ふざけ芸
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ふざけ芸( - げい)とは文字通りふざけた芸。ここでは主に「新春かくし芸大会」で行われてきた、かくし芸とは似て非なるふざけた演技について述べる。
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[編集] ふざけ芸とその問題
新春かくし芸大会は、芸能人が練習を経て得た技や演技を披露する場であり、例え本番で失敗したとしても、その真剣さや挑戦精神、体を張った意欲や猛烈な練習が伺える明らかな技能の上昇を良しとしている。 しかしふざけ芸は、そういった真剣さや練習とは全く無縁で、内容は芸とは言いがたい程酷く(酷さも笑えない)、しかもそれを作為的に行うものである。
この点が「真剣に行った他の演者、ひいてはかくし芸自体を、そしてそれを見ている視聴者を馬鹿にしている」と視聴者(時には司会者までも)を呆れさせたり激昂させることが多い。 練習時間が取れない、時間を埋めるため、真剣勝負ばかりでは見る方も疲れると思った、などという製作側の理由もあるかも知れないが、少なくとも演技を通じた番組の質を下げるものではあるだろう。
しかし製作側に危機意識がないのか抗議を全く気にしていないのか、あるいは芸人がギャグと認識しているのかは不明だが、多くの視聴者から抗議があったにも関わらず次の年も同じようなことを繰り返すことが絶えていなかった。 新春かくし芸大会の質と視聴率低下の一因とも言われる。
特に2004年のモーニング娘。とワンナイR&Rチームのふざけ芸が余りにも酷く、しかも確信的な再犯であったため、視聴者からの抗議が殺到。司会者のみのもんたまでもが激怒し、低迷していた視聴率が更に下がった。ここに至りようやくスタッフを刷新、両チームとも翌年からの出演を無くすなどの措置が行われた(モーニング娘。は以降も個別的に数人を出演させる形で、芸を披露する事が認められている)。
以降の2005,2006年はふざけ芸と判断されるような芸は無くなったが、一方で演目や出演者の不足問題が目立つ格好になってしまった。 2007年は方針を見直し、真剣な技を見せたり体を張る演技を揃える、正しくふざけ芸と真反対の構成となった。また演技しない有名タレントの出演を止め若手タレントを多数登用するなど演出者不足問題にも対応した結果、退潮傾向を跳ね返し同時間帯トップの座を奪還した。
[編集] ふざけ芸といわれる演技
[編集] 1990年年代
ビートたけしがほぼ毎年、ダウンタウンの松本人志などが一部の年でふざけ芸的な演技を行う。この頃はコントとしての演目で一応芸をしているのだが、芸の程度は明らかに低く、かつそれを作為的に行っている。当然ながら毎年低得点を連発。一部の年では予め採点対象外となっていた。視聴者からの抗議も多かったが、芸人のギャグとして行っていたようで連年続けていた。
[編集] 1999年
- アダルトチーム番外:「スーパーチャレンジショー」(出演:ビートたけし)
- 審査員の個別点を表示していた時期での最低得点「1点」(審査員:森光子)を記録。公式には採点対象演技ではなかったため、記録はされていないが、かくし芸史上1点が出たのはこれが唯一である。
- ビートたけしは、この年以降暫くは出演しなくなった。2000年からは毎年1月3日に放送している「平成教育委員会・新春スペシャル」の司会に専念するため出演出来ないとされていたが、2007年の第44回大会においてサプライズゲストとして登場。まともな演目を行った。
[編集] 2002年
- ヤングチーム3回戦:ワンナイチーム芸「アイスウォーターボーイズ」
- 氷の貼るような冷たいプールで男子シンクロナイズドスイミングを行うという内容。練習中の映像を出すなど過酷さを強調したが、結局本番は寒いのでやめた、という結末だったため不興を買う。
[編集] 2003年
- 西軍3回戦:ワンナイチーム芸「究極のかくし芸」
