62式軽戦車
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62式軽戦車 | |
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性能諸元 | |
全長 | 6.23 m |
車体長 | 5.55 m |
全幅 | 2.26 m |
全高 | 2.85 m |
重量 | 21.0 t |
懸架方式 | トーションバー方式 |
速度 | 60 km/h |
行動距離 | 450 km |
主砲 | 62式54口径85mmライフル砲 105mm低反動砲(M型) |
副武装 | 54式12.7mm機関銃 59式7.62 mm機関銃 |
装甲 | 溶接鋼板・鋳造装甲 |
エンジン | 12150L-3 水冷V型12気筒 ディーゼルエンジン 430 hp |
乗員 | 4名 |
62式軽戦車(62式轻型坦克・WZ-131)は、ソ連からの技術供与の元開発に成功した59式戦車をスケールダウンさせた中国初の国産戦車である。山岳、水田、河川の多い地域での運用を目的に開発され、1978年までに1200輌以上が生産され国内だけでなく海外にも数多く輸出された。現在でも500輌近くが運用されている。
目次 |
[編集] 概要
59式戦車での戦車生産を元に、中国は本格的に自国での戦車開発をスタートさせた。技術面もあり軽戦車として1958年から設計が始まり、1963年から674工場にて生産が始まる。
62式軽戦車は主に北部の山岳地域や南部の低地など道路条件の悪い地域で重宝され中国国内で約800輌が配備された。積極的な輸出も行われ輸出先として旧北ベトナム(200輌)、スーダン(70輌)、旧ザイール(40輌)、バングラディシュ(40輌)、アルバニア(35輌)、北朝鮮(不明)、タンザニア(30輌)と他方面に渡る。
装甲の厚さはベースとなった59式戦車より遥かに薄く、重量は15t 軽く運用性は高い。59式戦車のエンジンの低馬力仕様の12150L-3型12気筒水冷エンジンを搭載した。
中国では1979年の中越戦争で実戦投入されるも装甲の薄さによる脆弱性を露見した。特に携帯火器であるRPGは脅威でこれにより数多くの車輌が撃破された。これを教訓に翌1980年には装甲を中心に改良が施された62式改軽戦車が開発された。2000年に105mm低反動砲の搭載やERA装着など延命措置としての改良が行われ現在も約500輌近くが中国国内で使用されている。
[編集] 武装
59式戦車に搭載された105mmライフル砲より小型の62式54口径85mmライフル砲を採用。装弾数も47発と多い(後に装弾数62発に増量)。最大射程は1200m。当初はFCS(射撃統制システム)や暗視装置が搭載されていなかった。また移動しながら砲撃する行進間射撃能力は無いに等しかった。
[編集] バリエーション
- 62式軽戦車
- 62式軽戦車の初期量産型。
- 62-I式軽戦車
- 1964年より生産開始。装弾数を62発に増やす。T型マズルブレーキ搭載の新型戦車砲と安定装置、暗視装置を搭載。
- 62-IA式軽戦車
- 開発プランのみ。生産されず。
- 62式改軽戦車
- 中越戦争での教訓をから新たにレーザー測定器やサイドスカート、HEAT弾やRPG対策として装甲が強化されるなどの強化が行われる。
- 62式軽戦車北朝鮮仕様
- 北朝鮮からの依頼によりU-5TU 115mm滑腔砲を搭載したモデル。生産されず。
- 62-IID式軽戦車
- 2000年実施された延命モデル。105mm低反動砲を搭載。新型複合装甲、FCSの強化、新型暗視装置の搭載など。
- 62-IIM軽戦車
- 前面部を複合素材に変更、対HEAT弾対策としてERA(爆発反応装甲)も追加装着される。
[編集] 外部リンク
77式水陸両用装甲兵員輸送車 | 63/80式装甲兵員輸送車 | 85/89式装甲兵員輸送車 | 90式装甲兵員輸送車 |
86式歩兵戦闘車 | 97式歩兵戦闘車 | 00式空挺戦闘車 |