大統領(共和党)、フォード大統領(共和党)、カーター大統領(民主党)、冷戦終結後の父ブッシュ大統領(共和党)、クリントン大統領(民主党)の時代は、限定的な武力行使を例外として大規模な戦争や武力行使をしなかった時代で、大規模な戦争や武力行使をした時代と比較して、政府支出とGDPに対する軍事支出の比率は減少したが前記の大統領は暗殺されていない。
    • 朝鮮戦争中のトルーマン大統領の在職中は、第二次世界大戦終結後に絶対額としても、政府支出とGDPに対する比率としても減少した軍事支出が再び増加し、冷戦末期の1980年代のレーガン大統領(共和党)の在職中は、限定的な武力行使を例外として大規模な戦争や武力行使をしなかった時代だが、ソ連に対して軍拡競争を仕掛け、アメリカの軍事支出の絶対額も、政府支出とGDPに対する軍事支出の比率も1970年代と比較して増大したが、トルーマン大統領は暗殺未遂で警護の警察官が殺害され、レーガン大統領は暗殺未遂で銃撃され、心臓に数cmの部位に被弾して重症を負ったが、死亡しなかった理由は被弾した部位が致命傷になる部位ではなかったからであり、心臓・頚部・頭部・胸部に被弾していれば死亡した可能性もあったのだ事実は、軍産複合体がジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・ケネディ上院議員を暗殺したという仮説と比較して不整合である。
    • ジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・ケネディ上院議員の暗殺の首謀者は軍産複合体で、暗殺の理由はベトナムからの撤退により軍事支出を削減させないためという理由付けは、客観的・具体的な事実に基づく証明が無く、主観的・抽象的な表現を羅列し、民主党は軍縮と戦争抑制政策、共和党は軍拡と戦争拡大政策であるかのように印象付けるために結論が先にあり、結論を導くに都合良い理由を後付けしたものであり、多様な異なる観点から見た場合に、他の大統領が戦争を終結させた場合、他の大統領が政府支出とGDPに対する軍事支出の比率が減少する政策を推進した場合に、ジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・ケネディ上院議員と同様に暗殺されていない理由の説明にはならないという不整合が発生するのであり、結論を先に作り、結論を導くに好都合な理由を後付けする場合に発生する不整合の典型例である。
  • ジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・ケネディ上院議員の暗殺に関するサイト

[編集] 参考文献

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  • 江畑謙介『21世紀の特殊部隊』並木書房
  • 江畑謙介『日本防衛のあり方 イラクの教訓、北朝鮮の核』ベストセラーズ
  • 江畑謙介『二十一世紀型の戦争 テロリストの恐怖』角川書店
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  • デアゴスティーニ『最強の空軍』講談社
  • スティーブ・クロフォード『世界の主力軍用機』アリアドネ企画
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  • 日本兵器研究会『世界の主力戦車カタログ』アリアドネ企画
  • 日本兵器研究会『現代戦車のテクノロジー』アリアドネ企画
  • ジェイソン・ターナー『世界の主力軍用車』アリアドネ企画
  • ジェイソン・ターナー『世界の主力戦闘車 戦車・装甲車・自走砲』アリアドネ企画
  • 日本兵器研究会『世界の装輪装甲車カタログ』アリアドネ企画
  • 床井雅美『最新軍用銃事典』並木書房
  • 床井雅美『現代軍用ピストル図鑑』徳間書店
  • 床井雅美『現代ピストル図鑑』徳間書店
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  • 松本仁一『カラシニコフ』朝日新聞社
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  • 金田秀昭『弾道ミサイル防衛入門-新たな核抑止戦略とわが国のBMD』かや書房。
  • 小都元『ミサイル防衛の基礎知識-ミサイルの脅威と国際軍事情勢について正しくわかる本』新紀元社。
  • 小都元『ミサイル事典 世界のミサイル・リファレンス・ガイド』新紀元社
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  • 小都元『核兵器事典』新紀元社。
  • 山田克哉『核兵器のしくみ』講談社。
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  • 杉江栄一『核兵器撤廃への道』かもがわ出版。
  • ロバート・グリーン『核兵器廃絶への新しい道』高文研。
  • 矢ケ崎誠治『核兵器は世界をどう変えたか』草思社。
  • ジャック・アタリ『核という幻想』原書房。
  • NHK核テロ取材班『核テロリズムの時代』NHK出版。
  • ジェシカ・スターン『核・細菌・毒物戦争-大量破壊兵器の恐怖』講談社。
  • ジュディス・ミラー、ウィリアム・ブロード『バイオテロ-細菌兵器の恐怖が迫る』朝日新聞社。
  • リチャード・プレストン『デーモンズ・アイ-冷凍庫に眠るスーパー生物兵器の恐怖』小学館。
  • 井上尚英『生物兵器と化学兵器-種類・威力・防御法』中央公論新社。
  • ウェンディ・バーナビー『世界生物兵器地図-新たなテロに対抗できるか』NHK出版。
  • トム・マンゴールド、ジェフ・ゴールドバーグ『細菌戦争の世紀』原書房。
  • エリック・クロディー『生物化学兵器の真実』シュプリンガーフェアラーク。
  • 中原英臣、佐川峻『生物テロ-どうすれば生き残れるのか』ベストセラーズ。
  • 村上和巳『化学兵器の全貌-再燃する大量破壊兵器の脅威』アリアドネ企画。
  • 高貫布士『無差別テロ兵器マニュアル-生物化学兵器から核汚染まで』青春出版社。
  • アンジェロ・アクイスタ『生物・化学・核テロから身を守る方法』草思社。

[編集] 出典

[編集] 世界各国の軍事支出の出典

[編集] 世界の軍需企業リストの出典

[編集] 軍需兵器の輸出に関する出典

[編集] アメリカ政府の分野別支出、軍事の分野別支出、政府総支出・軍事総支出・GDPに対する比率の出典

[編集] アメリカの軍事関連の総支出・分野別支出のより詳細な内訳の出典

[編集] アメリカの軍隊、国防総省、軍需産業の雇用者数と総雇用者数・総人口に対する比率の出典

[編集] アメリカの名目・実質GDP、消費・投資、輸出・輸入・貿易収支・産業連関分析の出典

[編集] 軍縮に関する政策の出典

[編集] 関連テーマ

[編集] 関連項目

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