ルクセンブルク
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- ルクセンブルク大公国
- Grand-Duché de Luxembourg (フランス語)
Großherzogtum Luxemburg (ドイツ語)
Groussherzogtum Lëtzebuerg (ルクセンブルク語) -
(国旗) (国章) - 国の標語 : Mir wëlle bleiwe wat mir sinn
(ルクセンブルク語: 我々は今ある状態を保ちたい(我々は独立していたい)) - 国歌 : 我が母国
-
公用語 ドイツ語、フランス語、ルクセンブルク語 首都 ルクセンブルク 最大の都市 ルクセンブルク 大公 アンリ大公 首相 ジャン=クロード・ユンケル 面積
- 総計
- 水面積率世界第168位
2,586km²
極僅か人口
- 総計(2004年)
- 人口密度世界第163位
462,690人
179人/km²GDP(自国通貨表示)
- 合計(2005年)
271億ユーロ (€) ¹ ²GDP(MER)
- 合計(2005年)世界第61位
356億ドルGDP(PPP)
- 合計(2003年)
- 1人当り世界第91位
250億1,000万ドル
55,100ドル独立
- 日付オランダより
1867年5月11日通貨 ユーロ (€) ¹ ²(EUR) 時間帯 UTC (+1)(DST: +2) ccTLD LU 国際電話番号 352 - 註1 : 1999年以前の通貨は、ルクセンブルク・フラン
註2 : ルクセンブルクのユーロ硬貨
ルクセンブルク大公国(ルクセンブルクたいこうこく)、通称ルクセンブルクは、西ヨーロッパの国。首都はルクセンブルク市。ベネルクス三国といわれる小国のひとつ。隣接国は、南のフランス、西と北のベルギー、東のドイツである。
目次 |
[編集] 国名
正式名称は、フランス語でGrand-Duché de Luxembourg(グランデュシェ・ドゥリュクサンブール)、ドイツ語でGroßherzogtum Luxemburg(グロースヘルツォークトゥム・ルクセンブルク)、ルクセンブルク語でGrousherzogdem Lëtzebuerg。
公式の英語表記は、Grand Duchy of Luxembourg(グランド・ダチィ・オブ・ラクセンバーグ)。通称、Luxembourg。
日本語で一般的な表記は、ルクセンブルク大公国。通称、ルクセンブルク。以前はルクセンブルグと表記されることも多かったが、現在はあまり使われない。インターネット上などではフランス語音に基づく リュクサンブール の表記も見られることがある。
[編集] 歴史
963年、アルデンヌ伯ジークフリートが本拠地に定める。1060年頃、ルクセンブルク家に伯爵位が与えられる。14世紀から15世紀にはルクセンブルク家から神聖ローマ皇帝やボヘミア王を出し、ハプスブルク家のライバルとなる。1354年、ルクセンブルク朝の皇帝カール4世によって伯領から公領へ昇格される。しかしルクセンブルク家はカール4世の息子の代で断絶し、ルクセンブルク公領は抵当に入れられた後、1461年にブルゴーニュ公国に併合される。
ハプスブルク家とフランスとの支配を受けた後、1815年、ウィーン会議の結果、ドイツ連邦に加盟し、オランダ王を大公とするルクセンブルク大公国となる。1839年、領土の西半分をベルギーに割譲(リュクサンブール州になる)、オランダともベルギーとも明確に分断されたこの時が、近代主権国家としてのルクセンブルク大公国の実質的な建国の始まりとなる。1867年、プロイセンとフランスの緩衝国として永世中立国となる。1890年、ナッサウ公アドルフがルクセンブルク大公となり、オランダとの同君連合を解消する。
第一次世界大戦と第二次世界大戦においては、ドイツ占領下に置かれる。1948年、ベネルクス三国間で関税同盟を結成。1949年にはNATOに加盟し永世中立を放棄した。1957年にヨーロッパ経済共同体、1967年に欧州連合、1999年にユーロ圏へといずれも原初加盟国として参加している。
[編集] 政治
立憲君主制。国家元首は大公。現在では唯一の大公の位を有している。この大公は、世襲制。内閣とともに行政権を執行する。
議会は一院制。全60議席、任期5年。議員は、直接選挙で選出される。また、議会に対して助言をする国務院(コンセイユ・デタ)がある。メンバーは全21名で、首相の推薦に基づき、大公が任命する。
[編集] 地方行政区分
3つの広域行政区に分かれる。
広域行政区の下には12の県が、県の下には126の基礎自治体(コミューン)があり、三層構造となっている。
[編集] 地理
国土は南北82km、東西57kmにわたって広がる。 神奈川県や佐賀県くらいの広さの国土に、人口は46万人強(神奈川県は約870万人、佐賀県は約87万人)。
