Second Life
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Second Life(セカンドライフ)は、米・サンフランシスコに本社を置く、 リンデンラボ( Linden Lab )社が運営するバーチャル世界のこと。Linux、Macintosh、Windowsに対応している。アカウント数が500万以上存在する。
オンラインゲームと呼称されることが多いが、 リンデンラボ はWorldと呼称している。また、World内に存在するコンテンツのほとんどはユーザの手によって作り上げられており、ゲームというよりもシミュレータと呼ぶべきであるとの声もある。
そうしたことから、オンラインゲーム感覚で利用するユーザーと、仕事や教育目的で利用するユーザーとに分かれている。
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[編集] Big Six
Big Six(ビッグ・シックス)とは、SecondLife内における、プレイヤー間のトラブル発生を避けるため、穏便な交流を行うために設けられた禁止指針。各種トラブルの解決は、これに沿って行われる。
- Intolerance - 人種や宗教、性別などへの差別行為
- Harassment - 脅迫やセクシャルハラスメントなどの行為
- Assault - 非戦闘エリアでの、相手に同意を得ないまま行う攻撃行為
- Disclosure - 公開されていない個人情報の暴露行為
- Indecency - アダルト表現が制限されているエリアでの破廉恥な行動
- Disturbing the Peace - スパムの送信、イベントの妨害などの迷惑行為
[編集] 通貨
Second Life内では、専用の通貨 Linden Dollar(リンデン ドル・L$)が発行されており、現実通貨のUS$と換金が可能。時価によって多少上下するが、平均1US$=300L$程度。Second Life公式サイトや、各種マーケットサイト等から換金が可能。
[編集] オブジェクト
ユーザが各自で作成可能。所有権の設定や値段をつけることができる。
[編集] プリム
3Dオブジェクトであり、ユーザが各自でアップロードしたり他のユーザから購入した様々なものを付加することができる。プリム総数は土地の面積によって制限され、一般的に広いほど上限も高くなる。一定の規則内でさまざまな変形が可能。
[編集] テクスチャ
プリムに対して貼り付けることができる。対応しているファイルタイプは BMP・JPG・TGAなど。
[編集] アニメーション
BVH形式のアニメーションファイルが使用可能。一般的に市販されている3Dツールや、一部のフリーウェアなどで作成ができる。
[編集] スクリプト
Second Life専用のスクリプト言語Linden Script Languageを用いる。C言語とよく似ている。Second Lifeの様々なオブジェクトに変化を起こしたり、一定の制限内で外部との通信も可能。プリムの中に入れることによって動作する。
[編集] 土地
SecondLifeの大半の行動は土地単位で制御がなされる。陸地だけではなく水面も含まれる。一部の公式用地を除いて、全ての土地はユーザの所有物であり、それらユーザによって行動が制限されることがある。ユーザ所有の土地の中にも限りなくパブリックに近い土地があるが、いずれの場合のおいても規約に反しない限り、その土地の所有者による方針が優先される。
[編集] 面積の単位
土地はsqm(平方メートル)を単位として呼称され、土地の広さの最大値は65,536sqmである。最大値の面積の土地をSIMと呼称し、65,536sqmより広い土地はSIMを単位として呼称される。土地の所有者は土地の各種設定を変更できる。分割及び結合もできるが、結合する場合の最大値は65,536sqmである。土地はメインランドとプライベートランドに分かれる。
[編集] メインランド
メインランドは リンデンラボがsqm単位もしくはSIM単位でのオークションによる分譲、または所有していたユーザが売却しているものから購入を行う。所有した面積に応じて維持費が発生するが、512sqmまでは維持費が発生しない。なお、メインランドの土地を所有するためには、アカウント料金の支払いを行う必要がある。メインランドに土地を所有したアカウントが削除、あるいは土地の所有権が消滅した場合、その土地の所有権はLinden Labに移される。
[編集] プライベートランド
