ガネーシャ
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ガネーシャ (गणेश, gaNeza) は、ヒンドゥー教の神の一柱。その名はサンスクリットで「群衆(ガナ)の主(イーシャ)」を意味する。同じ意味でガナパティ (गणपति, gaNapati) とも呼ばれる。
また現代ヒンディー語では短母音の/a/が落ち、同じデーヴァナーガリー綴りでもガネーシュ、ガンパティ(ガンパチ)などと発音される。英語風に訛ればガーネッシュ (Ganesh) などともなる。
太鼓腹の人間の身体に 片方の牙の折れた象の頭をもった神で、4本の腕をもつ。障害を取り去ったり、財産をもたらすといわれる。インドのマハラシュトラ州を中心にデカン高原一帯で多く信仰されている。
ヒンドゥー教の体系の中では、シヴァとパールヴァティーの間に生まれた子供である。しかし、これはシヴァ系の宗教が独立したガネーシャ系の宗教を取り込んだ際の解釈だと思われる。現在でもガネーシャはシヴァ系のヒンドゥー教の一部である。
神話としては
パールヴァティーが身体を洗って、その身体の汚れを集めて人形を作り命を吹き込んで自分の子供を生んだ。 パールヴァティーの命令でガネーシャは、浴室の見張りをしている際に、シヴァが帰還した。ガネーシャはそれを父、あるいは偉大な神シヴァとは知らず、入室を拒んだ。シヴァは激怒しガネーシャの首を切り落とし遠くに投げ捨てることになる。
パールヴァティーに会いそれが自分の子供だと知ったシヴァは、投げ捨てたガネーシャの頭を探しに西に向かって、旅に出かけることになるが見つけることはできずに、旅の最初に出会った象の首を切り落とし持ち帰りガネーシャの頭として取り付け復活させた。これが、ガネーシャが象の頭を持っている所以とされる。
日本の仏教では、歓喜天(聖天)と呼ばれ仏(ほとけ)のひとりとして含まれている。(cf.仏の一覧)
スリランカではナラギリ(Naragiri)という象の悪魔にされている。