静嘉堂文庫
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静嘉堂文庫(せいかどうぶんこ)は、日本および東洋の古典籍および古美術を収蔵する文庫。三菱財閥の第2代総帥岩崎弥之助(号・静嘉堂)・第4代総帥岩崎小弥太父子の所有した庭園と遺品の古典籍・古美術コレクションを基礎として発足した財団法人静嘉堂の運営で、東京都世田谷区岡本の岡本静嘉堂緑地にある。
数多くの貴重な古典籍と古美術品を収蔵しており、内外の古典籍を研究者向けに公開する私立の専門図書館であると同時に、併設する静嘉堂文庫美術館を通じて収蔵品を広く一般に公開する美術館活動を行っている。
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[編集] 沿革
静嘉堂文庫は、岩崎弥之助が1892年頃、自邸内に創設した文庫「静嘉堂」を起源としており、静嘉堂の名は『詩経』から採られた弥之助の号に由来する。弥之助は兄で三菱創設者である岩崎弥太郎に従って実業界に入る以前、漢学を学んだ経験をもち、恩師である重野成斎の研究を援助する目的から古典籍の収集を始め、和漢の古書や古美術品の収集を熱心に行った。1907年には清の集書家、陸心源の旧蔵書4万数千冊を購入し、宋・元の版本多数を含む貴重なコレクションが文庫にもたらされた。
翌1908年の弥之助死後、その子岩崎小弥太は父の遺志を受け継いで文庫を拡充し、1924年に世田谷区岡本にある弥之助の墓の隣接地に桜井小太郎の設計で静嘉堂文庫を建設、広く研究者への公開を開始した。1940年に小弥太は財団法人静嘉堂を創立し、蔵書や文庫の施設など一切を財団に寄付して岩崎家の家産から切り離した。
戦後の混乱期には財政難に陥るが、1947年に同じく三菱系の私立図書館である東洋文庫(創設者は岩崎弥太郎の子で三菱第3代総帥の岩崎久弥)とともに国立国会図書館の支部図書館となって資料の公開を継続することができた。これは、文庫の資料と施設を所有する財団法人が国立国会図書館と契約を結んで図書館部門を国会図書館の支部図書館としてその傘下に組み入れ、図書と施設は財団の所有に残したまま、財団の図書館業務の人的部分を国会図書館に委託するというものである。
その後、静嘉堂文庫は三菱グループの援助を受けて1970年に国立国会図書館の傘下から離れ、再び三菱グループ経営の私立図書館となった。1977年からは付属の展示室を設けて文庫の収蔵する美術品の公開を開始し、1992年には創設100周年を記念して建設された新館に恒久的な美術館を開館した。
[編集] 活動
文庫(図書館)は、研究者に向けて公開されており、具体的には大学生以上で紹介状を有する者に利用資格が認められている。閲覧は予約制である。
研究に資するため原則として原本を提供するという方針をとっているため、きわめて貴重な宋・元版を除き、明以降の中国の版本などは全て古典籍の原書が閲覧に供されている。資料は貴重書であるため、複写はマイクロフィルムからに限られる。
美術館は、年に4回から5回程度の頻度で毎回テーマを変え、展覧会を行っている。岩崎弥之助の遺言により所蔵品は門外不出とされているため、多くの国宝・重要文化財を含むコレクションは静嘉堂美術館でしか一般に公開されることはない。なお、展覧会の期間以外は展示替えのため美術館は休館する。
[編集] コレクション
静嘉堂のコレクションは岩崎弥之助とその子、小弥太が収集した20万冊の古典籍と5000点の東洋古美術品からなり、国宝7点、重要文化財82点を含む。
弥之助は当時の日本における西洋化の風潮の中で貴重な古典籍や古美術が散逸したり日本から流出することを怖れ、古典籍4万冊を蒐集、また俵屋宗達筆の『源氏物語関屋及澪標(せきやおよびみおつくし)図』屏風を筆頭とする書画・刀剣なども数多く集めた。また、晩年に購入した陸心源旧蔵書には宋版をはじめとする数々の中国古典籍の至宝が含まれている。
小弥太は父の遺志を継いで古典籍・古美術を収集したが、自ら「巨陶」と号したように、古美術品の中でも陶磁器に力を入れた。中でも国宝の曜変天目茶碗(中国南宋時代)は、元徳川将軍家の所蔵から春日局の縁でその子孫である淀藩の稲葉家に伝来したことから「稲葉天目」の通称で知られる逸品で、静嘉堂コレクションの中でも国際的に著名なものである。
[編集] 指定文化財
[編集] 国宝
- 紙本金地著色源氏物語関屋及澪標図 俵屋宗達筆 六曲屏風
- 絹本墨画淡彩風雨山水図 伝馬遠筆
- 紙本墨画禅機図断簡 因陀羅筆(智常禅師図)
- 太刀 銘包永
- 曜変天目茶碗
- 倭漢朗詠抄 巻下残巻(彩牋)
- 趙子昂書 与中峰明本尺牘(六通)
[編集] 重要文化財
絵画
(仏画・垂迹画)
(絵巻)
(室町水墨画)
(近世日本絵画)
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(近代日本絵画)
(中国絵画)
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彫刻
- 木造広目天眷属立像 康円作
- 木造十二神将立像 7躯
工芸品
(日本陶磁)
(中国・朝鮮陶磁)
(漆工)
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(刀剣)
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書跡典籍・古文書
(典籍文書)
(墨蹟)
(宋代刊本)
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