カピバラ
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カピバラ属 | ||||||||||||||||||
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カピバラ(英名:Capybara、学名:Hydrochoerus hydrochaeris)は、現生種最大の齧歯類。カピバラ科唯一の種。南アメリカ東部アマゾン川流域を中心とした、温暖な水辺に生息する。名前は、グアラニー語の「Kapiyva」(草原の主)に因み、それがスペイン語に転訛し「capibara」と呼ばれるようになった。和名オニテンジクネズミ(鬼天竺鼠)。
カピバラは、体長105~135cm、体重35~65kgにまで成長する。5cm以上にも及ぶタワシのような硬い体毛に覆われている。泳ぎが得意で、前足後足には蜘蛛の巣状の水かきがついている。群れを成して泳ぎ、捕食動物から身を隠すために水中に5分以上潜ることができる。鼻先だけを水上に出して眠ることもある。
オスは鼻の上に分泌腺(モリージョ)があり、交尾期になると、メスを引き付けるためにこれを周囲の木の葉にこする。 妊娠期間は150日で、齧歯類の中で例外的に巣を作らず、水辺の草むらに直接仔を1~7匹生む。一頭のオスと複数のメスとその仔からなる10頭ほどの群れで生活し、集団で子育てを行う。乾季になると、水場を求めて大移動を行い、結果的に100頭以上の群れを形成することもある。寿命は5~10年。草食性で、朝夕に活動し、川辺で水中の草や木の葉などを食べて過ごす。
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[編集] 食肉としてのカピバラ
原産地のブラジル南部、アルゼンチン北部、ウルグアイのパラナ川流域一帯では、家畜や食糧にするために捕獲されることが多かった。現在では狩猟を禁止する国も多くなったが、カピバラの肉は豚肉のような味がするとされ、ベネズエラでは食肉用に開発されている。日本の商社にも食肉としてサンプル的に輸入し、販路の開拓を試みた会社があったが、肉質が硬かったらしく、本格的に輸入を開始したという話は聞かれない。
[編集] 日本で飼育されている場所
日本各地の動物園で飼育されているが、寒さに弱く、冬場は展示していない動物園もある(例:旭山動物園、いしかわ動物園)。最も個体数が多い動物園は長崎バイオパークで、30個体以上が飼育されている。バイオパークは実質的に放し飼い状態になっており、カピバラに直接触れることができる。変わったところでは、伊豆シャボテン公園で飼育されているカピバラで、冬場は温泉に入る姿を観察することができる。 また、秋篠宮文仁親王が自宅でマーラやワニガメなどと一緒に飼育されている。 また、熊本の阿蘇にあるカドリードミニオン(旧称:阿蘇くま牧場)でも、飼育されており、通常檻の中に居るが、天気の良い日は園内に放し飼いされていることがあり、直接触れることができるときもある。
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