アインハンダー
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ジャンル | シューティングゲーム |
対応機種 | プレイステーション[PS] |
開発元 | スクウェア |
発売元 | スクウェア |
人数 | 1人 |
メディア | PS:CD-ROM1枚 |
発売日 | PS:1997年11月20日 |
価格 | PS:6,090円(税込) |
『アインハンダー』(Einhänder) は1997年11月20日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売された横スクロールシューティングゲーム。
このジャンルにおけるスクウェアの最初の製品であると誤解されているが、ファミリーコンピュータで1986年に発売した『キングスナイト』が最初である。 アインハンダー発表の数ヶ月前にスクウェアから『ザウパー』というプレイステーション用シューティングゲームが発表され、ゲーム雑誌にゲーム画面も掲載されていたが、こちらはアインハンダーと入れ替わるように発売中止となっている。
作品名の『アインハンダー』はドイツ語で「一本腕」を意味しており、その名前は機体の腹部に設けられた一本のマニピュレータに由来している(実際には「Einhänder」では「アインハンダー」とは発音しない。)
全7面。
以前は、公式サイトもあったが今はなくなっている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
人類が月への移住計画を実行してから150年後の23世紀。国家的独立を主張する月面都市と、独立を承認しない地球国家群の間に、「第一次月戦争」が勃発した。熾烈を極めた戦いは、しかし、決着を見ずに終結。
月面都市はセレーネの名で独立を宣言し、地球の残存国家群も統合国家ゾードムを設立した。 そして、さらに半世紀。セレーネは「地球奪還」の旗を掲げ、再び地球への侵攻を開始する。
「第二次月戦争」の勃発である。
当初こそ、技術的優位により、セレーネ軍の攻勢が続くも、兵力に優るゾードム軍は全戦線にわたる同時反抗作戦を開始。圧倒的な戦力差の前に、セレーネ軍は各地で惨敗を喫し、地球からの撤退を余儀なくされたのである。ここに至り、セレーネは戦略方針を大幅に変更する決定を下した。
そして、その準備のために始められた意図不明の作戦。それが、新型の戦術戦闘機によって編成された決死隊による、ゾードム軍拠点への奇襲降下作戦だった。
その後、二年にわたり繰り返し敢行された同様の作戦は、局地的だが多大な戦果を上げ続けた。特に月から降下してくる戦術戦闘機の、自殺行為とすら思える勇猛な戦闘機動がゾードム軍将兵に与える心理的動揺は計り知れず、いつしかそのコードネーム『アインハンダー』は、死神の代名詞となっていった。
そして、2245年12月12日。この日も、セレーネ軍は3機の戦術戦闘機を地球に送り込んだ。
それは、アインハンダーによる最後の降下作戦となった。
[編集] ゲーム内容
強制横スクロール型(一部静止)のシューティングで、武装は一部の機体は弾数無限の20mm機銃が搭載されている他、このゲームの特徴として、敵を撃破する事によって装備しているガンポッドを入手でき、それを使用する事も出来る。ガンポッドには弾数制限があるので、ところどころで交換して使ったり、節約したり、重ね取りで溜め込んだりとリソース運用ゲームの要素も有る。ギャラリーモードや前回プレイでの得点や技量の比較などもある。
当たり判定はほぼ自機の大きさと同じであるが、特筆すべき点としてガンポッドマウント(この機体を象徴する腕)は無敵で攻撃判定もある。そのためガンポッドを装備していないときの最後の手段として腕で攻撃する、といったことも可能である。さらにガンポッド自体にも耐久度が設定されており、敵弾を避けきれない時にこれで防ぐということもできる。
[編集] 機体の種類
[編集] 通常の機体
- エンディミオンFRS(戦闘偵察攻撃機)マークII(Endymion FRS MK.II)
- 装備中のガンポッドに加え、予備のガンポッドを2つ、合計3つのガンポッドを携行可能な機体。
- 戦況に応じてガンポッドを切り替えることで多彩な戦術を編み出すことができる。
- 総じてどんなプレイヤーでも扱いやすい。
- エンディミオンFRSマークIII(Endymion FRS MK.III)
- ガンポッドは1つしか装備できないが、その代わりに初期装備の機関砲が強化された機体。ガンポッドの弾数も少しだけ増える。
