アウトサイドプロテクター
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アウトサイドプロテクターとは、野球の球審が身に付ける防具。折りたたみ式と空気式とがある。
投手が投球を行う際にこのプロテクターを体の前に下げ、ボールから体を守る。プロテクター自体が大きいため防御面積が広い。使用方法としては、両肩にかけるベルトを個人の体型に合わせて調節して使う。ベルトの長さを調節するだけでいいので、使い回しができる。また、球審が腰につけて使用するボール袋が附属品として付いている事があり、ボール袋を購入する手間が省ける。しかし、試合中使用しない時は背中に背負っておかなくてはならず、強風だと風に煽られ背負いにくいこと、ホームベース上のクロスプレイなどには動作が増えて煩雑になるという欠点がある。近年はインサイドプロテクターの需要が高まっており、日本プロ野球で1993年、高校野球では1998年第80回記念全国高等学校野球選手権大会を最後に使われなくなった。
プロ野球における最後の使い手は、セリーグでは福井宏元審判副部長(現 四国アイランドリーグ審判責任者)、パリーグでは林忠良現審判副部長である。その他、引退までアウトサイドプロテクター使用にこだわった審判としては、セでは谷村友一・柏木敏夫、パでは斎田忠利・牧野伸がいる。福井は日本プロ野球審判を退いた後、インサイドプロテクターに変更して現在に至る(今なお現役である)。
プロテクターの外し方は
- 右腕をベルトから抜く。
- 左脇を開け、右手の掌をプロテクターの右角に当て、そのまま押し上げる。押し上げる間が無ければ、左脇に挟んでも良いし、左ヒジにかけている状態でもよい。
- 背中に上げたら左脇を閉めて、プロテクターが下がってこない様支える。
- マスクを右手で外し、左脇に抱えるか左手に持ち替える(左手で外しても可。)この場合、セーフと判定する時は片腕でも良い。
[編集] 構え方
- まずプロテクターを両肩にかけた状態で身体の中心をホームプレート真ん中に合わし、両足を開き自然体でリラックスする。左右打者を問わず、また捕手が左右何れかに寄ろうと関係無く、アウトサイドでの球審は常にホームプレート真ん中で構える。次に投手がモーションを起こすと同時に両足を並行に肩幅より広めに開き、プロテクターのくぼみ部を下あごにぴったりとくっつけ、腰と膝をうまく曲げてやや前傾姿勢で構える。この時、プロテクターはインジケーターを持った左手のみで支え右手は軽く左手に添える。また、構えた時にプロテクターをあまり前に突き出さず、心持ち少し前に出す程度にする。