鉄道関係の俗称
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鉄道関係の俗称(てつどうかんけいのぞくしょう)では、鉄道の路線・列車・鉄道事業者などに対して、鉄道事業者・鉄道利用者・鉄道ファンなどがつけた、俗称・愛称・蔑称(キャッチコピーや風刺、ギャグ、洒落など)について記す。
なお、鉄道車両・船舶の俗称、列車の俗称、鉄道路線や駅・施設に関する俗称についてはそれぞれ各項目を参照。
目次 |
[編集] 概説
鉄道に対して、大正時代より皮肉をこめた洒落や、駄洒落に属するものは多く作られてきた。日常的に利用する客が持っていた不満や疑問、その会社・列車・路線に興味を持った鉄道ファンによって作り出されたものが多いといわれる。また、新聞記者が記事の表現として考え出したものもある。
[編集] 分類
以下、分野別に五十音順とする。
[編集] 列車や商品のキャッチコピー
- 明日の通勤車 - 名鉄6000系電車登場時の愛称。当時の名鉄は2扉クロスシート車(7000系や5500系など)が主力であったため、ラッシュ時の混雑緩和を目的に投入された事から付けられた。
- ある家族の食事中。焼き海苔の入った缶を倒す…。(海苔倒す) - 「(遊園地の遊戯設備を)乗り倒す」を引っ掛けた「ひらかたパーク」の広告。一時、京阪電気鉄道の電車車内の吊り広告はこれで埋め尽くされていたという。
- イカすカード - 函館市交通局が発行しているプリペイドカードで、便利なカードという意味合いの言葉に函館名物の「イカ」をかけたもの。現在は函館バスでも利用可能。
- イコカでイコカ - 西日本旅客鉄道(JR西日本)のICカード乗車券「ICOCA」につけられたキャッチコピー。ICOCAに限らず、各社のICカード乗車券は掛詞的ネーミングが多い。→Suica、Irucaなど
- ECO POWER 金太郎 - JR貨物EH500形電気機関車の愛称(JR貨物の機関車には、他にも愛称付きが多い)で、その牽引力を「金太郎」に例えたもの。ただしファンの間では、平成のマンモス(後述)、交直両用EH10などと呼ばれる。
- エレガン都エクスプレス - 京阪特急の広告コピー。「エレガント」と「京都」を引っ掛けた物。
- 関空へはラピートがはるかにお得 - 南海電気鉄道の広告で、自社の運行する関西空港(関空)へ向かう特急「ラピート」の優位性を、競合関係にあるJR西日本の運行する特急「はるか」と引っ掛けたもの。
- 京阪のる人、おけいはん。 - 京阪電気鉄道の広告コピー。「~はん」は関西弁で共通語の「~さん」にあたる、人の呼び名に引っ掛けたダジャレで、おけいはんなるキャラクターを登場させた。
- 燕より速い特急行 三十四分 京阪電車 - 京阪電気鉄道(新京阪鉄道→同社新京阪線。現在の阪急京都本線)が自社の運行する「超特急」の優位性をアピールした、鉄道省(国有鉄道)の運行する特急「燕」に対する比較広告。
- ジェットカー - 阪神電気鉄道が保有する各駅停車用の電車のこと。「ジェット機」並みの加速をすることから。同じように、かつて京阪電気鉄道が保有していた高加速車はスーパーカー、近畿日本鉄道が南大阪線用に製造した電車はラビットカーと呼ばれた。
- スーパー自動改札 - 京浜急行電鉄が自動改札機を導入の際に使用されたキャッチコピー。「スーっと入ってパッと出る、京急のスーパー自動改札」という内容であった。もちろん、他社の自動改札機と比較しても機能に大きな差はない。
- ツイングルシート - 1994年に登場した京急600形電車において、通常は2人掛けの座席の一部を収納して1人掛けとすることによって、立席収容力の向上を図る目的で開発された座席の名称で、「ツイン」と「シングル」を掛けた造語である。しかし思いのほか不評で、増備車では単なる固定クロスシートになってしまった。鉄道車両の座席#固定式クロスシートも参照。
- 翼のないジェット機 - 東海道新幹線開業に伴うダイヤ改正を記した、1964年10月号の交通公社「時刻表」に掲載された新幹線のキャッチコピー。その速さを「ジェット機」に例えたもの。