- 扱いやすいため初心者向けの機体であると言える。
- アストライアーFGA(戦闘対地攻撃機)マークI(Astraea FGA MK.I)
- 一度に2つのガンポッドを装備可能な機体。戦況に応じて、使い分けたり、同時に発射することができる。
- 他の2つの機体に比べ火力集中が可能なため、テクニック次第で高得点を狙うことができる。
- しかし、その分扱いが難しいため上級者向けの機体と言える。
[編集] 特殊機体
- コックローチ(シャルペ)
- 1面で登場するゾードム治安警察の巡回車。セレーネの技術陣により様々な改良が加えられている。本来は、帝都に潜入させ偵察機として使用される予定だったらしい。
- ガンポッドを入手するたびに通常のショットが20段階までパワーアップするようになっている。また、ショットは直前に取得したガンポッドによって直線・誘導等タイプが変化する。
- 難易度に関わらずスペシャルボーナスを15箇所以上取得してクリアすると入手可能。
- アストライアーマークII
- 次世代主力機をめぐる開発競争において、無人機であるエーオース(EOS UFG MK.IX)に敗れたために実戦テスト機のみ存在する。
- アストライアーの後継機であるためガンポッドを2機同時に装備可能。装備したガンポッドの初期弾数は全て9999発(最大数)となる。
- 難易度ハードをコンティニュー3回以内でクリアすることで入手可能。ただし、一部のデモシーンはカットされる。
[編集] ガンポッド
ガンポッドは敵と共通の兵装モジュールで、自機の追加武装となる一方、敵機もその所有するガンポッドの特性に応じた攻撃をしかけてくる。ガンポッドを破壊せずに敵を撃破するとガンポッドを奪うことが出来る。ガンポッドは、上下に持ち替えることが可能。プレイヤー機の選択によっては、予備を持つことが出来る。
各ガンポッドには、それぞれ弾数が存在し、残弾がゼロになると選択していたガンポッドは破棄される。すでに持っているガンポッドと同じものを取得すれば、弾を補給することができる。また、ガンポッドには耐久力があり、敵や敵弾、地形との接触で下がっていき最終的には破壊される。
ガンポッドを選択していないときは、マニピュレーターを伸ばして攻撃することも出来る。このマニピュレーターは絶対に破壊されないため、盾の代わりにも使える。
一度取得したガンポッドは、次回から出撃時に初期武装として選択でき、復活時もそれを持ってのリスタートとなる。本作では実質的な自機の火力はガンポッドに依存するため、場面に応じた換装がゲームのキモとなっている(隠し機体および、隠しガンポッドにはバランスブレイカーも存在する。)
[編集] 通常のガンポッド
カッコ内は略称。
- バルカン(V)
- 最もありふれた武器で、弾数と連射性に優れる反面威力が低い。雑魚から中型機に有効。
- 自機の前後移動にあわせて射角が変化する。上に装着すると上10度から下10度(アストライアーの場合は固定)、下に装着すると正面から下45度まで射角が変化する。
- カノン(C)
- 出現頻度はバルカンに次ぐ。連射は利かないが高弾速高威力。弾数は少なめ。
- 装甲の薄い敵を貫通し、中型機も上手くコアに直撃させれば一発で仕留められる。
- 上に装着すると正面から上45度間で射角が変化し、下に装着すると真正面に向けて固定される。
- 自機がアストライアーの場合、上に装着すると砲身は真正面に向けられ、なおかつ高速連射が可能。
- スプレッダー(S)
- いわゆるショットガン。高速の5WAY弾を発射し、広範囲をカバーする。
- 弾数もそこそこあり、1回で5発の弾を発射するが消費弾数は1。そのため費用対効果は良い。
- 上に装着すれば後方に、下に装着すれば正面へ発射する。
- 発射した弾が画面から全て消えなければ次弾を撃つことが出来ないが、その特性を利用して超至近距離に限り高速連射が可能である。
- グレネード(G)
- 放物線を描いて飛ぶ炸裂弾を発射。弾数は普通、弾速はやや遅め。
- 炸裂弾と言っても攻撃範囲はそれほど広くない。ウリは一発あたりの威力。
- 上に装着すると正面に、下に装着すると後ろへ発射する。
- ワスプ(W)
- 上部装着時は連射の利く高性能追尾ミサイルを発射、下部装着時は前方直線攻撃のロケットを発射する両用多目的ランチャー。
- 威力はロケットのほうが高いが、ミサイルは使い勝手が良く、画面奥の敵への唯一の攻撃手段でもある。また、ロケットは発射距離が近いほどダメージが増えるため近距離戦に強い。
- ライオット(R)
- 射程の短い電撃を発射する電磁兵器。敵の装甲を貫通してコアそのものに直接ダメージを与えることができ、威力も高い。
