シカ
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シカ科(Cervidae) | ||||||||||||
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シカ(鹿)とは、哺乳類 ウシ目(偶蹄目) シカ科に属する動物の総称である。ニホンジカ、トナカイ、ヘラジカなどが属しており、約16属36種が世界中の森林に生息している。
シカ科に属する動物は草食性で、4つに分かれた胃をもち、反芻による消化を行う。オスは枝分かれしたツノをもつ。多くのシカ科のメスはツノをもたないが、トナカイはオスメス共にツノをもつ。ウシ科の動物のツノ(洞角)は骨の芯があり、生え替わらずに一生伸び続けるが、シカのツノ(枝角)は皮膚がもりあがってつくられるもので、毎年生え替わる。角は触ると硬いが、水につけていると自然と軟らかくなる。縄文人たちはこうする事で角を釣り針や矢じりなどの自由な形に加工していたと考えられている。体の大きさは体重6~8kg程度のプードウー(チリ、アルゼンチンなどに生息)から、体重800kgにも及ぶヘラジカ(ムース)まで様々である。
世界各地の山野に数多く生息していたシカ科の動物は、ほとんどの民族の文化に対して古くから重要な影響を与えていたと思われる。後世の文化においては、シカは、「俊敏」「非力」などの象徴として、また時には峻険な山岳地の象徴として用いられることがある(カモシカも参照)。ちなみに、カモシカはシカ科ではなく、ウシ科に属する。
またシカは、稲のまだ柔らかい芽を好んで食べる。その対策としてよく田んぼの周りを柵で囲むなどの対策を農家の人達は講じている。
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[編集] ニホンジカ
単にシカと言うときは、通常、ニホンジカ Cervus nippon を指すことが多い。1980年ごろに房総半島で野生化した外来種のキョンを除けば、ニホンジカは日本に分布する唯一のシカ科動物であり、大きな哺乳類の少ない日本では、ニホンカモシカと並ぶ代表的な大型動物である。詳細はニホンジカを参照。
[編集] 生活への関わり
牛・豚・馬などの皮革に比べて鹿皮は薄く柔らかいため、なめして、細かい加工を要する手袋などに適し、ときに柔らかい靴やソファーなどの材料となる。また、枝角はナイフの柄やボタンなどに用いられている。鹿の角は乾燥粉末や黒焼末は様々な効能をもつとして民間療法で用いられる。日本では鹿肉のことを「もみじ」と呼び、様々な肉料理に調理され味は一般に柔らかい牛肉に近い。ちなみに馬肉は「さくら」、イノシシ肉は「ぼたん」と呼ぶが鹿肉は秋の季語からもみじを連想し馬肉とイノシシ肉は色から連想された呼称である。
ジャコウジカの牡は腹部にある腺から、麝香(じゃこう)を分泌する。麝香は強烈な香りをもち、動物性香水として代表的なムスクや漢方薬の強心剤の原料として珍重されている。
[編集] シカにまつわる伝説・逸話
- 鵯越: 12世紀末源平の合戦の折りに、一ノ谷に陣を構えた平家の軍を攻めるため源氏は、海岸沿いから正面を攻める軍勢と背後の山地から奇襲を行う軍勢の二手に分かれた。源義経率いる奇襲部隊が目指した平氏の背後の山は「鵯越(ひよどりごえ)」と呼ばれる崖のごとき急坂で、とても軍の主軸である騎馬を下ろせるルートではないと思われた。しかし現地の者からこの鵯越をシカが通っていることを聞いた義経は「鹿も四つ足、馬も四つ足、鹿が越す坂ならば、馬も越せぬ道理はない」と、この急坂を駆け下りるよう軍勢に指示した。これが「鵯越の逆落とし」である。このルートからの奇襲など全く念頭になかった平家は三千騎とも言われる源氏の奇襲にあわてふためき、一気に総崩れとなった。(注:現在の六甲山には鹿は生息していない。また過去に生息していたかどうかは不明)
- 体重が1t前後になるヘラジカは道路に出て交通事故に遭うことがある。競馬用の競走馬の体重が500kg程度であることから、その体重ゆえに衝突衝撃で乗車している人間は元より車両にも多大な影響を与える。視界の悪い屈曲部などで衝突した車両にあっては、ときに運行できなくなるほど大破する。北欧では事故に遭ったヘラジカ(エルグ、エルク)により雪上に数mにわたって血染めの路面になり観光客を驚かすことがあり、日本国内における野生動物保護における小動物の警告や注意喚起とは若干主旨が異なる。群れのいる地域や生息が確認されている地域では「野生動物に注意」とともに「エルグに注意」の交通標識がありヘラジカの絵が描かれ衝突事故への注意を喚起している。
(註:ヘラジカはアメリカではムース(moose)、ヨーロッパの英語圏・ドイツ語圏ではエルク(elk)、北欧諸国ではエルグ(elg)と呼ぶ[1]。アメリカでは、アメリカアカシカであるワピチ(wapiti)をエルクと呼ぶ)
日本の文化におけるシカについてはニホンジカの項を参照。
[編集] シカの主な名所
[編集] シカを題材とした意匠
- 「バンビ」- フェーリックス・ザルテン作の童話およびディズニーのアニメ
- 「子鹿物語」- マージョリー・キナン・ローリングス作の児童文学および1946年のアメリカ映画、1983年の日本のアニメ
- 「仔鹿物語」- 釧路湿原を舞台とした1991年の日本映画
- 「片耳の大シカ」(椋 鳩十)
- 「シートン動物記 -サンドヒル・スタッグ-」(谷口ジロー/シートン)
- 「しかお」、「しかこ」、「アントン」(Jリーグ・鹿島アントラーズのマスコット)