ThinkPad X
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ThinkPad Xシリーズ(シンクパッド エックス -)は、レノボ(元はIBM)のノートパソコン、ThinkPadブランドの一シリーズ。
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[編集] コンセプト・特徴
ThinkPad Xシリーズは『パワーモバイル』をコンセプトとしており、携帯性を重視しながらも、高性能を維持したシリーズである。 基となった系統(前モデル)は2シリーズあり、一回り大きなThinkPad 570シリーズと小さなThinkPad 240シリーズの後継と位置づけされている。 ThinkPad 240/ s30 が携帯性あるいはバッテリー持続性を最重視しているのに対し、Xシリーズはそれらより一回り大きくなり(12.1インチ画面のB5ファイルサイズ)、携帯性は若干後退している。また、バッテリー持続性よりも性能バランスを重視している。 1スピンドルノートPCであり、フロッピーディスクドライブとCD-ROMドライブは基本的にオプションとなっている。USB接続の外付けドライブ または 専用のウルトラベースを用いる。ウルトラベースは前モデルのThinkPad 570シリーズから搭載され、本体に収まりきらないドライブ類やレガシーデバイスをドッキングベースに収めるという発想で、Xシリーズはそのコンセプトを受け継いでいる。 基本的に本体側のレガシーデバイス・コネクターは排除されており、外付けのストレージデバイスはUSB接続となる。X2x、X3xではコンパクトフラッシュスロットが搭載された。X4x、X6xではSDメモリーカードスロットが搭載されている。
[編集] ThinkPad X2x系統
ThinkPad X2xシリーズは、搭載されるチップセットで、X21までとX22以降のモデルに大きく2つに分類される。
[編集] ラインナップ
- X20, X21 (i440ZXMチップセット搭載。CPUは Celeron500MHz または Pentium III 600MHz/ 700MHz)
- X22, X23, X24 (i830Mチップセット搭載。CPUは Pentium III-M 733MHz~1.13GHz)
[編集] ThinkPad X3x系統
ThinkPad X3xシリーズは、T3シリーズをそのまま小さくしたような外観を持つ。当初から当時の次世代CPUであるインテルPentium M を搭載することを前提として開発され、発売前にはプロトタイプは完成していた。しかしX24の時点でX2x用筐体の放熱容量に余裕がなくなっていたので、新型チップセットとCPUがリリースされるまでの繋ぎとして、同等の仕様で新しい筐体にしてX30として発売された。グラフィックチップはATI MOBILITY RADEONではなく、チップセット内蔵グラフィックとされた。また、USBはリビジョン1.1のままだった。枯れたデバイスを用いたため安定性は申し分なかったが、発売当時からすぐに時代遅れになることがわかっていたためマーケットでの評価はいまいちだった。
程なくして、Pentium Mがリリースされたので、それを搭載したX31に切り替えられた。グラフィックチップはATI MOBILITY RADEONに戻されたものの、一貫して無印RADEONだったため、インターネット掲示板において一部のユーザー間でスペック論争になった。 i855M系チップセット自体の完成度が高く、マシンの安定性も高かったため、単一モデルで1年半以上も販売され続けられた。
[編集] ラインナップ
- X30 (i830GMチップセット搭載。CPUは Pentium III-M 1.06GHz/ 1.2GHz。 また、シンクパッド10周年記念モデルとしてミラージュブラック天板の2002台限定モデルがある。)
- X31 (i855Mチップセット搭載。CPUは Pentium M 1.3GHz - 1.7GHz)
- X32 (i855Mチップセット搭載。CPUは Pentium M 725 - 745)
[編集] ThinkPad X4x系統
ThinkPad X4x系統は、sシリーズの販売中止以来空白になっていたコンパクトモバイルクラスのラインナップを埋めるべくリリースされた。X3xシリーズの後継というわけではなく、棲み分けがされていた。また、ThinkPadでは初めて1.8インチHDDが搭載された。
[編集] ラインナップ
- X40 (i855Mチップセット搭載。CPUは超低電圧版または低電圧版の Pentium M 1.0GHz - 1.4GHz、 Pentium M 713 - 753, 718 - 778)
- X41 (i915GM Expressチップセット搭載。CPUは Pentium M 758, 778)
- X41 Tablet (コンパクト・タブレットPC)
[編集] ThinkPad X6x系統
IBMのPC事業がレノボに売却されてから発売されたモデル。筐体サイズはX4x系統の流れを汲んでいる。2.5インチシリアルATA-HDDが搭載される。但しX60sの一部モデル(2533-A5J)では、軽量化のために1.8インチのパラレルATA-HDD(HDD交換不可)が使われているモデルもあった。キーボードにWindowsキーが追加された。CPUはIntel Coreシリーズが搭載された。
[編集] ラインナップ
- X60 (X3xの後継。インテル945GM Expressチップセット搭載。CPUは標準版CoreDuoT2300,T2300E,T2400もしくはCore2Duo T5500,T5600,T7200もしくはCoreSolo T1300。)
- X60s (X4xの後継。インテル945GM Expressチップセット搭載。CPUは低電圧版CoreDuo L2300,L2400,L2500もしくはCoreSolo U1300。)
- X60 Tablet (X41 Tabletの後継。インテル945GM Expressチップセット搭載。CPUは低電圧版CoreDuo L2400。)
[編集] i Series 1620
X20の派生モデルとして、コンシューマー市場向けの i Series 1620が販売された。筐体はブラックシルバー塗装され(ラバーブラックのモデルもあり)、ウルトラベースが一部グレードを除き標準添付だった。
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