国土の大部分には丘と低い山地が広がる。首都ルクセンブルクの標高は379m。最高地点は同国北端に近いクナイフの丘 (Kneiff, 560m)。
ローマ帝国時代から、街道が交わる重要拠点であった。北部はベルギーから続くアルデンヌ高原、南部はフランスから続くロレーヌ台地。東側のドイツとの国境は、モーゼル川が流れる。
[編集] 気候
ルクセンブルクの気候はケッペンの気候区分によると西岸海洋性気候に分類される。
首都ルクセンブルクの年平均気温は、1961年から2000年の30年平均値で8.6度。月別平均気温が最も低くなるのは1月(0.2度)、最も高くなるのは7月(17.2度)である。
年間降水量は847.7mm。図からも分かるように月別降水量の年間における変化に乏しい。最も降水量が少ないのは2月 (59.6mm)、最も多いのは11月 (79.3mm)である。どの月においても降水が観測された日が過半数を占める。
相対湿度が最も低くなるのは4月から6月にかけてであり、73%である。最も高い月は12月 (90%)。年平均値は81%。
[編集] 経済
ルクセンブルクの経済は非常に豊かである。 一人当たり国民総所得世界一位を誇る。 アルセロールに代表される鉄鋼業が昔より盛んで、これが現在の経済大国ルクセンブルクの礎となっている。一方で、ルクセンブルク内の大企業の殆どは貴族の流れを汲む富裕層の家族経営である。また、非常に好調な経済とは対照的に貧困層は近隣諸国と比較しても決して少なくない。これらの貧困層は、主にフランス語圏の国々からやってきた人々であるため、ルクセンブルク語で「フランス人の」を意味する言葉が隠語として使われている。
[編集] 国民
住民はケルト人、ゲルマン人などの混血が主で広義のドイツ人に属する。外国人の割合は高く3分の1程度である。主な外国人はポルトガル人、イタリア人、フランス人である。
言語はドイツ語、フランス語、ルクセンブルク語の3つが公用語とされているが、法令などの公文書には主にフランス語が使われ、日常語としてはドイツ語の方言であるルクセンブルク語(国語)が一般に使われる。またその他に外国人がそれぞれの母国語(ポルトガル語やイタリア語など)を使用する。
宗教はローマ・カトリックが87%、プロテスタント、ユダヤ教、イスラム教などが13%である。
[編集] 文化
[編集] 世界遺産
ルクセンブルク国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が1件ある。ルクセンブルクは、もともと丘の上に築かれた城を中心に発展した小国だが、その城と市街が、「ルクセンブルク:その古い街並みと要塞群」として、1994年に登録された。
[編集] 祝祭日
日付 | 日本語表記 | 現地語表記 | 備考 |
---|---|---|---|
1月1日 | 元日 | ||
2月下旬 | カーニバルの月曜日 | ||
移動祝日 | 復活祭 | ||
移動祝日 | 復活祭後の月曜日 | 復活祭の翌日 | |
5月1日 | メーデー | ||
移動祝日 | 主の昇天 | 復活祭の40日後 | |
移動祝日 | 聖霊降臨 | 復活祭の50日後 | |
移動祝日 | 聖霊降臨後の月曜日 | 聖霊降臨祭の翌日 | |
6月23日 | 建国記念日 | ||
8月15日 | 聖母被昇天祭 | ||
移動祝日 | ルクセンブルク市・ケルメス祭の月曜日 | 8月 | |
11月1日 | 諸聖人の日 | ||
12月25日 | クリスマス | ||
12月26日 | ボクシングデー |
[編集] 有名な出身者
- ジャン・クロード・オロリッシュ - イエズス会士
- ヒューゴー・ガーンズバック - サイエンスフィクションの父
- ヨハン・ペーター・キルシュ - 教会史家
- アン・クレーマー - テニス選手
- フランク・シュレク - ロードレース選手
- ヴィルヘルム・クロール - 冶金技術者
- エドワード・スタイケン - 写真家
- ミッシェル・スタイヘン - カトリック神父、日本研究家
- エーミール・ヒルシュ - ラビ
- テオドール・フンク=ブレンタノ - 社会学者
- フランツ・フンク=ブレンタノ - 歴史家
- ギレス・ミュラー - 男子プロテニス選手
- アーノ・マイヤー - 歴史家
- ジャン=クロード・ユンケル - ルクセンブルク首相
- ガブリエル・リップマン Gabriel Lippmann - 化学者
- ルクセンブルク家
[編集] 関連項目
Skype(スカイプ)は、ルクセンブルクのSkype Technologies社のインターネット電話の無料ソフトウェア。
[編集] 外部リンク
[編集] 公式
- 政府公式サイト - フランス語
- 在日ルクセンブルク大使館
[編集] その他
- 世界の国々 > ヨーロッパ
-
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