He 111
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ハインケル He 111は第二次世界大戦前から大戦終了までドイツの航空機メーカー、ハインケルが製造し、ドイツ空軍が使用していたレシプロ双発爆撃機。大戦を通じて使用された主力機で、使い勝手の良さから多くの派生機が誕生した。
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[編集] 開発経緯
ドイツはヴェルサイユ条約の規制のため、戦闘機などの開発を民間機の名目でしており、He 111も民間用輸送機として開発が進められており、民間用にC型が開発された。このC型を元に軍用機も研究、開発が進められた。こうして開発された機体は当初、重量過多により巡航速度が予定の数値を大きく下回り、「期待はずれの落第機」の烙印を押されたが、その後DB600Aエンジンを搭載した機体が開発され、この機が実戦配備された。本機は楕円翼や爆弾を胴体内に垂直に搭載する独特な爆弾倉を装備していた。また、ドイツ空軍の「爆撃機の高速化」のコンセプトにも基づいており、当時の爆撃機としては高速であった。
[編集] 実戦
1937年のスペイン内戦で第一線機としてデビューし、1939年のポーランド侵攻や1940年のフランス戦など、大戦当初は主力機として活躍したが、爆弾の大型化に伴い速度が低下し、また防御力も低かったため、バトル・オブ・ブリテンでは大損害を被った。その後は爆撃任務のほとんどをJu 88が行うようになり、He 111はミサイル母機や偵察機、雷撃機として活躍した。また、1942年にはスターリングラードで包囲された友軍への補給任務を行い、大戦末期にはほとんど輸送機として任務に就いた。
[編集] 仕様 (H-6)
出典: Jane's Fighting Aircraft of World War II[1]
諸元
- 乗員: 5名(パイロット、航法兼爆撃手、機首銃手、腹部銃手、尾部銃手)
- 全長: 16.4 m (54 ft 6 in)
- 全高: 3.9 m (13 ft 9 in)
- 翼幅: 22.5 m (74 ft 3 in)
- 翼面積: 86.5 m2 (942 ft2)
- 空虚重量: 7,720 kg (17,000 lb)
- 運用時重量: 12,030 kg (26,500 lb)
- 最大離陸重量: 14,075 kg (31,000 lb)
- 動力: ユモ 211 F-1 液冷V型12気筒エンジン, 986 kW (1,300 hp) × 2
性能
- 最大速度: 400 km/h (250 mph)
- 航続距離: 2,800 km (1,521 海里, 1,750 マイル)
- 実用上昇限度: 8,390 m (27,500 ft)
- 上昇率: 5,185 m/min (17,000 ft/s)
- 馬力荷重(プロペラ): .082 kW/kg (.049 hp/lb)
武装
- 固定武装:MG15またはMG81 7.92mm機関銃 7門
- 後に以下の火器と換装。
- MG FF 20mm機関銃 1門
- MG131 13mm機関銃 1門
- 後に以下の火器と換装。
- 搭載爆弾:2000kg(4,400 lb)胴体内搭載 もしくは 外部2000kg及び胴体内500kg(1,100 lb)搭載
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[編集] 注釈
- ^ Bridgman, Leonard, ed. "The Heinkel He 111 H". Jane's Fighting Aircraft of World War II. London: Studio, 1946. 167. ISBN 1-85170-493-0