- 特級の特急つばめ - JR九州787系電車「つばめ」CMキャッチコピーのひとつ。登場時には「TSUBAME COMMING BACK SOON」が使われた。
- とってもナ「いす」 - 上記「ツイングルシート」について紹介された際のキャッチコピー。なお、現在「ツイングルシート」はクロスシート固定の状態で運用されており、今後はロングシートへの改造工事を行なう予定であり、既にロングシート化された編成も存在している。
- のぞみへ。先に、行ってるね - 日本航空の広告で、駅の伝言板に大書された伝言のデザインを取ったポスター・チラシに使用されたフレーズ。2003年のダイヤ改正で増発により利便性が向上した「のぞみ」に対し、到達時間の早さによる優位性をアピールしたもの。
- ノットエクスプレス- 2005年3月31日に全廃されたのと鉄道能登線で、2004年夏ごろから能登線廃止の時まで運行されていた車両のこと。黒塗りの気動車(NT103)で、当時存廃問題に揺れていた能登線の存続を願うとともに、観光客に能登半島を急がずにゆっくりと観光することを呼びかけるため、能登のローマ字表記のNOTOに否定を表すNOTを掛け、英語で急ぐという意味のEXPRESSをくっ付けて命名されたものである。なお特別塗装は、のと鉄道の許可を得て珠洲市のボランティア団体によって実施された。車体側面にはNOTo EXPRESSと書かれていた。現在この車両はミャンマー国鉄に売却されている。
- ノロッコ号 - JR北海道が富良野線や釧網本線において運行する観光列車のことで、ゆっくり走ることから「トロッコ」と「のろい」を掛けている。
- 速さはJRのあかしです - JR西日本が山陽本線(JR神戸線)明石駅において、山陽電気鉄道本線山陽明石駅に面するホームに掲示した横断幕のキャッチコピー。山陽電鉄の利用者に対してJR西日本の速達性をアピールするため、「明石」と「証し」を掛けている。JR福知山線脱線事故を受け、この幕は撤去された。
- ひかりました こだましました - 東海道新幹線開業15周年の際に使用されたキャッチコピー。列車名の「ひかり」と「こだま」に掛けている。
- リトルダンサー - アルナ車両などが開発した、超低床型路面電車の愛称。小さな踊り子(Little dancer)と「段差が小さい」のを掛けたネーミング。
- レールが結ぶ一本列島 - 1988年春に行なわれた、JRグループダイヤ改正のキャッチコピー。海峡線(青函トンネル)と本四備讃線(瀬戸大橋)の開業により、日本列島が鉄道で一つに結ばれたことから。
JR貨物EH500形電気機関車「ECO POWER 金太郎」 |
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[編集] 新聞などのジャーナリズムから
- イモ電車 - 東武東上本線のこと。川越市の名産「サツマイモ」を求め、戦後に買出し客がこの路線に多く乗ったということと、沿線開発が進んでいないこと、職員の対応の悪さを掛けて皮肉ったもの。
- ウナギではなくドジョウ - 1988年に整備新幹線建設再開のため、運輸省のスキーム案でミニ新幹線やスーパー特急方式が盛り込まれたところ、導入予定とされ並行在来線問題を抱えた地域の関係者が、規格を「ウナギ」と「ドジョウ」という魚の大きさにたとえて不満を表明したもの。その多くは、後にフル規格新幹線へと計画変更されている。「うな重を頼んで柳川鍋」(亀井静香が言ったとされる)とされる場合もある。
- 駅弁大学 - 太平洋戦争後に実施された学制改革により、急激に増加した新制大学を風刺した呼び名。評論家の大宅壮一が「急行の止まる駅に駅弁有り、駅弁あるところに新制大学あり」と評したことから。
- 我田引鉄 - 政治家が、その地盤となる地域へ強引に鉄道線路を引き込もうとした態度に対して、「我田引水」をもじって皮肉ったもの。我が票田に鉄道を引くという意味。似た言葉として「政治新幹線」がある。鉄道と政治も参照。
