アンジュー
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アンジュー(Anjou)は、アンジェを州都としてフランス北西部にあった州の一つで、ほぼ現在のメーヌ=エ=ロワール県に対応する地方である。主要な葡萄栽培の地方でもある。名前は住民の古称アンデカウェスに由来する。
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[編集] 地理的区分
アンジューはロワール川北のアンジュー・シュペリウールと、南のアンジュー・アンフェリウールに分かれる。
[編集] アンジュー・シュペリウール
- le Baugeois, à l'est de la Sarthe
- le pays de Baugé,
- le pays de Céans (cant. de la Flèche)...
- le Segréen, à l'ouest de la fr:Sarthe
- la Bouère (Château-Gontier),
- le Craonnais
[編集] アンジュー・アンフェリウール
- du Saumurois à l'est du Layon
- du Bourg (cant. de Montreuil-Bellay),
- le Vaux (cant. de Gennes) etc.
- des Mauges angevines
[編集] 歴史
中世のアンジューはもと伯爵領で、のち公爵領となった。アンジューは、ナンテ(ナント周辺)、ヴァンドーム、メーヌ、マイエンヌといった近隣の伯爵領を服従させ、フランスの大「公国(Principauté)」にカウントされていた。
伯爵の一人ジョフロワ・プランタジュネは、イングランド王にしてノルマンディ公でもあったヘンリー1世の娘マチルダと結婚した。その結果、子供のヘンリー2世は、イングランド、ノルマンディ、アンジューを手に入れた。ヘンリー2世は、更にアリエノール・ダキテーヌとの結婚によってアキテーヌをも手にしたが、これは、その後の英仏の対立の起源ともなった。
その後、この地はイングランド王ジョンの代にフランス王フィリップ2世によって回収されたが、以後も要地ということで国王の有力な近親者がアンジュー伯爵に任命される事が多く、そこを足がかりにフランス以外の王位を継承する例が多かった(詳細はアンジュー家を参照のこと)。