YFU
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Youth For Understanding (YFU)は、高校生の交換留学をサポートする、世界最大の国際交流組織(財団法人)。高校生を中心とした若者が異文化での生活体験をすることで、本人やその周りの人たちが文化の壁を越えてお互いに理解し合い、人間的に成長し、その結果すべての人々にとって住みよい世界を作っていくことを目的としている。現在では、世界60の国と地域(2006年1月現在)において各国YFU組織が、明日を担う若者たちの異文化体験・高校生交換留学プログラムを推進している。
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[編集] 沿革
第二次世界大戦の国際理解による世界平和を目指し、アメリカ・ミシガン州アナーバーでレイチェル・アンドレセンにより創設。アメリカ国務省の要請を受け西ドイツからの高校生75名のホストファミリーを確保。
国際交流プログラムの質を維持し向上させるために、YFU高校生交換留学のための基本規準「International Basic Standards for Secondary School Exchanges of Youth For Understanding」(略称、ベーシック・スタンダード)を制定。
アメリカで創立50周年。
YFU財団は、アメリカ・プログラムを運営するYFU USA財団と、国際業務を担当するYFU IES財団(YFU国際センター)に分離。事務所はいずれもメリーランド州にある。 YFU USA財団は、アメリカ国際教育旅行基準評議会の推薦名簿に掲載され、J-1ビザ(正規交換留学ビザ) に必要な留学資格証明書 (DS-2019) の発行権をアメリカ国務省より与えられている。
[編集] 組織
各国にYFUのボランティアが組織されており、これらボランティアによってプログラムが支えられており、また国際交流を支える貴重な存在となっている。ボランティアは大きく分けて、地区委員と副地区委員の2種類があり、前者は主に過去のYFUプログラム参加学生の親、後者はYFU帰国生で構成されている。 地区委員は主に、プログラム参加者の選考、オリエンテーションの実施、異文化適応指導、カウンセリング、外国人学生のためのホストファミリー・インタビュー、派遣学生、受入学生の日常的サポートなどにYFUスタッフと協力して携わる。副地区委員は上記地区委員の活動にアシスタントとして協力する。
[編集] 交流国
- 北米
アメリカ、カナダ
- 中南米
アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル、コロンビア、チリ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラ、メキシコ
- 欧州
オーストリア、ベラルーシ、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、グルジア、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、アイルランド、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、モルドバ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スペイン、スウェーデン、スイス、ウクライナ、イギリス
- アジア
日本、韓国、中国・香港、フィリピン、台湾、タイ、ベトナム、アゼルバイジャン、カザフスタン、インド、モンゴル、スリランカ
- オセアニア
- アフリカ
※相互交流している国は、各国によって異なる。
[編集] オリエンテーション
留学のために必要な情報をYFUプログラム参加者に伝達する場、またスムーズに異文化へとけ込むための訓練の場である。大切な事前準備研修として位置づけられており、ホームステイと現地高校通学を中心とした異文化生活体験プログラムの成果をあげ、留学を成功させるためには欠かせない行事である。YFUがボランティア組織に根ざし、一人ひとりの学生の体験が実に多くの人々の努力や善意に支えられているということ、そして、国際相互理解を広げることにより世界平和に寄与するという理念を理解させるためにも、大切な意味がある。さらに、学生とホストファミリーの安全を確保するために適切かつ必要な情報を提供し、YFU共通のルールを確認し学び合う機会となる。したがって、学生のみならず保護者に対しても計画的に実施されている。
[編集] ホストファミリーの選定
ホストファミリーの選定は派遣先国のYFUによって、責任をもって行われるが、実際には現地の地区委員がその選定に当たる。 ホストファミリー選定のプロセスにおいては「YFU学生ファイル」(参加学生本人が作成する英文書類)、とくにホストファミリー宛の手紙、上半身写真・スナップ写真が重要な資料になる。 地区委員は、コーディネーターその他の協力の下に、次のプロセスに従ってホストファミリーを選定する。
- ホストファミリーの募集、インタビューを行う
- 地区委員が各家庭に以下の点に留意してインタビューを行う
- 受入動機と家族全員の受入同意
- 異文化理解度
- ボランティア精神
- その他(人種偏見のないこと等)
地区委員はインタビューの結果と受入学生のデータを対照させて、ホストファミリーと学生の組み合せ配置案を作成する。 そして、派遣先国のYFUが最終的に、地区委員からの連絡を受け学校の受入状況も勘案して決定する。 派遣先国内で個人的な知り合いでホストをしてくれる人がいる場合は、現地のYFUがその家庭にアプローチし、通学高校が得られるか等を調べた上で、とくに問題がなければ、そこをYFUホストファミリーとして採用する。
学生および保護者に、派遣先国のホストファミリーの詳細について知らせるのは、学生が出国する数週間前である。
[編集] リンク
YFU日本国際交流財団 http://www.yfu.or.jp/index.cgi
YFU USA(英語) http://www.yfu-usa.org