長崎バイオパーク
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長崎バイオパーク(ながさき-)は、長崎県西海市西彼町中山郷2291番地の1にある動物園である。
バイオパーク株式会社が運営している。
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[編集] 概要
長崎オランダ村に先立って1980年11月に開園した。
大型の肉食動物は飼育していないが、リャマ、カピバラ、リスザルなど哺乳類を中心に淡水魚、昆虫類まで多数飼育している。また、1994年には日本で初めてカバの人工哺育に成功した。
園内は檻などが少なく、キツネザルやシマウマなどを除いてほとんどの動物を間近で見ることができ、餌付けもできる。他のゾーンとの仕切りは低い塀や水路、暗い通路などで、それぞれの動物の習性により他のゾーンへ逃げ出すことは少ないが、カピバラやマーラなどはたまに他の区域に出没する。
園内は順路に沿って歩いて観覧する。12のゾーンに分かれているが、そのうち最初の4つは往路と復路の両方で通る。また、園全体が雑木林と照葉樹林内にあり、在来の動物も見かけられる。
- トトーラの池 - ハクチョウ、マナヅルなど。冬季には野生のカモ類が飛来し、トモエガモやアメリカヒドリも記録がある。池の中にはクモザルのやぐらが建つ
- インカの石積み - 熱帯館に通じる階段とスロープ。リャマ、コンゴウインコなど
- 熱帯館 - 南アメリカの熱帯雨林を中心とした各種植物、オオコウモリ、カメ、オオゴマダラなど
- アマゾン館 - 二段構造になっている。往路では水槽上のオオハシ、グリーンイグアナ、ナマケモノなどの陸上動物、復路では水槽内のナマズ、シクリッド、コロソマ、ピラルクー、淡水エイなど大型淡水魚がみられる
- そうしの滝とフラミンゴの池 - キツネザル、カワウソ、マゼランペンギンなどがいる坂を上るとフラミンゴの区域がある
- アンデス広場とラマの岩山 - プレーリードッグ、リャマなど。レストラン、昆虫館などもここにある
- カピバラの池とオマキザルの島 - 足もとでカピバラが寝転がっている
- シャボテン・ロックガーデン - シロサイ、ハナグマ、ヤマアラシ、シマスカンクなど
- アライグマとレッサーパンダの丘 - リクガメ、ミーアキャットなど。区域内はパタゴニアに分布するげっ歯類・マーラが歩き回っている
- キリンとシマウマの見える坂道 - ダチョウなど
- カンガルーの丘とリスザルの森 - ワラビー、エミューの区域を過ぎるとリスザルが頭上を跳びまわる区域がある
- カバの池とキツネザルの島 - カバ一家の池を上から眺められる
[編集] カバの「モモ」
「モモ」は、長崎バイオパークで人工哺育によって育てられたカバである。
1994年3月6日に誕生したが、ふつうのカバは水中で出産するところを陸上で産み落とされたため、子カバ(モモ)は動くことができず衰弱していった。ここで職員が子カバをとり上げ、人工哺育が始まる。
しかし人工哺育されたため、その年の5月に池に戻っても水を恐れて泳げなかった。ここでも職員が泳ぎの訓練をおこなう。6月1日には公募によって「モモ」という名前がつけられた。
最初は水に入っても鼻孔や耳を閉じることができなかったが、訓練を経て泳げるようになった。モモの訓練の様子はテレビ番組などでもたびたび取り上げられ、絵本にもなった。
そんなモモも2005年現在では2児の母となり、一家とともにカバの池で愛嬌を振りまく。
このモモの保育に携わったバイオパーク職員の伊藤雅男氏はチョウの研究も行っており、アサギマダラのマーキング調査で近畿地方と長崎県の間の長距離移動の実証に成功していることでも知られている。また、バイオパークの温室で生きたチョウの展示を行っていた時期には、日本でも有数の高い飼育技術で、低コストで熱帯のチョウを大量増殖して常時展示する体制を構築するのに大きく貢献していた。
[編集] 開館時間
年中無休・9:00-17:00。ただし入園は16:00まで。なお、8月中は17:30まで開館しており、入園も16:30まで可能。
[編集] 料金
大人1600円・中高生1000円・3歳以上小学生以下700円。ただし15人以上の団体や学校・幼稚園・保育園には団体割引がある。
園内の飲食や餌付け用の餌は別料金が要る。また、別料金が必要な施設やイベントもある。
[編集] 交通機関
長崎市からは長崎バスの大串行きに乗車、二股バス停で下車し徒歩5分。ただし午前中の大串行きはバイオパーク経由が多いのでその場合はバイオパークバス停で下車するとよい。大串行きは1時間に1本ほどのペースで運行している(長崎駅前から1時間20分程度)。
佐世保市からの場合は、ハウステンボス駅前(ホテルローレライ)・ハウステンボス入国棟前~バイオパーク間の無料送迎がある(事前予約が必要)。
[編集] 外部リンク
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