- 遭難電車 - 国鉄80系電車が「湘南電車」の愛称で運行を開始したとき、当初故障により立往生することが多かったことから。
- 弾丸列車 - 戦中に立案された「広軌(標準軌)高速鉄道計画」に対して、新聞社などが「弾丸のように高速の列車が走る」ということで呼ぶようになったもの。戦後もこの計画を示す際、一般的に通称として用いられており、現在の新幹線の英称(bullet train)としてもしばしば使用される。
- 名古屋飛ばし - 東海道新幹線で「のぞみ」が運行を開始したとき、朝の下り列車「のぞみ301号」が名古屋駅と京都駅を通過するダイヤを組んだため、中京圏の産業界から反発の声があがった。そのため、この件に関して中日新聞が報道する時に、東海旅客鉄道(JR東海)の本社がある名古屋を通過するということなどと引っ掛けてこの語を用いた。
- 能生はNO! - 1961年の「サンロクトオ」ダイヤ改正で、大阪駅~青森駅間に特急「白鳥」が新設されたとき、小駅の能生駅に同列車が客の乗降を行わない運転停車をすることとなったが、時刻表に間違って通常の停車として掲載されたことから、これを乗降を行う停車と認識した地元民が一同上げて列車の出迎えをしに行き、そこで乗降を行わないのを見て唖然としたという事件を、マスコミが「能生」(のう)と「No」を掛けて皮肉って報じたもの。
- のぞみうす - 270km/hの営業運転を行った「のぞみ」と、その使用車両である300系が初期トラブルを繰り返したことへの皮肉。実質的に運賃値上げとなった「のぞみ料金」に対して、「たかのぞみ」と呼ばれたこともある。
- はつかり、がっかり、事故ばっかり - キハ81系気動車が特急「はつかり」で使用を開始したとき、当初故障が多くよく運休になったことから。韻を踏んでいる。ここも参照のこと。なお、臨時の「はつかり」が14系座席客車で運転されたときには、「ハザ(普通座席車)ばっかり」と鉄道雑誌に書かれた。
- 瀕死の白鳥 - キハ82系気動車を使用していた特急「白鳥」が、冬季に雪害で運休となったため、バレエ作品の「瀕死の白鳥」に掛けた。
- ワルツ電車 - 振り子式車両の381系電車が「しなの」で運行を開始した時、揺れが激しいから「ワルツ」のようだと皮肉ったもの。当時の国鉄名古屋鉄道管理局の担当者だった山之内秀一郎氏が、記者から「よく揺れるそうですね」と言われて「ワルツを踊っているようなもの」と返したものが、そのまま記事の見出しになったと言われている。
[編集] 鉄道事業者や業務に関して
- 韋駄天阪和 - 阪和線の前身である阪和電気鉄道が、「超特急」などの速達列車で当時の水準からすれば尋常でないほどの高速運転を行ったため、「韋駄天」に引っ掛けたもの。
- 大阪天気軌道 - 近畿日本鉄道(近鉄)の前身である大阪電気軌道(大軌)が、初の路線である奈良線を開業させた当時、生駒山や奈良方面の観光客が収入の中心であったため、天候が悪いと経営に影響することから、社員が天気を気にするようになったことに対する皮肉。
- キセル乗車 - 不正乗車の一種で、最短区間の乗車券と定期券などを組み合わせて、その間の区間を無賃乗車する手法。「キセル」は吸い口と雁首(がんくび、タバコを詰める先の部分)だけ金属を使い、その間は木製であることから、「始めと終わりだけにしか金を使わない」ことに掛けている。
- 北半九・南半九 - 九州旅客鉄道(JR九州)の北部と南部地域における特性の差を、北半球と南半球にかけて呼んだもの。
- 旧京成 - かつて新京成電鉄の車両が、親会社の京成電鉄から来た旧式な譲渡車ばかりであったことから。なお、現在の新京成に譲渡車はまったく存在せず、早くからVVVF制御を導入するなど、京成よりもむしろ新しい車両が多いというイメージである。