- いわゆる裸踊りであり、局所だけを隠しているのが「究極のかくし」芸という内容だったが、芸としても程度が低い上、ゴールデンタイムで放送するにはあまりにも下品すぎると視聴者から苦情が殺到した。
- オープニング演目:モーニング娘。「大縄跳び」
- 全員で大縄跳びにチャレンジし、失敗するも何度もチャレンジし最後に成功するという展開。しかし明らかな出来レースであり、くどいまでに再チャレンジや中継などで長々と時間を使用。途中の失敗し険悪な雰囲気になるというあたりも、練習していないためか演技臭が酷いものだった。このため不興を買った(余談であるが後日、「めちゃイケ」の「岡女。・体育祭SP」では、この時よりハードルを高めにして、ちゃんとやっていた)。しかし、吉澤ひとみ、石川梨華が喧嘩し、他のメンバーが止めたり、雨上がり決死隊の宮迫博之が「喧嘩するな」と激怒。更に、モー娘。全員が宮迫をにらみ付けるが、宮迫、DonDokoDonの平畠啓史は猛反発をした。この演目に関わったスタッフは概ねが「めちゃ×2イケてるッ!」のスタッフで、めちゃイケで2001年に2回モーニング娘。の特番を放送したものの、視聴者から「本来の番組をやれ」と批判されたためモー娘。特番が不可となり、その分をかくし芸で行ったと考えられる。スタッフは後に、視聴者が虫の居所が悪かったと後悔した感があるが、憂さ晴らし的に代用したこと自体が問題という話もある。
[編集] 2004年
- オープニング演目:モーニング娘「15人連続テーブルクロス引き」
- 前年の大縄跳びが不興を買ったにも関わらず同じような展開・構成で、更には一部でセットが仕込んであったり(わざわざ中継でネタバラシをした)、雨上がり決死隊や笑福亭鶴瓶を侮辱する発言(これはスタッフの指示かどうかは不明。雨上がりは抗議、鶴瓶は軽くつっこむ程度だった。)をする、演技臭も前年以上にきつくなっているなど、より悪質化したため更なる大不興を買った。あまりにも酷いため司会のみのもんたが、番組スタッフに向かって激怒した。みのは、モー娘。がふざけているわけでもないと思っているためか、番組スタッフの仕組み説という見方をとり、モー娘。の演技以上に番組スタッフの姿勢をその後も批判し続けた。そしてこの演目を作成したのは今回も「めちゃイケ」スタッフであった。
- 西軍3回戦:ワンナイチーム芸「アイスウォーターボーイズリベンジ」
- 2002年批判に晒された「アイスウォーターボーイズ」に再度チャレンジ。「今度こそちゃんとやります!」と言いメンバーが本番に向け練習する模様が放送され、期待を持たせたにも関わらず、結局会場のプールが冬季はアイススケートのリンクに使われていたため実演しなかった。DonDokoDonの山口智充は、「どんなプール場でも冬場は立ち入り厳禁であったため実現不可能になりました」と釈明。しかしそれは、2002年時点や練習開始時点で想定できたはずで、忘れていたとしても、屋内プールを始め海外に出たり使用していないプールを借り切るなど、実行可能な手段はいくらでもあり、明らかに確信的な再犯である。審査員や他の参加者から非難が相次ぎ、視聴者からも苦情が殺到。これもまた大不興を買った。
[編集] 脚注
- ^ 2007年の第44回に細木数子氏によるオープニング・特別演目をしたが、2006年に同局系列で放送された「FNS26時間テレビ」などの番組で細木の誹謗発言を懸念してか大本番と細木演目は日にちをずらして収録された。
- ^ 2005、2006年ははねるのトびらメンバーであるキングコング、ロバート、インパルスが出演。2007年は、はねトびが降板し、「ココリコミラクルタイプ」から、ココリコ、品川庄司、村上知子(森三中)が出場。またそれとは別に、2005年の「応援合戦」には吉本興業からレギュラー・友近・陣内智則が出場。翌2006年の「応援合戦」には吉本興業から前年に引き続きレギュラーとこの年大ブレイクしたレイザーラモンHGが出場したが、HGがオープニング早々下ネタで空気を悪くしてしまったなどの理由により2007年の大幅改新に伴いこれまであった「応援合戦」を廃止し代わって「特別演目」で西川のりおが出場した。