津軽海峡
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津軽海峡(つがるかいきょう)とは、北海道と本州の間にある海峡。日本海と太平洋とを結ぶ海峡であり、国内法によって特定海域と定義されている。(よってこの海域は国際法的には公海となり、いわゆる国際海峡にはあたらない。即ち、国際的には国際海峡と呼ばれないが、国内的には国際海峡と呼称されるという、奇異な現象が起きている。その経緯については特定海域を参照)東西は約130km、最大水深は約450m。軍事上の要衝でありチョークポイントのひとつに数えられる。
[編集] 交通
最も幅が狭いのは海峡東側、亀田半島の汐首岬と下北半島の大間崎の間で、約18.7kmある。これに対し西側の松前半島白神岬と津軽半島竜飛崎間は19.5kmとやや長いが、水深が約140mと浅くなっているため、ここを鉄道専用の青函トンネル(津軽海峡線)が通っている。道路トンネルや道路橋はないが、名目上は国道279号、国道280号、国道338号が海峡を横断している。古くから津軽海峡大橋構想が議論されているが、技術的にも資金的にも課題が多く、海底道路トンネルに関しても排気ガスの換気やトンネル内の交通事故や火災防止対策など課題が多いため実現のめどは立っていない。海上交通は函館から青森・大間のそれぞれにフェリーが運行されている。このほかに外ヶ浜町と福島町を結ぶ三福航路(「三」は旧三厩村(現・外ヶ浜町)、「福」は福島町)があるが、1998年以来休航が続いている。
[編集] 地形
動植物の分布境界線の一つであるブラキストン線が津軽海峡に設定されている。最終氷期(約7万年~1万年前)の海面低下は最大で約130mであり、最大水深でも70mほどである宗谷海峡は完全に陸続きになった。これに対し、最も浅い所で140mの水深がある津軽海峡は、中央に大河のような水路部が残ったために両岸の生物相が異なる結果となった。津軽海峡中央部の海底には峡谷のような地形が東西に伸びているが、これはこの時期に水路部を流れた潮流が海底を削ったためと考えられている。