- 京阪電気鉄道カーブ式会社 - 京阪電気鉄道の保有する京阪本線が、明治期に集落を縫う形で線路を引いたことから曲線が多いため、株式会社の「株」と「カーブ」を掛けて皮肉ったもの。同じような条件の路線を持つ、阪神電気鉄道などに対して用いられることもある。総じて運転速度の高い関西私鉄で目立つ事から用いられており、同じような状態でも関東の私鉄にはあまり用いられないが、時々京浜急行電鉄に対して用いられることがある。これは京急の最優等種別である快特が、一部区間で120km/h運転を行うことから来ていると思われる。また、然程飛ばす路線ではないが、新京成電鉄もこの愛称で呼ばれることがある。
- コマル - 大阪市交通局のマークは、「Osaka」の頭文字の「O」と「高速鉄道(地下鉄のこと)」の「コ」を組み合わせたものになっているが、これに対し市議会が地下鉄建設に莫大な資金を要したことを批判し、「金食い虫でコマル(困る)」として揶揄したもの。
- 薩摩守(さつまのかみ) - 無賃乗車のこと。武士の平忠度(たいらのただのり)が薩摩守であったため、「ただ乗り」に掛けたもの。平忠度の豆知識を参照。
- JR香川(県) - 四国旅客鉄道(JR四国)が、ダイヤ設定や新車投入に際して本社のある香川県の路線ばかり優遇しているとして揶揄したもの。[要出典]ただし、人口密度が高く複線化区間のある香川県の路線がある程度優遇されるのは経営上仕方のないことであり、また実際には他県の路線にも新車はそれなりに投入されている。
- 市営モンロー主義 - 大阪市が戦前に取った、「市内交通は原則市営とし、民営鉄道の乗り入れを認めない」という交通政策を、アメリカ合衆国のモンロー主義(欧米間不干渉政策、アメリカ孤立主義)と引っ掛けたもの。
- 押し屋 - 朝夕のラッシュ時に、列車の扉に挟まりかかった人を車内に押し込む人、およびその職業のこと。
- 大気 - 前述した大阪電気軌道(大軌、だいき)の経営が、開業後しばらく頼りないものであったことから付けられた皮肉。
- 鐵道、鉃道 - 鉄道の「鉄」の字は「金を失う」と書くため、忌み嫌った鉄道事業者が旧字体の「鐵」を用いたり、「金」偏に「矢」の「鉃」と書いて「金が矢のように入る」としたもの。前者は大井川鐵道や真岡鐵道などで、後者は四国旅客鉄道(JR四国)を除くJR各社のロゴに使用されている。かつては名鉄や近鉄も後者を使用していたことがあるが、いずれも「子供が間違った字を覚える」などの苦情を受けて取りやめた。明治時代には「銕道」と表記した会社もあった。
- 倒壊旅客鉄道(JR倒壊・し尺倒壊) - 東海道新幹線を収益の機軸としており、イベント列車などの運転が少ない東海旅客鉄道(JR東海)を、鉄道ファン好みの会社で無いとして揶揄したもの。近年では、設立初期から所有していたジョイフルトレインもすべて廃止された。「新幹線だけでもっている」と揶揄されたこともあることから、JR新幹線や東海道新幹線株式会社などといった呼び名も生まれた。[要出典]
- 現在JR東海の会長を務める葛西敬之が、インターネットの普及期に社長を務め、この企業方針を強化したことから、インターネット上では「火災帝國」などの俗称も使われている。また、社長当時の東海豪雨の際に東海道新幹線に長時間閉じ込められた利用者を愚弄する言動をしたこともあり、葛西には「火災」・「バ葛西」という蔑称も付けられた。[要出典]
- 盗急、強盗慶太 - 強引な買収・会社乗っ取り(現代風に言うと敵対的M&A)により巨大化した東京急行電鉄(東急)および、当時の同社総帥であった五島慶太に対する皮肉。
- T.K.K. = とても混んで困る- 東京急行電鉄の車両の側面に表記されていた英字略式表記の「T.K.K.」(Tokyo Kyuko Kabushikigaisha)に対する皮肉。昭和20~40年代、輸送改善の追いつかなかった状況を揶揄している。これに対し東急は、「とてもきれいなこの電車」を唱えた。
- ハチクマライス - 食堂車で出されていた、まかないの人や乗務員の為の料理のこと。飯の上に目玉焼きを乗せたもので、落語に出てくる長屋の「八っつさん」・「熊さん」でも気軽に作れ食べられるという安価なもの、という意味合いでつけられた。
