第九管区海上保安本部
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第九管区海上保安本部(だいきゅうかんくかいじょうほあんほんぶ)とは、主に北陸~東北地方の日本海、ならびに新潟県、富山県、石川県、長野県を管轄範囲とする、海上保安庁の管区海上保安本部の一つである。
略称は九管(九管本部と称呼することもある)、英語表記は9th Regional Coast Guard Headquarters。本部は新潟県新潟市中央区万代にあり、下部組織として4つの海上保安部、4つの海上保安署・分室、航空基地1カ所を有する。
第九管区は、海岸線こそ新潟・富山・石川の3県のみだが、東北地方の沖合も活動水域になっており、朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮と記述)と国境海域を接する最前線である。そのため、管区外の酒田港や秋田港の岸壁に第九管区の巡視船が停泊していることがある。北朝鮮工作員による数多くの拉致事件が起こり、能登半島沖不審船事件が発生した。また、大韓民国の不法漁民によるあなご密漁による漁業被害が多発している地域でもある。第九管区の活動の多くは漁業監視であり、この他、石川県の志賀原子力発電所や新潟県の柏崎刈羽原子力発電所周辺海域の警備、万景峰号が入港する新潟港の警備に力を入れている。
また、ロシア沿海州当局との交流にも力を入れており、1992年には、巡視船「えちご」による、日本政府が実施した食料を主とする緊急支援物資の輸送任務が行われた。
目次 |
[編集] 九管関連年表
- 1948年
- 4月27日 - 海上保安庁法公布
- 5月1日 - 海上保安庁法施行・海上保安庁設立。新潟海上保安本部設置
- 1950年
- 6月 - 第九管区海上保安本部に改称
- 1971年
- 11月 - 新潟沖でジュリアナ号座礁事故
- 1977年
- 7月 - 領海法施行。日本の排他的経済水域が200海里に。
- 1984年
- 第36八千代丸(石川県)が北朝鮮警備艇より銃撃・拿捕される。
- 1997年
- 日本海沿岸でナホトカ号重油流出事故。石川県を担当する九管も回収作業にあたる。
- ユワカマル木材流出事故
- 2001年
- 2004年
- 2006年
- 4月12日 - 対工作船用巡視船「はくさん」就役
- 4月18日 - 対工作船用巡視船「でわ」就役
- 10月9日 - 北朝鮮が核実験の実施を宣言
- 10月13日 - 北朝鮮籍の船舶全面入港禁止措置に伴い、北朝鮮船舶入港禁止等対策本部を設置。柏崎刈羽原子力発電所等の警備を強化。
[編集] 組織
- 第九管区海上保安本部(新潟県新潟市中央区)
[編集] 主な保有船艇・航空機
[編集] 巡視船・巡視艇
九管は計18隻の巡視船艇を保有しているが、主要なものを以下に挙げる。
- PLH08 えちご:ヘリ一機搭載型巡視船 3,200トン(新潟)
- PL51 ひだ:ヘリ甲板付高速高機能大型巡視船 1,800トン(新潟)
- PL43 はくさん:高速高機能大型巡視船 770トン(金沢)
- PL04 やひこ:1000トン型巡視船 1,250トン(新潟)
- PL115 のと:1000トン型巡視船 960トン(金沢)
- PS220 のりくら:220トン型巡視船 220トン(伏木)