- 弾数を余分に消費するが、チャージして発射すれば射程が伸びる(威力は変わらない)。
- 装甲そのものを貫通する為、あらゆる敵に有効であり、スコア16倍も狙いやすい。
- エンディミオンの場合は上下どちらとも斜めに向けられる。
- アストライアーでは上に装着すると正面に向かって撃つことができる。
- ヘッジホッグ(H)
- 真上ないし真下に暫時滞空する炸裂弾を放つ防御用弾幕兵器。
- 威力はそれなりだが、特性上使いどころは限定される。持続的にダメージを与えられるため、堅い敵に有効。
- 上下ともに真下よりの斜め方向に射撃する。
- フレアに見た目は似ているが、ミサイル等に対する欺瞞能力は無い。
- ブレード(B)
- いわゆるライトセイバー。射程はかなり短いが、威力は高い。
- 撃ち始めてから伸びきるまで少々時間が掛かり、また伸びきった後に撃ち止めると縮みきるまでにも少々時間が掛かる。
- ボタンを連打をすることにより、弾数を節約できる。
- エンディミオンならガンポッドの上下切り替えで後方に斬撃を浴びせる事も出来る。また、十字キーを↓↘→(いわゆる波動拳コマンド)と素早く入力することにより、弾数を激しく消費する代わりに一瞬だけ射程を伸ばすことができる。
- ライオットと違って常に当て続けなければいけないのがネック。
[編集] 特殊ガンポッド
特殊ガンポッドはいわゆる隠し武器で、種々の条件をクリアすると出現する。その性質上、通常のガンポッドと違って弾数の補給が難しい。
- パイソン(P)
- 1セットが5~6発の、数珠繋ぎの連鎖式浮遊機雷を射出。射出中にうまく自機を動かして敵に全段命中するよう設置すれば、大型機も簡単に撃破することが出来る。
- 上に装着すると正面、下に装着すると正面の斜めに向ける。
- 出現箇所は5面中ボス前のクレーン地帯手前、画面奥のトレーラー「スフィンクス」(ワスプの誘導ミサイルでしか壊せない)を破壊すればよい。
- モスキート(M)
- 高威力のミサイルを発射。射出後、パッドで操作することができる。自機の制御と同時に行うため、注意が必要。
- 出現箇所は4面に二つ有る。
- 一つは中ボス後の工場地帯突入直後、最下段後方のコンテナ。スプレッダー等の後方攻撃手段が必要。
- もう一つは工場地帯終盤に出てくる斜面を移動する人型戦車「パルツィファル」を破壊すると低確率で出現。
- ジュノー(J)
- 強化型バルカン。威力はバルカンの3~4倍ぐらいで、弾数はバルカンの半分または、3分の2ほど。
- その使い勝手の良さから、アストライアー使いには副兵装として愛用されている模様。
- 上下装着ともに、バルカンと同じ角度に射角が変化する。
- 出現位置は1面ボス/4面中ボス手前/7面の三つ。
- 1面・・中ボス「グライフ」の脚部を破壊して地下ルートを通り、ボスの「ドラッヘ」の背中を壊すと低確率で出現。
- 4面・・中ボス手前の潜水艦「ポットヴァール」の本体を破壊し、離脱した艦橋部を破壊すると出現。
- 7面・・シークレットボーナス取得。赤いEOSの3体目が所持している。
- フラッシュ(F)
- 装甲を貫通するレールガン。総合的には全ガンポッド中最強との呼び声が高い。
- 上に装着すると正面に、下に装着するとバルカンと同じ射角に変化する。
- 出現位置は3面中ボス後、5面中ボスの2箇所
- 3面・・・縦穴降下中、上から迫ってくる昇降機を破壊し、そこからこぼれ落ちてくる「フロー」の残骸を40個以上破壊する。
- 5面・・・中ボス「ゲシュテル」の両手/頭/顎の4パーツを破壊後、中ボスが投げるコンテナの中にある。
[編集] シークレットボーナス
シークレットボーナスは、各ステージに3個ずつ、全21個ある。
大抵の場合、赤くカラーリングされた特殊な敵を撃破することで得られ、特殊ガンポッドの取得条件になっている場合や、隠しルートへの突入条件になっている場合もある。
一つ取得するごとに10000点が加算され、全ステージクリアの時点で15個以上を取得していると隠し機体であるコックローチ(シャルペ)を入手出来る。
[編集] ステージ構成
地球侵攻作戦を指揮する無人指令衛星ヒュペリオンの指示の下、様々な作戦を遂行していく形を1面から6面までの構成に分けて扱っている。 最初の内は上層部の真の目的が分からぬままストーリーが進行していくが、最後の任務を果たしたパイロット=プレイヤーは後、自分達を利用していた月に対してたった一人で反旗を翻す、という所を7面として描く。
[編集] 1面
- 夜の帝都へ単身潜入し脱出、郊外でのボスとの対決まで。