- ピストル堤 - 武蔵野鉄道→西武鉄道のリーダーであった堤康次郎が行ったとされる、札束(実弾)攻勢を皮肉ったもの。ただし、このあだ名は堤が実際にピストルで狙撃されても動じなかったことに由来しており、買収との関連は後付けである(堤康次郎の項目を参照)。
- 墓地電車 - 阪急千里線等の前身である北大阪電気鉄道の俗称。会社が霊園開発を千里丘陵で手がけたことからつけられた。
- マグロ - 鉄道業界における轢死体の俗称。状況によっては、隠語的な意味合いで使用される事もある。
- 迷惑乗り入れ - 常磐線と千代田線の直通運転が、割高運賃や快速の激しい混雑など、利用者に対し改善されるはずがマイナスに転じたことを、「相互乗り入れ」をもじって揶揄された言葉。
[編集] 鉄道と野球の関連から
- 地下鉄シリーズ(サブウェイ・シリーズ) - アメリカ大リーグの交流戦やワールドシリーズ等に於けるニューヨーク・ヤンキースとニューヨーク・メッツの対戦。各々の本拠地であるヤンキー・スタジアムとシェイ・スタジアムが地下鉄で行き来できることから、このように呼ばれるようになった。
- ジャビット電車 - 阪神電気鉄道の9300系や8000系の更新車が、阪神タイガースを有する会社にもかかわらず、ライバルの読売ジャイアンツを連想させるオレンジ色の塗装になっていたことから、巨人軍のキャラクターである「ジャビット」を用いて皮肉ったもの。ジャビットをそのモデル(兎)から来ている近鉄6800系電車の愛称「ラビットカー」に引っかけた「ジャビットカー」や、「ジャイアンツカラー」・「巨人電車」などの呼び方もある。同様に5500系電車は「ベイスターズ電車」や、「ベイスターズカラー」・「横浜電鉄」・「横浜電車」または「シャオロン電車」などと呼ばれる。
- 西武電車ボロ電車、近鉄特急二階建て - 大阪近鉄バファローズが西武ライオンズに勝ったときに応援団がコールしていたもの。起源は、1960年代の近鉄×南海戦にまで遡り、「地下鉄球団」と揶揄されていた(下記参照)当時の近鉄ファンが、南海ファンに対して野次ったのが起源。南海ホークスOB広瀬叔功氏が『ベースボールマガジン』2004年秋季号のインタビューで話しており、これが一番古い説かもしれない。正しくは「近鉄電車二階建て、南海電車ボロ電車」であり、「西武電車ボロ電車」は、1990年代の第2期西武黄金時代に作られたものと考えた方がよいだろう。そのほかにも巨人ファンが「阪神電車はボロ電車」とコールしていたこともある。
- 西武特急 - 西武ライオンズが常勝球団と呼ばれたころ、勝ちっぱなしで止まらない様を特急列車のようだとして、こう呼んだ。しかし、負け始めると一転して「急停車」・「ウヤ(運休、詳細は後述)」・「故障」などと揶揄される。他の電鉄運営球団においても、好調時に使われることがあった。
- 地下鉄球団 - リーグ最下位付近をいつも彷徨っていた近鉄球団を揶揄した言葉。近鉄(きんてつ)を「ちかてつ(地下鉄)」と読み替えたもの。古くは「パ・リーグのお荷物、ボロ鉄」とも揶揄された。
- ○○電車ではよ帰れ - かつては数多くの鉄道会社がプロ野球球団を運営しており、主に近鉄バファローズ、阪急ブレーブス、南海ホークスの在阪パ・リーグ球団の応援団がそれぞれの相手チームをKOした際にコールしていた。大阪近鉄のオリックスへの経営譲渡により、2006年現在応援団としてこれを行っているのは南海の後身である福岡ソフトバンクのみである。
- 野球が弱いからハンキュウ電車 - 「阪急ブレーブス」(現・オリックス・バファローズ)と「半休・半球」を掛ける。
- 何回やっても巨人に勝てない南海 - 「南海ホークス」が1951年から53年と55年に4回日本シリーズに出場したがいずれも巨人に負けたことから何回と南海をかけたもの
[編集] 鉄道趣味に関して
- ウヤ情 - 交通新聞社が発行する鉄道雑誌の「鉄道ダイヤ情報」には、臨時列車の運行予定表などが載っているが、掲載された列車がよく時刻変更になったり運休になることを、「うやむや」と「運休」を意味する電報略号の「ウヤ」(運転休みの略)に引っ掛けたもの。
