ガーゴイル
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ガーゴイル(英語: gargoyle または gurgoyle)は建築においては屋根にある雨樋から流れてくる水の排出口をもった彫刻を指す。もともとは口やのどを意味するフランス語のgargouille から来ている。さらにそれは水が流れるときのゴボゴボというような音を表すラテン語のgar から派生した言葉である。イタリア語では doccia di grande, ドイツ語では Ausguss と書く。
ガーゴイルはそのほとんどが背中に翼をもったグロテスクな姿をしている。ガーゴイルという言葉は特に中世の彫刻に対して使われることが多いが、あらゆる時代で屋根から水を流しだすという意味で使われている。エジプトでは寺院の平らな屋根の上にガーゴイルがあり、その吐き出す水で聖杯などを洗っていた。ギリシャの神殿では、屋根の突出部についた大理石でできたライオンの口やテラコッタ(赤土の素焼き)でできた貝殻から水が流れ出るようになっていた。ポンペイで発見された数多くのテラコッタ(赤土の素焼き)でできたガーゴイルは、さまざまな動物をかたちどったものだった。
現代ではテリー・プラチェットの書いた「ディスクワールド」シリーズなどのファンタジー小説やディズニーのアニメ、ファンタジー世界を舞台とする多数のコンピュータRPG・テーブルトークRPGなどにも登場している。例えば石像であるガーゴイルが意志を持って動き出し人間を襲う、といった風である。
[編集] ガーゴイルを取り扱った作品
- ノートルダムの鐘
- 主人公カジモドの唯一の親友として三人組(?)のガーゴイルが登場、カジモドの外見的醜さを際立たせると共に、彼の外見の醜さとは裏腹の内面的な美しさを引き立たせた。
- 吉永さん家のガーゴイル
- 「ガーゴイル」という名の門番という使命に燃える喋る犬の石像が登場、個性的な面々の揃う吉永家を巻き込んで、数々の珍騒動を引き起こすハートフルコメディと銘打ったライトノベル。
- シュヴァリエ
- 主人公デオンの姉であるリアが狩り続ける詩人として登場(漫画版)。詩人としての階級が高いほど、人間離れをした容貌になる。
[編集] 関連項目
この記述はパブリックドメインの百科事典『ブリタニカ百科事典第11版』("Encyclopædia Britannica" 1911年版)に基づいています。
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