グローバリー
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グローバリー株式会社は、愛知県名古屋市東区に本社を置く、かつての日本の商品先物取引会社(商品取引員)である。名証第2部に上場していたが2005年11月1日に上場が廃止された(理由は後述)。上場していたときの証券コードは8745であった。英文社名は、Globaly Corporation。
[編集] 問題
統計によると、廃業した東京ゼネラルについで取引上の苦情相談件数が日本一多い商品取引員であった。 2000年には大分県で登録外務員(営業職社員)が違法な営業行為により損失を出した顧客によって殺害された事件もあった(さらに殺害した服役囚は会社を相手取り民事訴訟を起こし、「違法かつ悪質な営業だった」として会社側から損害賠償金を勝ち取っている。社員殺害の加害者であるにもかかわらず損害賠償が支払われるほど、営業活動が凄惨だったことを物語る)。
同社については、経済産業省と農林水産省が2005年4月27日に商品取引所法に基づき、同年5月10日から6月23日まで顧客との取引を停止する処分および業務改善命令を出した。その後の立ち入り調査で、顧客の担保金の返還を拒否するなど悪質な法令違反が発覚し、6月24日から9月16日までの営業を停止する追加処分が行われ、さらに、商品取引所法違反の容疑で刑事告発を受けるに至った。このため顧客の流出や従業員の退出が止まらず、2005年9月30日付けで商品先物取引業務及び商品投資販売業務の廃業をする事を2005年8月5日発表した。また、これに代わる新規事業の立ち上げの目途も立たないことから、名古屋証券取引所から、同社の株式を同年11月1日をもって上場廃止する旨の通告が行われた。
11月1日には、社長を始めとする4人の経営幹部が監督官庁への虚偽報告などの容疑で警察に逮捕された。
[編集] スポーツ活動
陸上競技部は、アテネ五輪の女子マラソンで金メダルを獲得した陸上選手野口みずきが所属していた。だが、一連の騒動の影響を受けて2005年11月一杯での廃部が決まり、野口もシスメックスに移籍した。グローバリーは同社の内部事情を知らない野口を広告塔として利用して更なる顧客拡大を図ったと言われているが、野口の予想以上の活躍が警察・マスコミ関係者を含めた同社に対する社会的関心を呼んだために結果的には摘発に繋がったと見る向きもある。