- 記者会見 - 撮り鉄が最終運行列車などに向けてフラッシュを一斉に焚く状況。テレビなどで中継される記者会見に集まるカメラマンにたとえて揶揄したもの。
*月刊ヶヶ島 - 鉄道雑誌「鉄道ジャーナル」の蔑称。創業者兼初代編集長である竹島紀元に因んだもので、編集長時代に氏のワンマン体制が原因による雑誌内での読者とのトラブルが相次いだことともかけている。[要出典]
- 葬式鉄 - それまでは見向きもしなかったのに、廃線や廃車が間近になってから、撮影するだけのために、沿線に群がる(増収に貢献していない)鉄道マニアや鉄道オタクを「葬式好きな輩」に例えて揶揄したもの。「一般人に迷惑をかけても平気で、臨終が近付いていることを喜んでいるような、自己中心的な連中が多いから」との痛烈な皮肉も込められている。
- TMS=タイム、マネー、スペース - 鉄道模型雑誌の「鉄道模型趣味」の通称「TMS」(Tetsudo Mokei Shumi)を、鉄道模型を趣味とするのに必要な「時間、費用、(コレクションを収容する、ないしはレイアウトを作成する)場所」に引っ掛けたもの。
- 鉄子 - 女性の鉄道ファンをさす用語。漫画「鉄子の旅」もこれに因む。鉄嬢とも。
- 鉄分 - 鉄道ファンの情熱度を示すもので、「鉄道ファン」は「鉄」と略されることから、栄養素の「鉄分」に掛けたもの。なお鉄道趣味を実行することを、「鉄分補給(補充)」と呼ぶ。
- 盗り鉄 - 蒐集や転売目的で、鉄道施設の備品や鉄道車両の部品を持ち去る窃盗行為を、鉄道写真の撮影を行う鉄道ファンを意味する「撮り鉄」をもじって、揶揄したもの。
- 非鉄 - 鉄道ファンでない人のことを、鉄鋼以外の金属材料を表す総称語の「非鉄」に掛けたもの。
[編集] 単なる駄洒落や語呂合わせ
;ア※ル工機
- :アルナ工機のアナグラム。かつてチョコレート色の阪急電車がここで最も多く製造されていたことにもよる。[要出典]
- 蟻・富・加糖
- 鉄道模型を製作する三大メーカー、 マイクロエース(旧社名:有井製作所)・TOMIX・関水金属(「KATO」ブランド)をそれぞれ指す隠語。「過渡」などのバリエーションもある。
- 一日走ってハンキュウ電車
- 「阪急」と「半休(半日休暇)」を掛けたもの。
- 一回乗ってもナンカイ電車
- 「南海」と「何回」を掛けたもの。
;駅便
- :駅の便所と駅弁を掛ける。『駅鉄(えきてつ)』にとっては必要不可欠な調査項目でもある。[要出典] - ;おスペ - :東武鉄道の「スペーシア」の名称を、おすぎになぞらえた略称。なお、同名の性風俗店でのサービスがある。[要出典]
- :北近畿タンゴ鉄道のこと。いたずらで改変された案内看板がVOW(宝島社発行)に掲載された。[要出典]
- Q
- 九州旅客鉄道(JR九州)のこと。九州の「九」とアルファベットの「Q」の音が似ていることが理由。なお同社のマルス券の券面図柄には「Q」ではなく「Kyushu」の「K」が使われている。なお富士急行は実際のロゴに「Q」を使っている。このような略語は2ちゃんねるの鉄道板利用者がよく用いている。以下の「コヒ」「しЯ」「束」「酉」も同様。しかし、2ちゃんねるのサービス開始以前に、メーリングリストなどでもしばしばみられた。一部のグループ会社では、「jrq_.co.jp」(_に任意の語が入る)のドメインを採用している。[要出典]
- グモ
- 鉄道人身事故(および鉄道自殺)の意。発祥は2ちゃんねるの鉄道総合板で、電車に轢かれた時に発する擬音語「グモッチュイーーン」から[1]。また、旧国鉄が製造した気動車の俗称として一部のファンが呼ぶ場合もあり、これはエンジン音に由来する。
- ;クモハドナルドハンバーガー - :「マクドナルド」の頭文字である「Mc」が、鉄道用語では「クモハ」(制御電動車)となる事から、それに引っ掛けたもの。類義語として、てりやきクモハバーガーやクモハナゲットなどがある。[要出典] - ;ケーオー線新宿二丁目行き - :京王線が乗り入れる都営新宿線の「新宿三丁目駅」が、実際にはゲイ・タウンとして知られる「新宿二丁目」に位置していることと、ゲイ向けアダルトビデオメーカーの「ケーオーカンパニー」を掛ける。[要出典]