- 塔を背景に降下、繁華街、旧市街地、アウトバーン、の4つの場面(ボスを除く)からなり、4つの場面にそれぞれ曲が割り当てられている。
- 繁華街の映像にはブレードランナーの影響がみられる。
- 中ボスの倒し方によって、繁華街からアウトバーンへ向かうか、繁華街から旧市街地を経由してアウトバーンへ向かうかが変わる。
[編集] 2面
- 夜半過ぎ、荒野を走る列車を追跡。トンネルにてボスと対決。
- 中ボス登場の場面では画面と曲のイメージが同期し、印象付ける演出となっている。この手法は3面4面5面でも同様に使われており、具体的には中ボス登場直前に1曲目がフェードアウト、登場と同時に2曲目の演奏開始、となっている。1曲目は中ボス前までにはフェードアウトが自然に聴こえる曲想になっており、2曲目の印象的なイントロとの対比をなしている。
- 2面~5面は静かなステージ冒頭と、中ボス登場で一転して躍動的になるステージ後半とでメリハリをつけた映像演出となっており、曲もそれに合わせて作られている。
[編集] 3面
- 地下深く、核サイロ跡の内部を下降してゆく。下降するエレベーター内にてボスと対決。
[編集] 4面
- 地底湖を進み、地下工場を襲撃。一気に地上へと脱出し、炎を吹く施設の並ぶ中ボスと対決。
[編集] 5面
- 夜明けとともに空軍基地を襲撃。ステージ後半は朝焼けの空港で、宇宙艦が今しも離陸しようとするのを阻止せんとカタパルトへ向かう。カタパルトにて追跡を阻むボスと対決。
- 5面クリア後には短いデモムービーが入り、6面での任務が表示される。
[編集] 6面
- 宇宙艦を追跡し成層圏へ。戦艦のブースター破壊が任務である。脱出したボスと熱圏で対決。
- 時間内にブースターを破壊できないと専用のバッドエンディングとなる。
- 6面クリア後にはメッセージにて上層部の裏切りが知らされ、味方側の無人機がプレイヤーを抹殺しようと来襲するデモムービーが流れる。
[編集] 7面
- 1ヶ月後。
- 宇宙空間にて、無人戦闘機群と死闘ののち、最終ボスと対決。
- 最終ボスを撃破するとエンディングとなり、結末とその後が語られる。
[編集] ボス戦
ボスは全7面の内、最終面(7面)を除く各一ステージに中ボスとステージボスの併せて2体ずつが出現。 場所によって装甲の耐久度が違っており、破壊する順番によって行動や後のステージ進行が(多少)変化するボスもいる。
[編集] 1面
- グライフ(SPJ15 GREIF、独語で「グリフォン」の意)
- ゾードム軍の機動装甲戦闘機を特殊機動隊用に改装した機体。「街頭の狙撃手(スナイパー)」の異名を持つ。
- 通常は機体上部を折り畳み、脚部のラムジェット式エンジンで高速飛行するが、戦闘時には半人型に変形する。戦闘形態では両手の汎用マニピュレーター(三本指ではあるが)を用いて、さまざまな武器の装備及び行使を可能にしている。特に背部のウエポンベイに格納されているレールカノンは強力で、射撃までに若干のタイムラグがあるものの一瞬ですべての敵を消滅させる。
- なお、戦闘中グライフを撃破する方法は
-
- コアユニットである頭部か背部ウエポンベイを破壊する
- 備え付けの武器を全て破壊するか残弾を使い果たさせ撤退させる
- 下半身のラムジェットエンジンを破壊する
- のいずれかであるが、1か2では無く3の方法を用いるとステージ構成(+α)が変化する。
- ドラッヘ(SPKB03 DRACHE、「竜」の意)
- 治安警察が帝都の外壁警備の為に配備した重武装の無人歩行戦車。しかし実際は都市脱走者の処刑が目的である「帝都の番犬(ケルベロス)」。
- ドラッヘとは“竜”という意味であり、その名の通り竜の首の様に長いアームが特徴的。かつての前大戦の古戦場に無数に放置されていたドラコーン型超重歩行戦車を改装して作られたことからこの名が付いた。ただ、外敵認識回路が未成熟で暴走することが多く、実際の稼動数は少ない。
- ゲーム中では進むルートによって、機体ナンバー08(機体色が緑色)と09(機体色が青灰色)の2体が確認できる。
[編集] 2面
- ガルネーレ(SKP04 GARNELE、「小エビ」の意)
- 装甲列車マンムートを護衛する為、整備車両プッペに搭載されている砂漠戦用の重ホバー戦車。
- ガルネーレの車体後部に連結されているコンテナユニットに、予備の燃料や弾薬等が積み込まれており、単独での長期に渡る作戦行動を可能にしている。
- 車体前部には主兵器である、88mmマシンカノンを装備。
- それを覆うように可動式電磁シールドを装備しているため、単純なマシンカノンの破壊は困難になっている(結局破壊は出来るが)。
