アメリカ軍
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アメリカ軍(-ぐん、United States Armed Forces)は、アメリカ合衆国の軍隊で、軍事規模では世界第二位の兵員数を持ち、実際の戦闘能力では他国を圧倒的に凌駕している。兵員はおよそ141万人。 一般に米軍(べいぐん)とも称される。
実戦における作戦指揮命令系統は、アメリカ合衆国大統領(最高司令官)→国防長官→各統合軍司令官の順であり、統合参謀本部議長、陸軍参謀総長、海軍作戦部長、空軍参謀総長、海兵隊総司令官は作戦指揮命令系統に入っていない。後述の統合軍を編成しているのが特徴である。
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[編集] 機構
[編集] 五軍
アメリカ軍は、次の五つの軍種からなる。そのうち沿岸警備隊(国土安全保障省に属する)を除く四軍は国防総省の管轄下に属し、統合参謀本部の指揮下にある。また、海兵隊は海軍と共に海軍省に所属しているが、軍種としての海軍と海兵隊の間には現在、上下関係はない。
- アメリカ陸軍(United States Army)
- アメリカ海軍(United States Navy)
- アメリカ空軍(United States Air Force)
- アメリカ海兵隊(United States Marine Corps)
- アメリカ沿岸警備隊(United States Coast Guard)
戦時に沿岸警備隊は「第1艦隊 (1st fleet)」として国防総省の指揮下に入る。アメリカ海軍に「第1艦隊」が存在しないのはこのためである。
[編集] 統合軍
2003年1月現在、アメリカ沿岸警備隊を除く四軍は担当分野によって次の10の地域別・機能別の統合軍 (Unified Combatant Commands 略称COCOM)に編成されている。それぞれの統合軍に属する四軍を1人の統合軍司令官が自在に運用できる機構がアメリカ軍の特徴であり、理解を困難にしていると言える。
- アメリカ北方軍(USNORTHCOM)- 地域別・北米担当
- アメリカ中央軍(USCENTCOM)- 地域別・中東担当
- アメリカアフリカ軍(USAFRICOM)- 地域別・アフリカ担当(2008年9月までに創設予定)
- アメリカ欧州軍(USEUCOM)- 地域別・欧州とアフリカ担当
- アメリカ太平洋軍(USPACOM)- 地域別・アジア・太平洋地域担当
- アメリカ南方軍(USSOUTHCOM)- 地域別・中南米担当
- アメリカ特殊作戦軍(USSOCOM)- 機能別・特殊作戦担当
- アメリカ統合戦力軍(USJFCOM)- 機能別・予備戦力の訓練と研究開発を担当。表記がまぎらわしいが、上述の「統合軍」とは異なる。
- アメリカ戦略軍(USSTRATCOM)- 機能別・核兵器と宇宙軍を統括
- アメリカ輸送軍(USTRANSCOM)- 機能別・戦略輸送を担当
[編集] 駐留国
防衛条約並びに協定によって米軍が常時駐留している国家は以下の通り。〔〕内数値は駐留兵力(出典『The Miritary Balance 2003』)を示す。日本・ドイツ・イタリアなどの第二次世界大戦の旧敗戦国の国内に多くの基地を占有し駐留軍を維持している。一部では基地の存在が騒音や兵士による犯罪の温床となっているため、基地周辺の住民との間でトラブルが起きるケースもある。
- 北大西洋条約機構(NATO)加盟国
- アイスランド〔1,478人〕
- アイスランドは軍を保有しておらず、アメリカ軍がアイスランド防衛の任務を担っているが、駐留米軍は2006年9月末で撤収した。
- 防空任務の大半をアメリカに依存している。
- 冷戦終結以降に関係緊密化が進んでおり、強調して日米同盟と呼ばれる。GSOMIA及びMOUは未締結(2006年現在)だが締結の方針で議論が進んでいる。米軍再編の一環として、兵力の一部削減・移転が決定している。
- 平時指揮権は韓国軍に移譲されており、戦時指揮権も移譲予定。米軍再編の一環により、段階的に兵力が削減されることが決定している。
- 太平洋安全保障条約(ANZAS)
- オーストラリア:相互防衛援助協定、通信傍受協定、GSOMIA、MOU
- 自由連合国
アメリカ軍が国防を担う各国
- その他
- アフガニスタン〔7,500人〕(アフガン攻撃から継続。最盛期は約2万人。2006年にNATOに指揮権が移譲、2007年に2500人を増派)
- イラク〔148,000人〕(イラク戦争から継続。開戦時は22万人、占領時は13万人~16万人)
- ウズベキスタン〔1,200人〕(2005年にウズベク政府が退去命令を出し撤収)
- カタール〔3,300人〕
- キューバ〔2,039人〕(グァンタナモ米軍基地)
- クウェート〔8,388人〕
- サウジアラビア〔4,408人〕
- バーレーン〔4,200人〕
- 駐留していないが緊密な同盟関係にある国
- ANZUS同盟から脱退するも事実上継続中。
- フランス:相互防衛援助条約、GSOMIA
- NATOの軍事機構からは脱退している。
[編集] 戦歴
- アメリカ独立戦争(1775年~1783年)
- 米英戦争(1812年~1814年)
- 米墨戦争(1846年~1848年)
- 南北戦争(1861年~1865年)
- インディアン戦争(1876年~1890年)
- 米西戦争(1898年)
- キューバ介入(1898年~1902年)
- 米比戦争(1899年)
- ドミニカ共和国介入(1905年保護領化)
- キューバ内戦介入(1906年)
- ニカラグア革命介入(1912年~1933年)
- メキシコ革命介入(1914年)
- ハイチ介入(1915年~1934年保護国化)
- メキシコ軍事衝突(1916年、1917年)
- ドミニカ共和国介入(1916年~1924年)
- 第一次世界大戦参戦(1917年~1918年)
- 第二次世界大戦参戦(1939年~1945年、41年まで宣戦布告しないが義勇兵が参加)
- 冷戦(1946年~1989年)
- 朝鮮戦争(1950年~1953年、国連軍)
- グアテマラ革命介入(1954年)
- キューバ介入(1961年)
- キューバ危機(1962年)
- トンキン湾事件(1964年)
- ドミニカ共和国介入(1965年~1966年)
- ベトナム戦争(1965年~1972年)
- イラン米大使館人質事件(1980年)
- リビア空軍機撃墜(1981年)
- レバノン内戦介入(1982年~1984年)
- グレナダ侵攻(1983年)
- リビア攻撃(1986年)
- イラン・イラク戦争介入(1987年~1988年)
- リビア空軍戦闘機撃墜(1989年)
- パナマ侵攻(1989年)
- 湾岸戦争(1991年、国連多国籍軍)
- ソマリア内戦介入(1992年~1994年、国連PKO)
- イラク攻撃(1993年)
- ハイチ介入(1994年)
- ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争介入(1995年、NATO軍)
- イラク攻撃(1996年)
- スーダン・アフガニスタン攻撃(1998年)
- イラク攻撃(1998年)
- ユーゴスラビア空爆(1999年、NATO軍)
- アフガニスタン攻撃(2001年)
- イラク戦争(2003年)
- イラク占領(2003年~2004年)
- イラク駐留(2004年~、国連多国籍軍)
- ハイチ介入(2004年)
- ソマリア内戦介入(2007年)
[編集] 関連項目
[編集] 外部へのリンク
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