オオヤマネコ
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オオヤマネコ | ||||||||||||||
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Eurasian lynx(ヨーロッパオオヤマネコ) |
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分類 | ||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||
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和名 | ||||||||||||||
オオヤマネコ |
オオヤマネコは、ネコ科オオヤマネコ属 Lynx に属する中型獣の総称。欧米での呼び方をそのまま用いて、リンクスということもある。体長85~115センチ。尾が短い。アメリカに生息するカナダオオヤマネコは平均12キロ。ユーラシアに生息するヨーロッパオオヤマネコは平均22キロとかなりサイズに開きがある。北米・ヨーロッパ・アジア北部に生息する。 行動範囲が広く、1夜で40km移動することもある。主にヨーロッパオオヤマネコはトナカイやノロジカなどのシカ類、カナダオオヤマネコはウサギを狩る。イノシシの子供、鳥、キツネなどを補食することもあり、220kgのアカシカを殺した例もある。天敵はピューマなどのより大型のネコ科の動物。
狭義の「オオヤマネコ」は、オオヤマネコ属の種の1つ、ヨーロッパオオヤマネコ Lynx lynx(ユーラシアオオヤマネコ、ヨーロッパリンクス)を指す。
オオヤマネコ属には、ヨーロッパオオヤマネコのほか、カナダオオヤマネコ Lynx canadensis 、スペインオオヤマネコ Lynx pardinus 、ボブキャット Lynx rufus の3種が属する。
[編集] 「視力の鋭い者」のイメージ
オオヤマネコ/リンクス lynx の名は、「光」を意味するギリシャ語に由来し、照度の単位ルクス lux とも同根である。これは、オオヤマネコの眼がかすかな光でもよく見えることによるが、視力の鋭さは、古代以来、ヨーロッパにおけるオオヤマネコのイメージにおいて、基礎をなすものであった。観察眼の鋭さを「オオヤマネコの眼」と表現し、たとえば英語では、lynx-eyed 「オオヤマネコの眼をした」という表現で「眼の鋭い」ことを表す。
古代から中世にかけて、どんなものでも見透かしてしまう超越的な視線の持ち主と考えられた「ボイオティアの大山猫(リンクス)」の名が、しばしば比喩として引かれた。ボイオティア Boeotia は中部ギリシャの1地方である。「もしも人間がボイオティアの大山猫のように、皮膚の下にあるものを見ることができるならば、誰もが女を見て吐き気を催すことになろう」というオドン・ド・クリュニー(10世紀フランスの修道士)の言葉は特に有名である。
中世キリスト教での象徴イメージとしては、このようなオオヤマネコの能力は、キリストの全知を表す。貴族の紋章にも、明敏や明智を表すものとして、オオヤマネコを用いたものがある。ちなみに、ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画「山猫」のタイトルも、主要な登場人物であるサリーナ公爵らの紋章によるものであるが、原題 "Gattopardo" は、サーバル、すなわち、アフリカのサバンナに生息する小型のヒョウのようなヤマネコを指す語であり(gatto はネコ、pardo はヒョウ)、いわゆるオオヤマネコ(リンクス)ではない。
このようなイメージにおいて、オオヤマネコと対置されたのはモグラであり、ラ・フォンテーヌの『寓話』にも、我々は仲間に対してはオオヤマネコであり、自分に対してはモグラである、と歌った寓意詩がある。
17世紀に新設された西洋星座のやまねこ座も、明るい星のない星域に、「この星座を見るためには誰もがヤマネコのような目を必要とするから」という理由で設定されたもので、オオヤマネコがイメージされている。