コブラツイスト
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コブラツイスト(Cobra twist)とはプロレス技のひとつ。アメリカではabdominal stretch、あるいはGrapevineと呼ばれる。相手の身体に自分の手足をブドウのツタのように捲きかせるためであろう。
背後から相手の左足に自分の左足をからめるようにフックさせ、自分の左腕を相手の右腕の下を経由して首の後ろに巻きつけ、背筋を伸ばすように伸び上がる。可能な場合は、両手をクラッチするとさらに威力が増す。創始者はベネズエラ出身のプロレスラーサイクロン・アヤナである。アナヤはこの技を「アナヤズ・ストレッチ」と称していた。ルー・テーズからギブアップを奪った実績を持つ。ディック・ハットンが創始者という説もあるが、彼が活動したのはアナヤよりも後である(ただ屈指の使い手であることは確かだ)。
背中を締める技で、がっちりと決まると呼吸さえ苦しくなる。かつてはアントニオ猪木が必殺技として使っており、藤波辰爾や西村修が継承している。一時期は猪木のフィニッシュムーブであり「アントニオ猪木といえばコブラツイスト」ともされていたが、この技を多くのプロレスラーが使い出したため(特にライバルのジャイアント馬場が使い出したことが大きな理由であるといわれる)、その進化系である卍固めを使いはじめたという。昭和期の使い手としては他にグレート草津がいる。
全日本プロレス系のプロレスラーではジャンボ鶴田の「拷問コブラ」が有名。締めつつ手で相手の頭部を押し下げる形で、菊地毅などの小型レスラーをいたぶっていた。
フォールを取りに行きつつ締めるグラウンドコブラが派生技として考えられているが、実は原型はこちらの方で、もともとはアマレスの技であった。 近代最高の使い手であるアントニオ猪木も、引退直前に「実際は寝て極めるもの」と明かしている。また、「グラウンドならば総合格闘技でも有用な技」だということを鈴木みのる(パンクラスでのスパーリングで、ロッキングチェアホールド~グラウンドコブラに移行してタップをとった)や桜庭和志がインタビューで話している。