プライベートランドはユーザが リンデンラボからSIM単位で購入を行う。メインランドとの大きな違いは、SIM単位の各種設定を変更できること。メインランドの1つのSIM内で65536sqmの面積を所有しても、SIM単位の各種設定は変更不可能。
[編集] 土地の所有方法
土地を所有する場合、一般的にメインランドで購入するか、プライベートランド内で貸し出されているスペースを借りる方法がある。両者の大きな違いは、メインランド購入の場合は リンデンラボにアカウントの支払いをする必要があるが、プライベートランド賃貸の場合は土地の所有者に対して支払いを行うため、プライベートランド賃貸の条件次第では無料アカウントでも可能だということ。大概の場合、料金が発生することには変わりない。
[編集] ファーストランド
ファーストランドという名目で、一度だけメインランドの土地を512sqmのみ512L$で購入する権利が与えられていた。これは、有料アカウントに変更した後でサイズに関わらず土地を購入していない場合のみ対象となる。一時的にでも土地を個人で所有した場合は対象から外れる、ということでもある。たとえ購入直後にグループ所有にした場合でも例外ではない。 土地を所有することを奨励する意味で行われていたが、運営側の望まない形での利用(転売・買占め)が横行したため、この形式での提供は終了した。
[編集] サンドボックス
全てのユーザ向けに解放された土地であり、その土地に定められたルール内で自由に使用することが可能。殆どのケースで、商品販売不可・武器使用不可などの制限が課せられている。人が集中する上に、存在するオブジェクト数と動作するスクリプトなどが多いため、全体の負荷が高いことが多い。
[編集] ウェルカムエリア
初めて間もないユーザが操作に慣れることを目的に作られているスペース。公式側で用意した土地以外にも、企業や一般ユーザの手によって用意されるケースもある。アカウント作成後、殆どの場合このスペースに移動させられるため、人が集中して負荷が高くなっているケースが多い。
[編集] アカウント
[編集] ベーシックアカウント
特に費用がかかることはない。ただしL$が受動で手に入ることがないので、L$が必要となる行為をするためにはL$を リンデンラボから購入するか、他のユーザから入手する以外ない。
アカウントを取得するには、英語版公式ホームページから、名前と姓の入力、生年月日の選択、メールアドレスの入力が必要である。
[編集] プレミアムアカウント
メインランドの土地の所有権付与・毎週一定額のL$の受給が行われる。アカウントの支払いは長期間分をまとめて支払う場合、多少の割引がなされる。毎週受給されるL$に関しては、経済バランスの調整のため変更がなされることがある。
[編集] アカウント総数
- 100万 - 2006年10月19日早朝
- 200万 - 2006年12月18日
- 300万 - 2007年1月28日
- 400万 - 2007年2月25日
- 500万 - 2007年3月28日
[編集] Second Lifeを通じたビジネス、団体活動
Second Life内で、一般企業によるビジネス向けの活動や、政府機関の大使館を設立するなど、一般の団体が参入している。
- デルコンピュータ社は、Second Life内でプレスリリースを発表[1]
- ロイターが支局を開設[2]
- クリスチャン・ディオールがSecond Life内で新作を発表 [3]
- IBMがSecond Life内で自社イベントを開催[4]
- スウェーデン政府がバーチャル大使館を設立 [5]
- ブックオフが広告配信を開始[6]
- ミクシィが、新卒採用のオフィスを開設[7]
- シティグループ・ブラジルの「Credicard Citi」が自社クレジットカード顧客層向けのゲームを提供。Brazil Credicard Citi Inaugurates Point-of-Service in Virtual World Software: Second Life
[編集] 参考文献
- ^ Dell、オンラインRPG「Second Life」の世界に進出
- ^ Reuters、オンラインゲームのSecond Life内に支局を設立
- ^ ディオールがSecond Lifeで最新作を発表!
- ^ IBM、『Second Life』で仮想『Lotusphere』を開催
- ^ スウェーデン政府が「セカンドライフ」にバーチャル大使館を開設
- ^ Second Lifeにブックオフが出現
- ^ 「セカンドライフ」上でバーチャル新卒採用オフィスを開設