Rh因子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Rh因子(独:Rhesusfaktor)とは、血液型を決定する因子の一つ。
[編集] 概要
1940年にオーストリアの医学者カール・ラントシュタイナー及びアレクサンダー・ヴィナーがD抗原を発見したのが始まり。Rhは、実験に使用されたアカゲザル(独:Rhesusaffe、英:Rhesus monkey)の頭文字から。
赤血球膜の抗原により判定される。現在は40種以上の抗原が発見されているが、輸血の際の副作用の関係でD抗原、C/c抗原、E/e抗原で判定する場合が多い。ただし一般的には、D抗原の有無で陽性・陰性を表記する。ABO式と異なり自然抗体は形成されないため、血清中の抗体を検査して判定することはない。
D抗原を持たないRh-型の人にRh+型の血液を輸血すると、血液の凝集、溶血等のショックを起こす可能性がある。またRh-型の女性がRh+型の胎児を妊娠すると、病気・流産の原因となることがある。なお、ABO式血液型と違い、Rh-型の人はD抗原の自然抗体を持たない。そのため、Rh型不適合妊娠による胎児への影響は、第2児以降の出産かD抗原に何らかの形で感作した場合にしか起こらない。ABO式血液型不適合で起こりにくい胎児への悪影響がRh型で起こるのは、抗A抗体や抗B抗体がIgMで胎盤通過性を持たないのに対し、抗D抗体がIgGで胎盤通過性を持つからである。なお、予防のために初回出産時に抗Dグロブリン製剤を投与し、母体が抗D抗体を産生しないように予防するのが一般的である。
- Rh+ (D抗原陽性)
- Rh- (D抗原陰性)
日本人の99%以上はRh+である。バスク人にはRh-が多いことで知られる。 ちなみに、最も少ないとされるAB型のRh-は2000人に1人の割合である。
[編集] 血液型がRh-である日本の著名人
- 井田由美(アナウンサー)
- 柿原徹也(声優)
- 笠井信輔(アナウンサー)
- 北川久仁子(パーソナリティ)
- 鈴木えみ(タレント)
- 堤下敦(タレント)
- 渡嘉敷勝男(ボクサー)
- 松本潤(タレント)
- 吉田敬(タレント)
- 渡辺俊介(プロ野球選手)
- 八木真澄(タレント)