つがる型巡視船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つがる型巡視船(つがるがたじゅんしせん)とは、ヘリコプター1機を常載する海上保安庁のPLH型巡視船のこと。なお、PLHはPatrol Vessel Large with Helicopterを略したものである。
1977年、日本の排他的経済水域が沿岸から200海里に拡張され、その面積はおよそ405万km²と増大した。これにより海上交通の確保が一層求められるようになった海保は、ヘリを搭載し広範囲にわたる海域に対処でき、他の巡視船艇を指揮できる巡視船として、つがる型巡視船の建造を開始した。
1999年に発生した北朝鮮による能登半島沖不審船事件においては、PLH06「ちくぜん」が出動。ヘリ搭載という利点を生かし、洋上で特殊警備隊(SST)が乗船した。また、20mm機関砲による警告射撃も行っている。2001年の九州南西海域工作船事件においてはPLH04「はやと」が派遣され、後方指揮を担った。
現在、第三、第四、第六管区を除く各管区海上保安本部にほぼ一隻ずつ配備されている。
[編集] 要目
- 総トン数:約3,200トン
- 全長:105.5メートル
- 全幅:15.0メートル
- 深さ:8.0メートル
- 速力:23ノット
- 乗員:69名
- 航続距離:約6,000海里
- ヘリ甲板・格納庫
- 搭載ヘリ:ベル212
つがる型巡視船の設計は各船ごとに若干の差異があるため、上記の要目は目安である。
[編集] 同型船一覧
番号 | 船名 | 所属 | 配属 | 船名の由来 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
PLH02 |
|
第一管区 函館海上保安部 | 1979年4月17日 | 海峡名津軽海峡から | |
PLH03 |
|
第十管区 鹿児島海上保安部 | 1979年10月18日 | 地名大隅半島から | |
PLH04 |
|
第十管区 鹿児島海上保安部 | 1980年3月5日 | 薩摩隼人から | 1997年3月24日 「うらが」から船名変更 |
PLH05 |
|
第二管区 塩釜海上保安部 | 1983年3月19日 | 山岳名蔵王連峰から | |
PLH06 |
|
第七管区 福岡海上保安部 | 1983年9月28日 | 旧国名筑前国から | |
PLH07 |
|
第五管区 神戸海上保安部 | 1984年9月27日 | 旧国名摂津国から | |
PLH08 |
|
第九管区 新潟海上保安部 | 1990年2月28日 | 旧国名越後国から | |
PLH09 |
|
第十一管区海上保安本部 | 2000年3月31日 | 旧国名琉球国から | |
PLH10 |
|
第八管区 境海上保安部 | 2001年10月1日 | 山岳名大山から |