阪神8000系電車
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8000系電車(8000けいでんしゃ)は阪神電気鉄道の通勤形電車。6両編成を組み、主に優等列車で使用される、いわゆる「赤胴車」の一種。
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[編集] 概要
1984年(昭和59年)に登場した、阪神で初めて電気指令式ブレーキが採用された形式。製造が10年余りと長期にわたった事から様々な形態が存在し、外観上の視点からタイプI(第1次車)、タイプII(第2~4次車)、タイプIII(第5~12次車)、タイプIV(第13~21次車)と分類される。3000系(現在消滅)と同じく界磁チョッパ制御を採用した。設計最高時速は120km/h(現在のところ山陽線内110km/h、阪神線内106km/h)、起動加速度は3.0km/h/sである。また連結器がバンドン式から密着連結器に換装された車両が登場している。この8000系では他の形式では行っている切り欠きをしないで交換されている。
[編集] 内装
8201Fはベージュ系、それ以外は淡灰の壁にピンク色のロングシートが配されている。
[編集] 形態分類
- タイプI(8201F・1本)
- タイプII(8211F~8215F・3本)
- 1985年(昭和60年)に大幅にデザインが変更されて量産されたグループ。このグループ以降の8000系は8201Fと区別するため狭義でいう8010系とされる。側窓は一段下降式となり、先頭部は窓周りを縁取りした「額縁」スタイルで、上部中央に前照灯が、下部に標識灯が配置された。
- タイプIII(8213F~8231F・8本)
- タイプIV(8233F~8249F・9本)
- 1991年よりマイナーチェンジが施されたグループ。側窓が拡大された黒サッシの連続窓となり、窓サイズの変更に伴い、塗色の塗り分けが少し下げられた。室内には阪神電鉄で初めてバケット式ロングシートとLED式車内案内表示装置が設置され、接客設備が向上している。
- このグループの8241F(第17次車)から中間車の三宮(西)寄りに車椅子スペースが設置された。
[編集] 震災での編成替え
1995年に発生した阪神・淡路大震災で8000系には15両の廃車が発生した。急遽補填で8523Tc・8336M'(車椅子スペース付き)・8536Tcを新造し、編成組み替えで編成中3両が廃車となった8201Tcは方転改造され「8502」となり、8523Tcと編成を組むようになった。
[編集] リニューアル
第1編成の製造から20年近く経つ事もあり、2002年から9300系に準じたリニューアル工事が1年に1本のペースで実施されている。塗装は9300系に準じたオレンジ色と白の塗り分けになり、室内も座席モケットがオレンジ色に張り替えられ、中間車4両は新たに転換式セミクロスシートが設置された。
2004年実施の8221Fからは混雑緩和対策で中間車2両のみがセミクロスシートとなった。
尚、新色に関しては阪神タイガースファンなどから付けられた蔑称が存在する。詳細は鉄道会社が経営するプロ野球球団に関してを参照。
[編集] 運用
直通特急から準急まで、阪神本線・山陽電鉄本線で急行系車両を使用する列車で幅広く運用するが、震災被災し編成組み替えされた8523-8502のみ(線内)特急から準急までで、直通特急の運用には原則入らない。また、2009年春に予定されている近鉄奈良線への直通列車には充当されない。
[編集] 在籍数
2004年11月現在、6両編成19本(114両)が在籍している。
阪神電気鉄道の車両 |
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現用車両 |
赤胴車: 1000系, 9300系, 9000系, 8000系, 2000系, 7890形・7990形, 8701・8801・8901形, 7801・7901形 青胴車: 5500系, 5131・5331形, 5001形(2代), 5311形 |
過去の車両 |
赤胴車: 3000系, 3801・3901形, 3521形, 7601・7701形, 3301・3501形, 3561・3061形 青胴車: 5261形, 5231形, 5151形, 5101・5201形, 5001形(初代) 小型旧性能車(鋼製): 1001形・1101形・1111形・1121形・1141形, 851形・861形・881形, 801形・831形, 601形, 701形 小型旧性能車(木製):301形・311形・321形・331形・291形, 51形, 1形 事業用車・電動貨車: 101形, 111形・112形・121形 (貨車), 67・69形, 151形, 155形 併用軌道線車両:201形, 91形, 71形, 121形,31形,1形, 51形・61形, 501形 |
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