- 芸者が乗ってもケイセイ電車
- 「京成」と「傾城(遊女)」を掛けたもの。
- しЯ・しR・し尺
- JRグループの俗称。「J」と「し」、「R」と「Я」の字体が似ていることが理由。[要出典]
- JRコヒ
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)のこと。半角カナ文字で「コヒ」と略すことが多い。カタカナの「コ」、「ヒ」を合わせた「コヒ」と「北」の字体が似ていることが理由。[要出典]
- JR束
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)のこと。「束」と略すことが多い。「東」と「束」の字体が似ていることが理由。[要出典]
- JR酉
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)のこと。「酉」と略すことが多い。「西」と「酉」の字体が似ていることが理由。[要出典]
- 使用中は停車しないでください
- 駅清掃上の問題から、汚物処理装置のない列車便所にあった注意書き「停車中は使用しないでください」のアナグラム。[要出典]
- 全身乗ってもハンシン電車
- 「阪神」と「半身」を掛けたもの。
- たけゆたか線
- 武豊線。騎手の武豊にちなんだ捩り。
- 電車にGO!
- かつて大人気となったテレビゲームの「電車でGO!」をもじったもの。人身事故、踏切事故、駆け込み乗車などを指すことが多い。その後、メーカーであるタイトーが開発した他のシミュレーションゲームも、「ユンボでGo!」などと「電車でGO!」をもじった表現で呼ばれた。一部旅行会社の広告でも「電車でGo!」をもじった表現がしばしばみられた。
- 何もくれないケイヒン電車(急行)
- 「京浜(京急)」と「景品」を掛けたもの。
- パー線
- 久留里線の俗称。「くるり」と「クルクルパー」を掛けたもの。
- 暴走特急
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)千葉支社管内の特急列車を総称する「房総特急」を、映画のタイトル「暴走特急」(原題 "Under Siege 2: Dark Territory":1995年、米 etc.)などと掛けたもの。
- 類義語として「暴走ビューエクスプレス」(255系電車の愛称「房総ビューエクスプレス」から)など。
;はげたか
- :北越急行ほくほく線を経由する特急列車「はくたか」をもじって「禿げ鷹」としたもの。前述した「電車でGO!2」の雑誌広告にも同様のネタが掲載された。[要出典] - ;ひのきのぼう - :かつて、修学旅行列車「ひので」・「きぼう」に使用された155系のこと。ドラゴンクエストシリーズに登場する同名の武器が、ゲーム最初期に出現する(最弱の)装備であり卒業というイメージに結びつくことと、粗暴な修学旅行生が木刀を持ち歩く様からついたと考えられる。[要出典] - ;蓮網 - :「パスネット」のもじり。
- 早稲田が乗ってもケイオー電車(線)
- 「京王」と「慶応(大学)」を掛けたもの。
- なお、京王線沿線には明治大学・首都大学東京などの大学がキャンパスを構えており、途中で他社線に乗り換える中央大学・明星大学などの学生も多く利用している。慶応大学の学生は、東急電鉄・小田急電鉄・JR東日本などを主に利用している。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 『鉄道なるほど雑学事典』(川島令三、PHP研究所)
- 『国鉄の戦後がわかる本(上・下)』(所澤秀樹、山海堂)
- 『列車愛称の謎』(同上)
- 『私鉄史探訪60年』(和久田康雄、ジェイティービー)
- 『新幹線がなかったら』(山之内秀一郎、東京新聞出版局)
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 出典を必要とする記事 | 鉄道と文化 | 言葉遊び | ジョーク