- 撃破する場所によって派手に火達磨を吹きながら爆砕するか、高速スピンを起こしながら爆発するかのどちらかの断末魔を見る事が出来る。
- シュピンネ(PGZ/L03 SPINNE、「蜘蛛」の意)
- セレーネ地球奪回軍による度重なる列車襲撃に業を煮やしたゾードム鉄道警備隊が、根本的な解決策として列車のみを武装化するだけでは飽き足らずに、列車を牽引する機関車そのものにも高い戦闘能力を付加する事を発案、計画と開発に着手して完成させた「鋼鉄の怪物(モンスター)」。
- 数十にも及ぶ車輌を補給無しで牽引するだけの大出力と、4本のウエポンアームに組み込まれた重火器の破壊力、加えてシュピンネ独自に多数の戦闘偵察機とAEW(早期警戒機)を備えており、まさに機動要塞と呼ぶにふさわしい一大兵器と化している。
[編集] 3面
- ゲッコー(SPKB08 GECKO、「ヤモリ」の意)
- 元々、帝都の防衛網の一環として開発された機体だったが、重武装の大型無人機という機体コンセプト自体が人口の密集する市街地には安全上の理由から不向きであった為、地方警備に回されてしまっていた。ところが現在では、期待の新兵器としてテスト中だった多目的レーザー砲の搭載条件に合致する機体として突然脚光を浴び、主砲をレーザーに換装されて再び実戦に返り咲いている。
- 支援機との組み合わせを含めて七種類の多彩なレーザー攻撃を操る「光彩の魔術師(ウィザード)」。
- 腕部こそ無いものの、反重力駆動方式の四脚型下半身を使って名前の通り床面のみならずに天井や壁面への無停止移動を可能としている。
- グスタフ(PR01 GUSTAV、瑞語・独語における一般的な人名。瑞語では「神の助け」の意)
- 元々は鉱山で使用されていた民間の作業車輌をゾードム軍が接収し、軍用に改造した特殊工作戦車。要塞の攻略や陣地の構築、戦車の回収作業の他、中型歩行戦車の指揮車両として前線に投入されている。この機体の兵装の多くは、かつての掘削装備をそのまま継承。また、車体を折り畳んで車高を低くする三角形状の突入形態への変形も、かつて天井の低い坑道でこの機体が用いられていた名残である。
- 下半身が三角面のキャタピラで構成されている、ゲーム中でもっとも戦車らしい戦車と言える敵。
- 全体的に頑強な機体構成に、上半身を折り畳んで敵機に向かい猛烈に突進して征くその姿から「怒れる猛牛(ブル)」の二つ名を持つ。
[編集] 4面
- ザラマンダー(EU46 SALAMANDER、「山椒魚」の意。また精霊としての「火トカゲ」も)
- ゾードム軍海兵隊の上陸任務用に開発が進められていた強襲揚陸型潜水艦。実戦配備に向けて地下ドック内で最終テスト中であった試作艦である。いかなる海岸にも揚陸・即応展開を可能とするマニピュレータ付きロケットアンカーを「両腕」として備えており、たとえどの様な断崖絶壁であろうとも腕でよじ登って2個小隊の兵力を上陸させる事が出来る。また、アソルトブレーカーやレーザーカノンを代表とする強力な火器によって、陸上においても高い戦闘能力を発揮する。
- 本来ならばその隠密性が利点であるはずの潜水艦を強襲揚陸型とした、「冥海の悪夢(ナイトメア)」。恐らくシュピンネに近い発想を持つ機体で、およそ潜水艦とは思えないフォルムをしている。前述の通り水中以外でも運用可能だが、そもそもは潜水艦。一旦水中に潜れば耐水設計の為されていないプレイヤー側機体は手出しが出来なくなる。
- シュトゥルムフォーゲル(SPKB04 STURMVOGEL、「ミズナキドリ」の意。STURMは「嵐」や「侵攻」、VOGELは「鳥」。)
- 浮遊戦車と歩行戦車の欠点を相互に補完するべく開発された合体型の戦車。
- 重武装だが機動力に劣る歩行戦車バインに、軽武装だが機動力に優れる浮遊戦車フリューゲルが合体し、戦場まで空中輸送。到着後、フリューゲルはバインを分離し、身軽になって高空から支援攻撃を行うという形式を採る。
- この基本戦術が空中からの降下作戦に最適であった為試作機の段階で各空挺部隊からの発注が殺到した。
- しかし、プラズマを使用した高価な電磁兵器が災いして生産効率は悪く、量産には至らなかった。
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- バイン(BEIN、「脚」の意)
- 合体戦車シュトゥルムフォーゲルの下部と攻撃を司る機体。
- ボス戦開始直後に恐らくプレイヤーを追跡して原子炉から出てきたバインのみと戦闘をする事になる。
- 非常に装甲が堅牢で、またしばらくすると自動的にフリューゲルが支援に訪れる為フリューゲルが来る前にバインを単独で撃破するのは不可能。
