ときめきに死す
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『ときめきに死す』(ときめきにしす)は、丸山健二の小説、およびそれを原作とした1984年制作の日本映画である。
目次 |
[編集] 映画
スーパースター、ジュリーこと沢田研二演じる孤高のテロリストが宗教家暗殺に失敗するまでの過程を、男二人、女一人という奇妙な共同生活を軸に描かれている。森田芳光監督。
共演の杉浦直樹は、本作で1984年度アジア太平洋映画祭助演男優賞を受賞している。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
謎の組織から莫大な報酬で、ある男の身の回りの世話と別荘の管理を依頼された歌舞伎町の医者を自称する大倉洋介は、山間の田舎町にある駅で工藤直也という若い男を出迎える。大倉は、組織から受けた綿密な指示に基づき、別荘で工藤の世話をする。酒も煙草もやらず、会話さえも拒否し、黙々とトレーニングに励む偏屈な若者との生活に神経をとがらせる大倉。しかも、工藤の正体も目的も知らされず、また質問することも禁じられている。こうして男二人での共同生活がはじまる。組織からの一方的な指示に基づいて工藤の世話をする大倉だったが、ひたすらに日課をこなす工藤のストイックなまでの姿勢に次第に惹かれていく。そんなある日、組織から一人の女が派遣されてくる。組織は工藤と大倉の体格や性格に応じて梢ひろみという女性を選んだのだ。しかし、工藤は梢に関心を示さず、自分の生活パターンをくずさない。手持ちぶさたに悄然としていた梢も、やがて工藤に興味を抱きだす。男二人、女一人の奇妙な共同生活がはじまった。コンピューターが指名した組織から排除すべき人間は、何とトップである谷川会長だった。売春宿に出かけた大倉は、そこの女将から信者の多いこの町に新興宗教の会長・谷川が訪れることを知らされ、工藤の任務と標的に気づく。任務を放棄して逃亡することを工藤に勧める大倉。梢も工藤に翻意を促すが、工藤は頑なに二人を拒否して谷川の歓迎パレードが行われる駅前へと向かう。工藤は谷川を刺殺しようとして失敗し逮捕される。それを知った組織は狙撃によって谷川を暗殺。工藤はパトカーの中で手首を噛みきって自殺する。