エド・ゲイン
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エド・ゲイン(Ed Gein、本名はエドワード・ゲイン〈Edward Gein〉、1906年8月27日 - 1984年7月26日)は、アメリカ合衆国を代表する猟奇殺人事件の犯人(犯罪者)である。
本人によると、自分の名前の正確な発音は「エドワード・ギーン」らしいが、本項名であるエド・ゲインのほうが一般的である。
犯行に及んだ間接的な要因として、母親オーガスタ・ゲインの倒錯的な教育があげられる。オーガスタは、信仰に由来すると思われる異常な性教育をエドに施し、「他者は穢れているから一切関わるな」として、他者との関わりを一切禁じた。そのため、人が社会生活や人間関係を学ぶ最も重要で多感な時期に、エドは充分な対人関係の構築方法を学習できなかったとされる。1940年に父親を、1944年に兄を、また1945年に母親を亡くしている。絶対的な影響力を持つ母親が死んだあとにエドに待っていたのは完全なる孤独であった。時折、近隣の社会活動に参加していたというが、次第にオカルトや解剖、屍体への性的執着、カニバリズム(人肉嗜好)を現していった。
1957年11月16日に近くに住む女性を殺害した容疑で逮捕され、その家宅捜索では全部で15人の女性の死体が見つかった(どれも十分に解体されており、一部はベスト(チョッキ)や食器・家具に加工され、また一部は食用として保存されていた)。しかし、エドは裁判で死体は8人分で、すべて墓場から掘り起こしたものだと主張した。
裁判は、慢性的な精神障害(性的サイコパス)として無罪になったが、ミネソタ州立精神病院に収監された。その後は精神病院で過ごし、1984年7月26日、癌による呼吸不全で死亡した。
[編集] 影響を与えた作品
エド・ゲインの凶行は一大センセーショナルを巻き起こし、その異常性をモデルとした映画作品が数多く作られた。中でも『悪魔のいけにえ』(1974年)に登場する殺人鬼レザーフェイスは、エドに最も近いとされている。
また、エドの人間性・犯行を忠実に再現した映画作品としてチャック・パレロ監督の『エド・ゲイン』がある。エドを演じたのはスティーブ・レイルズバック。2000年のシッチェス国際カタロニヤ映画祭でグランプリを受賞した。
[編集] 関連項目
カテゴリ: アメリカ合衆国の犯罪者 | シリアルキラー | 1906年生 | 1984年没