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- フリューゲル(FLUEGEL、「翼」の意)
- 同じくシュトゥルムフォーゲルの上部と機動を司る機体。
- ボス戦でのバインとの戦闘中に何処からかやって来てバインと合体、シュトゥルムフォーゲルと成る。
- 合体後も戦闘中に下部のみの攻撃を続けているとバインが炎上、フリューゲルがバインを分離してその後フリューゲルのみと戦闘を行う事も出来る。
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- 高機動を以て空中を自在に舞う「翼」と重武装を以て地上を完全に制圧する「脚」が合体。
- 常に上下に浮遊しながらミサイル、マシンカノン、ロケット等を織り交ぜた回避に困難を極める攻撃を繰り出すその姿は、既存の戦車の概念を打ち破って帝国を守護する「鋼鉄の騎士(トルーパー)」の名に相応しい。
[編集] 5面
- ゲシュテル(SPKB06 Ausf A GESTELL、「台架」、「フレーム」等の意。)
- 主に人型歩行戦車の開発・製造を行っているシュプケ社が8年の歳月を費やして完成させた汎用人型戦車。
- 高水圧にも耐えられる深海作業用パワーフレームのノウハウを転用して開発された機体である。
- 劣悪な居住性の為、生身の人間では無く専任のサイボーグしか搭乗ができない欠点があるが、実戦配備テストに於いて良好な結果を残した為、帝国陸軍に正式採用された。
- 基本性能は格闘兵装を主とした要撃型で、その高い近接戦能力と機動性により、偵察、工作、夜戦等の作戦に於いて数々の戦果を上げている。
- 戦闘開始前・終了後に巨大な咆哮を挙げ、幾度転倒してパーツや装甲が剥げ落ちようともプレイヤーに襲い掛かってくる「狂乱の暴君(タイラント)」。
- 攻撃も他のボスとは違い通常兵装以外に裏拳、手や脚でのコンテナの投擲、更にはサマーソルトキックというアクロバティックな手段も持つ。
- ゲーム中で最も人型戦車「らしい」形状と「人間臭い」動きをしている機体でもあるが、それも戦闘能力を優先して居住性を犠牲にした事に加え、高機動による人間では到底耐え切れないであろう重Gにも耐えうる様、サイボーグのみをパイロットとする事にした影響が大きいと思われる。因みに、倒しても唯一爆発した描写が無い(頭部が吹っ飛んだだけだからか?)。
- デューラー(SPKB07 Ausf D DÜRER、ルネサンス期のドイツ人画家「アルブレヒト・デューラー」(Albrecht Dürer)に由来)
- ゲシュテルの開発・投入の成功に満足した帝国陸軍が、シュプケ社に依頼して開発させた局地戦用人型歩行戦車。
- 機動性の向上及び、装甲と火力の大幅な強化が成されており、ゲシュテル以上の戦闘能力を有する。
- 前線では予想以上の戦果を上げ、無敵戦車とまで謳われたが、その代償として複雑になり過ぎた機体構造の影響で整備に負担がかかり過ぎ、(コスト等の理由からであろう、)戦線に大量投入される事は無かった。
- 高出力レーザーを含め全身に10種以上の兵装を搭載、加えて脚部を守る対戦車兵器防御用装甲(シュルツェン)や160トン以上の自重を浮かす程の大出力バーニアも備える「機動(ウゴ)く武器庫(アーマリー)」。
- (戦術に因って差異はあるものの)雑魚・ボス問わず地上で戦う敵の内、間違い無く最強レベルの強さを持つ機体。
- 特にHerdモードで戦う場合はグスタフ、シュトゥルムフォーゲルと並ぶ攻撃の熾烈さを誇り、初見のプレイヤーは4面前半、5面後半で残機とコンティニューを消費してデューラーでゲームオーバー…というパターンが目立つ。
- 因みに一部ユーザーの間では通常移動時のホバー走行や主兵装にバズーカやレーザーを使用している点、また全体的なフォルムの類似からモチーフとなったのは某ガンダムに登場するモビルスーツでは無いか、と時折囁かれている。
[編集] 6面
- ガイアー(SR01 GEIER、「禿鷹(鷲)」の意。時に「コンドル」も指す)
- 基本的に地球を戦場としている現状、受け身の戦いに甘んじてきた帝国軍が、地球奪回軍の本拠地セレーネ=月そのものの直接攻撃を目標とした一大反撃作戦『ゾンネンシュトラール(SonnenStrahl=太陽光線。即ち日光)』の為に、巨額を注ぎ込んで完成させた戦略型宇宙艦。その実態は、巨大なスペースプレーンに近い代物であり、離陸には長大なカタパルトを要し、大気圏離脱には大型ブースターも不可欠だった。ガイアー本体は、地球の静止衛星軌道上に留まり、搭載した攻撃衛星や戦略ミサイル等によって、月面都市を攻撃する計画であった。
