カンラン科
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カンラン科 (-か、Burseraceae) は、被子植物門の科のひとつである。APG植物分類体系では、ムクロジ目に属すが、かつてはミカン目に属していた。 アジア、アフリカと南北アメリカの亜熱帯から熱帯にかけて17から18属540種が分布する。
葉は互生し、多くは羽状複葉で油点がある。花は普通小さく、花弁と蕚片は4か5.雄蘂はその2倍か3倍数あり、雌蕊は3~5ある。果実は通常蒴果か核果である。
橄欖(かんらん)はインドシナの原産で、江戸時代に日本に渡来し、種子島などで栽培され、果実を生食に、また、タネも食用にしたり油を搾ったりする。それらの利用法がオリーブに似ているため、オリーブのことを漢字で橄欖と当てることがある。新約聖書「マタイによる福音書」の有名な「橄欖山の垂訓」は、オリーブのほうである。ミルラ Camiphora abyssinicaの樹脂である没薬(もつやく)は、古代エジプトで、貴人のミイラを作るのに使われ、日本語のミイラ(木乃伊)は、ミルラが語源という。また、乳香(にゅうこう)は、Boswellia carterii の樹脂で、香料・薬用などに使われている。