エビ亜目
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エビ亜目(抱卵亜目) Pleocyemata |
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![]() コシオリエビの一種 Munidopsis tridentata |
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分類 | ||||||||||||
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本文参照 |
エビ亜目 Pleocyemata は、エビ目(十脚目)を二分する分類群の一つ。抱卵亜目(ほうらんあもく)とも呼ばれる。和名に「エビ」とあるが、大部分のエビのみならず全てのヤドカリやカニも含む。
[編集] 特徴
成体の鰓は弁状の構造が多数繋がった葉鰓(ようさい)Phyllobranch、または枝分かれの無い毛が多く生えたような構造の毛鰓(もうさい)Trichobranch で、クルマエビ亜目の根鰓(こんさい)と区別する。
また、エビ亜目は受精卵をメスの腹脚に付着させ保護するのが特徴で、クルマエビ亜目に比べて卵が大粒・少数である。成体のメスは卵を保護するため、オスに比べて腹脚が長かったり、腹部が幅広かったりする。このような性的二形があるため、クルマエビ亜目のエビ類に比べてオス・メスの区別がつけ易い。
子は卵の中でノープリウス期を過ごし、ゾエア幼生の形態で孵化する。中には幼生期の大半、または全てを卵の中で過ごすものもいて、後期メガロパで孵化するミナミヌマエビ、親と同じ形態で孵化するザリガニ下目やサワガニなどはその一例として挙げられる。このように卵の中で成長する分類群は特に卵が大きい。
成熟しても全長数mmにしかならない種類から、1mを超えるロブスター、脚を広げると3mに達するタカアシガニまで、大きさや生態は多様性に富む。
[編集] 分類
クルマエビ、サクラエビなどを除くエビの大部分とヤドカリ、カニの全てを含み、多くの科に分かれる。
以下のような「下目」が設定されるが、Procaridoidea 上科(コエビ下目)やアナジャコ上科(ヤドカリ下目)を独立した下目として扱う説もある。
- オトヒメエビ下目 Stenopodidea Bate, 1888
- オトヒメエビ、ドウケツエビなど
- コエビ下目 Caridea Dana, 1852
- ザリガニ下目 Astacidea Latreille, 1802
- イセエビ下目 Palinura Latreille, 1802
- ヤドカリ下目 Anomura H. Milne Edwards, 1832
- カニ下目 Brachyura Latreille, 1802
[編集] 参考文献
- 保育社「原色日本大型甲殻類図鑑」I 三宅貞祥 ISBN 4-586-30062-0