- 全長約830m、重量に至っては25万トンに迫る質量を持つさながら機動要塞の様相を見せる宇宙艦。
- 「戦略型宇宙艦」という呼称の通り、単独で戦艦としての攻撃能力と戦闘装甲攻撃機や攻撃衛星を搭載、離艦する能力も併せ持った戦艦兼空母の様な機体。あまりの巨大さに依りアインハンダーであっても単独での撃墜は不可能である為、対ガイアーでのボス戦は、護衛として随行する高速戦闘機やガイアー搭載兵装の攻撃を掻い潜って後部ブースターのみを指定時間内に破壊するという形になる。
- 劇中では語られる事も使用される事も無かったが、戦略型ミサイルは作戦の性格上恐らく核弾頭を搭載、さらには6800mmという大口径のレールカノンも2門備えているので、仮に帝国軍がガイアーを複数艦建造していた場合、ゾードムに比べ国力で劣るセレーネには戦局をもう一度戦争初期の状態に盛り返す事が出来ず趨勢は一気に決していたと思われる。
- シュヴァルツガイスト(SS01 SCHWARZGEIST、「黒霊」の意。SCHWARZは「黒」、GEISTは「亡霊」や「幻影」。)
- セレーネ地球奪回軍の中核である無人指揮衛星ヒュペリオンの破壊と、本国の月面都市への攻撃を目的として開発された攻撃衛星。単独で月まで航行できる能力を有する上に兵装も極めて強力で、この為に開発されたであろう新型兵器を多数搭載している。中でも特筆すべきは複数遠隔操作が可能な光学シールド兵器、「A.L.S.(アクティブレーザーシールド)」で、敵からの攻撃をほぼ無力化する上に敵機への自動反撃能力も持ち合わせている画期的な防御兵器である。
- 地上より高度約800km、中間圏外郭に位置する外気圏=宇宙に最も近い大気圏内、熱圏にて戦うゾードム帝国軍の最新鋭兵器。
- 月の女神を守護せし巨人の抹殺を最大の目的とする帝国軍首脳部の執念が込められた「亡霊」であり、自機側全域を覆う超高出力拡散レーザー・13000tp S.L.Cを始めとして兵装・攻撃は基本的に2ヶ所以上を同時に攻撃する拡散攻撃が多い。
- また前述した防御兵装のA.L.Sは、中心のレーザー発振部を破壊しない限りは尽きる事無く防御用レーザーを生成し続けるシステムとなっており、時折繰りだされる三機でのA.L.Sそのものによるレーザー攻撃は初心者には読み難いものがある。
- このシュヴァルツガイスト戦のBGM、「熱圏」~[THEROMOSPHERE]~は戦闘開始前の演出と相俟って作品屈指の名曲として名高い。
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- モニター(MS01 MONITOR、「警告者」、「指導者」の意。)
- シュヴァルツガイストの本体内に搭載されている月面探査機。一応、探査機と称してはいるものの、実際はセレーネ本国占領の為に開発された重火器と重装甲を備えた強力な兵器であり、月面歩行戦車と呼んだほうが実像に近い。
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- 通常の進行ではまず目にする事が無い、いわゆる「隠しボス」。似たような立場の敵は他に青灰色ドラッヘやパルツィファルが近い存在にある。
- シュヴァルツガイスト撃破後に特定の条件を満たしていれば専用BGMと共に出現。戦闘を行う事になる。
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- 月占領に伴う無重力空間での運用を前提としている為か、非常に幻想的且つ生物的な動きをしており外見と相俟ってクラゲの様なイメージをプレイヤーに与える。しかし攻撃の方はそれを打ち消す様なシビアさであり、上半身から繰り出される多量の弾幕と自身の質量を生かした突進攻撃を行ってくる。
- 特に突進の方は予備動作が殆ど存在しない上に超スピードで迫ってくる代物であり、上手くかわした後もモニター自身は動きを止めずにゆらゆらと動き続けているので油断がならない。
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- 因みに特定の条件とは、シュヴァルツガイストの上部にあるモニターハッチを戦闘中破壊しておくだけである。
[編集] 7面
- ヒュペリオン UCS マーク12(HYPERION UCS MK.XII、希語で「高みを行く者」の意。後述。)
- 2244年に進宙した奪回軍の中核となる無人指揮衛星。人の手を介さず、独自に作戦を立案・採決・実行できる能力を持つ第7世代戦略コンピューターにより完全に無人化されている。通常は静止衛星軌道上から各中継衛星を通してエンディミオン、アストライアーやエーオースなどに司令を発し、地球殲滅作戦の直接総指揮を執っていた。また、対衛星兵器を始めとする強力な兵装を搭載しており、自身も並外れた戦闘力を誇る、まさにセレーネの最終兵器と呼ぶに相応しい恐るべき兵器である。
- 神の名を冠されたセレーネの持つ最強最大の兵器にして本作の最後に待ち受けるラストボス。寸分の狂い無き超速のコンビネーションを誇る機動防衛システムと自身と同じく人の意思無き暁(EOS)の機体達、そして両肩に付けられた巨大な可動式熱遮断防壁盾(ムーバブルヒートシールド)によって鉄壁の防衛体制を構築している。
- 攻撃の方も、宇宙という地上より解き放たれた重力無き世界を十分に活用したものであり、脚部に有線式の巨大なアンカーユニットや追尾性や速度にそれぞれ特化した複数のASAT(対衛星兵器)を持つ。中でも驚異なのは、画面全域を覆う巨大レーザーカノン、MK.XIVレーザーであり、数秒のチャージの後画面外から放ってくるそれはシュヴァルツガイストと並んで最大規模の攻撃範囲を誇る。
- 更に通常、ボス戦は5分間の間に倒さなかった場合タイムアウトとなり自動的にステージクリアとなる(ガイアー戦除く)が、このヒュペリオンだけは5分後に画面中央から件の巨大レーザーを回避不能な範囲=画面全体に放ってくる為、プレイヤーは逆に5分以内にヒュペリオンを倒さなければ自動的にステージミスになってしまう事になる。
[編集] 神話などからの名前の引用
- 地球陣営の首府、ゾードムは旧約聖書に登場する都市、ソドムに由来する。ソドム(とゴモラ)は神が天より降らせた焔によって滅ぼされたが、本作の自機はゾードムを討ち破るべく月より飛来する。
- 因みに、北米版では"sodom"ではなく"Gesetz"に変更された。Gesetzとはドイツ語で「法」を意味する。
- セレーネはタイタン族の一員で月の女神とされ、美しき羊飼いの若者エンデュミオンを愛した。それ故、主神ゼウスにエンデュミオンの不死を願ったが、人の子に過ぎない彼に与えられたのは永遠の眠りであった。作中、帰還率ほぼ零の任務を全うし帰投する自機を、友軍はいかに出迎えたか?
- ヒュペリオンはタイタン族の一員でウラヌス(天)とガイア(地)の子、セレーネ(月)とエオス(暁)の父。神話に於けるヒュペリオンは天空を駆けながら太陽・光明を司る神であり、太陽そのものを神格化するゾンネ教を国教とするゾードム帝国軍は、「日光」の名を冠された作戦に従い太陽神を討ち斃す事となる。
- アストライアーはギリシャにおける正義を体現する女神。
[編集] オリジナルサウンドトラック
1997年12月21日に発売。現在は廃盤。作曲は福井健一郎が担当している。
既に倒産した旧デジキューブより発売されたが、2007年現在スクウェア・エニックス名義などで再版がされた事は無い。
- 曲目
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[編集] 備考
- 開発担当はスクウェア大阪でコナミからの移籍スタッフ(同社の本社東京移転に反発して離れたメンバー)が中心になって制作された。
- 音楽に定評があり、一部ファンの間では『アインハンダー』と『FRONT MISSION ALTERNATIVE』の二つをスクウェアの音楽のツートップとして見る向きもある。
- 場面の変化のタイミングと曲想の変化のタイミングが同期しており、高い演出効果を発揮。これは強制スクロールで場面が進んで行く2Dシューティングゲームの性質を活かした結果である。また、一部の任意のタイミングの場面では、それに合わせて曲の切り換えが行われる(各ステージ中ボス登場による曲切り換えなど)。している
- 一般に2Dシューティングゲームの楽曲は1ステージにおいて2回以上ループするものが多いが、本作品の場合はステージ楽曲はループしないものが多い。また、一般には1ステージ1曲のところを、場面に合わせ1ステージ2~3曲の構成にしている。3つの場面(3分,2分,3分)で計8分のステージであれば、2分の曲を4回ループさせるのではなく、3分,2分,3分の3曲を製作し、それぞれの楽曲内でも場面変化と同期した音楽の盛り上げを行っている。これは楽曲製作においては多大な時間的資源を必要とするが、そのぶん効果も大きい方法である。
[編集] 参考文献
公式ガイドブック ISBN 978-4-89366-885-1
- 1997年12月4日にアスペクトより発売。 現在は絶版。